摂南大学(経済学部)「はじめて、一人じゃないと思えた」長岡たかし

初めて出会えた憧れの人

 

僕はずっと、一人で戦ってきました。

 

それが、一番早いと思っていたし、

何より楽だったから。

 

けれど、今思えば、

自分一人でできることの限界も、

同時に感じていたのだと思います。

 

でも、当時の僕には、心を許し、

頼れる〝誰か〟なんて、周りにはいませんでした。

 

その誰かを、僕はずっと探していたんだと思います。

 

僕は元々、格闘技が好きで、

高3の春までキックボクシングに明け暮れていました。

 

でも、そのキックボクシングも

ジムには通っていたものの、

基本的には、YouTubeで技を研究し、

一人で練習していました。

 

だから、何をするにも、

〝一人でする〟のが癖になっていたのです。

 

当時の偏差値は40。

 

苦手な国語に至っては「偏差値32」を

取ってしまうぐらい絶望的な学力でした。

 

それでも、受験勉強も、今までと同じように、

いろんなYouTubeをみて、勉強法を研究したのです。

 

すると、その中で一人だけ、

心に響く解説をする人を見つけます。

 

それが、よなたんでした。

 

最初のきっかけは、英単語の勉強法。

 

動画で解説していた通りに勉強すると、

英語の成績が驚くほど上がったのです。

 

けれど、僕が心惹かれたのは、別の理由でした。

 

単に勉強だけを解説するのではなく、

その先の「生き方」について熱く語る姿。

 

その姿に、僕は、

今まで感じたことのないような

強烈な憧れを抱いたのです。

 

「この人に、会ってみたい…!」

 

いつか絶対に会いにいこうと心に決めて、

僕は受験勉強を続けました。

 

結局、現役時代は、受験した大学にことごとく落ちます。

 

でも、心の中では、もう決めていました。

 

「俺は、ミスターステップアップで浪人するんだ!」

 

だから、広島県で最後の受験を終えたその日に、

僕は家にも帰らず、そのまま新幹線で、

ミスターステップアップへと向かったのです。

 

入塾説明では、村田先生が

いろんな話をしてくださいました。

 

1年間の勉強計画はもちろん、受験の心構えや注意点、

さらには、受験と人生がどう繋がっていくのか?という話まで…

 

元々、決意を固めていましたが、

村田先生の話を聞き、塾の様子を見て、

もう何の不安もなくなったのです。

 

だから、すぐ福岡の家に帰って、親に頼み込みました。

 

「お願いします!ミスターステップアップで浪人させてください!!」

 

僕は、喋りが上手い方ではありませんでした。

 

だから、素直に熱い思いをぶつけるしかなかったのです。

 

正直、金銭的にも、余裕があったわけではなかったと思います。

 

でも、両親は僕の必死に頼む姿を見て、

ミスターステップアップで浪人することを許してくれました。

 

こうして、僕の浪人生活は始まったのです。

 

たった一言で、救ってくれた

 

浪人が始まり、先生に言われた通り

僕はとにかく勉強を進めていきました。

 

けれど、ずっと一人で戦ってきた癖が出てしまって、

なかなか先生へ相談することができなかったのです。

 

それが、悪いことだとも、当時は思っていませんでした。

 

ただ、思うように勉強が進まなくて、

自分をだんだん責めるようになったのです。

 

「教えてもらった通りにやってるのに、

 どうして、成績が上がらないんだろう…?」

 

「やっぱり、俺が大学へ行くなんて、無理なんじゃないか…?」

 

そんな時、声をかけてくださったのが、弓場先生でした。

 

「あんまり、長岡くんと話せてないよね?」

 

弓場先生は、ずっと見守ってくださっていたのです。

 

だから、僕がなかなか先生へ相談に行けず、

一人で勉強していたのも、わかっていました。

 

「〇〇を終えてから、先生に見せに行こう」

 

「勉強進んでないのに相談へ行ったら、

 怒られるんじゃないか…?」

 

頭でグルグル考えてしまって、

結局は、何も進めることができない。

 

そんな僕の状態も、見抜かれていたのです。

 

だから、弓場先生は、僕にたった一言、

こう言葉をかけてくれたのです。

 

「じゃあ、今日から毎日、合格手帳を見せにきてね!」

 

このシンプルな約束が、

僕の受験生活を大きく変えてくれたのです。

 

それからは毎日、

弓場先生へ合格手帳を見せに行くことを一つの目標に、

勉強を進めるようになりました。

 

もちろん、合格手帳を見せに行くからには、

恥ずかしい1日を送るわけにはいきません。

 

弓場先生に、毎日いい報告ができるように…と、

とにかく必死で、毎日の勉強に取り組みました。

 

死に物狂いで勉強に立ち向かい、1日を過ごして、

弓場先生へと合格手帳を見せに行く。

 

その時、勉強でわからない部分を相談したり、

何気ない話をするようになりました。

 

すると、その日からどんどん調子が上がって、

勉強するスピードも格段に変わったのです。

 

「〝ずっと見守ってくれてる人がいる〟

 

 そう思えるだけで、

 こんなにもエネルギーが湧いてくるんだ…!」

 

そのことに気づいてからは、

「自分一人の方が楽だし、早いじゃん」なんて、

思っていた自分が本当にバカらしくなったのです。

 

「もっと、先生を頼って、先生の感覚を盗んでいこう!」

 

そう思って、試験本番まで勉強に取り組みました。





最後の最後で、諦めそうになった。でも…

 

迎えた試験本番。

 

共通テスト1日目、

僕は、英語の試験で大きな失敗を犯しました。

 

長文を読んでいく中で、

途中からまったく内容が入ってこなくなり、

早々に、諦めてしまったのです。

 

体調も悪くて、すぐに言い訳を探している自分がいました。

 

正直、2日目の試験に行くのが嫌でした。

 

でも、塾へ帰ると、そんな僕の状態を見て、

村田先生が一喝してくれたのです。

 

「本番中は、どんな状態になろうとも、

 チャイムがなる最後の瞬間まで諦めんな!!」

 

その熱い言葉に、この1年間の勉強を

投げ出そうとしていた自分を心底恥じました。

 

「そうだ!こんなにも頼れる

 先生方に支えて頂いてるのに、

 

 なにを俺自身が諦めようとしてるんだ…!」

 

だから、2日目の試験は

絶対に最後までやり切ろうと

心に決めて挑んだのです。

 

しかも、2日目の試験は、

なかなか点数の上がらなかった

数ⅡBの試験がありました。

 

12月の時点で、20点しか取れない。

 

正直、絶望的な状況でした。

 

けれど、

 

「今からでも、微積だけは完璧にしよう!」

 

と、弓場先生から頂いたアドバイスをもとに、

1ヶ月必死に向き合ってきた教科でもあったのです。

 

だから、これまでのすべてを

ぶつける気持ちで試験に挑みました。

 

すると・・・

 

本番で初めて、7割近い点数を取ることができたのです。

 

僕にとっては、奇跡的な点数でした。

 

「これなら、残り数週間でも、

 諦めず、最後までやり切ったら、

 

 まだまだ成績を伸ばせるかもしれない…!」

 

「何より、自分にはこんなにも

 自分を信じてくれる人がいるんだから!」

 

そう思って、僕は最後の試験へと挑むことができたのです。

 

「世のため、人のために生きたい!」

 

試験前日、僕は正直、自信がありませんでした。

 

過去問を解いても、合格点を取れるのは数学だけ。

 

「本当に、合格できるんだろうか…?」

 

自分の実力を疑ってしまったのです。

 

その不安を弓場先生に相談しました。

 

すると、弓場先生は厳しくも愛ある言葉で、

こう話してくださったのです。

 

「それは、明日、受験する人間の言葉ちゃうやろ!?

 

 自分のことばかり考えてないで、

 『世のため、人のために受験するんだ!』

 ぐらいのモチベーションで挑んできたらいい。

 

 今の長岡くんなら、絶対、そう思えるはずだから。

 

 高い志を掲げて挑む受験は、

 お金には変えられない価値を人生にもたらしてくれるんだよ」

 

その時、この1年間支えていただいた

先生やスタッフ、大学生の顔がふと思い浮かびました。

 

そして、こう思ったのです。

 

「これまでずっと、一人で戦ってきた。

 

 でも、今の自分には、

 こんなにもたくさん支えてくる人がいる。

 

 自分だって、これから先に出会うであろう

 “誰か”の支えになれるはず!

 

 そんな自分が〝大学受験程度で〟立ち止まってどうする!?」

 

そう思えば、あれだけ不安だった試験が

まったく怖くなくなったのです。

 

思えばこの1年間、

 

僕はずっと、一人で戦ってきたからこそ、

見守ってくれる誰かがいるだけで、

人はどこまでも頑張れることを知りました。

 

何より、人のあたたかみや、

支えてくれる人がいることの有り難みを知りました。

 

だからこそ、僕もまた、

少しでもそのあたたかみを伝えていきたい。

 

目の前にどんな人が訪れても、

その孤独を支えられるような人に

なっていこうと思っています。

 

振り返れば、この1年間は、

見守り、支えてくれる〝誰か〟がいることの

有り難さを何度も思い知った日々でした。

 

こんな受験、ミスターステップアップだからこそ、

経験することができたと思います。

 

1年間、本当にありがとうございました。