わたしがミスターステップアップに入塾したのは、高校3年生の夏でした。
当時のわたしは理系科目が苦手で、点数も思うように伸びず、焦りばかり感じていました。
講師のあべさんからアドバイスをいただいても、正直なところ、本気で実行できず、現役では医学部にすべて落ちてしまいました。
ミスターステップアップで浪人すると決めたとき、わたしはあることを決意しました。
それは、
「あべさんの言うことを100%聞いて、100%実行する」
ということです。
現役時代は、あべさんに勧められた参考書を中途半端に手放したり、ほかの参考書に手をつけたりと、アドバイスを活かしきれていませんでした。
それが敗因だったのだと気づいたのです。
決意した日からは、バイブル本を死ぬ気でセルフレクチャーし、必死にやり込みました。
しかし最初のうちは、バイブル本のテストでは点が取れても、少し形が変わると解けないことが多く、自分の勉強が表面的であることに気づきました。
バイブル本テストのフィードバックで講師から、「なぜそうなるのか」を大切にするよう言われ、勉強の深め方を少しずつ変えていきました。
教科書に戻り、現象そのものを理解することを意識して勉強を続けました。
すると少しずつ、点と点だった知識が線で結ばれるように、感覚が変わりはじめました。
模試の問題とバイブル本をつなげて、現象を多角的にみることもできるようになっていきました。
時は過ぎ、共通テストが近づいてきた12月頃。
手応えは感じつつも、過去問演習(特に物理・化学)がいまひとつ点数が伸びず、6割前後で停滞していました。
それまで避けていた過去問分析を徹底しようと腹をくくり、バイブル本と結びつけたり、出題傾向を分析したり、セルフレクチャーを何度も繰り返しました。
最終的には、5年分を何も見ずにセルフレクチャーでき、「こう問われたらこう答える」というパターンをすべて言える状態にまで仕上げました。
そんなある日、突然、物理と化学の本質が見えた瞬間がありました。
「結局これを聞いているだけやん!」と、稲妻に打たれたような「わかった」という感覚です。
そこから一気に、過去問で化学は8割、物理は9割を安定して取れるようになりました。
この時期、同時進行で「化学重要問題集B問題・体系物理応用問題の勉強会」がおこなわれていました。
現役京大生のマイケルさんやあべさんお手製の書き込みプリントを使い、1日4〜5時間かけて問題の解法をレクチャーしていただく会です。
講師の方々が、解法の裏側にある「本質」──「結局、こういうこと」という部分をわかりやすく解説してくださいました。
できるひとはこう考えるのだという感覚を吸収でき、理解がさらに深まりました。
しかし、受験はそう簡単にうまくいくものではありませんでした。
共通テスト本番。
結果は思うようなものではなく、自己採点をしたとき、目の前が真っ暗になりました。
この点数では、国立医学部の受験は厳しい──。
わたしは呆然としました。
この日のためにがんばってきた1年間はなんだったのか。
天はわたしを見捨てたのか。
自分は医者になる運命ではなかったのか。
そして、いままで支えてくれた家族やスタッフのひとたちに、結果で応えられなかったことが申し訳なくてたまりませんでした。
いままでの人生でこんなにがんばった経験がなかった分、報われなかったことに、ひどく落ち込んでしまいました。
あべさんにそのことを相談したとき、こう言ってくださいました。
その言葉を聞いたとき、わたしはまだ自分を信じられてはいませんでした。
けれど、あべさんはわたしのことを信じてくれている。
自分をまだ信じられないなら、あべさんの言うことを信じよう──そう思いました。
また、あべさんからは、こんな言葉もいただきました。
それから、わたしは髪をおろして頭をゆるめ、毎日公園へ行って体をゆるませました。
すると、ある変化が起きました。
私立医学部に向けて対策をし始めたころ、共通テスト直前のわたしとは別人になっていたのです。
「受からなきゃ」という力みがはずれ、心がおだやかになりました。
いままで支えてくれたひとたちや講師の方々への感謝で満たされ、問題を解いているときも、「ありがとう、ありがとう」という気持ちで目の前の問題と向き合えるようになっていました。
金沢医科の一次試験前日。
物理と化学の勉強をしていたとき、なぜかわからないのですが、いままで避けてきた問題を少しやってみようという気持ちになりました。
教科書で公式の証明を確認したり、バイブル本を解きなおしたりしました。
一次試験の本番。忘れもしません。
物理では、前日にやったあの原子の問題やコンデンサー周辺の問題が出題され、化学では油脂がまったく同じ形で出てきたのです。
本当にこういうことが起きるのだと、おどろきました。
二次試験の練習では、村田先生が深夜まで付き合ってくださり、模擬面接を何度も重ねる中で、形式にとらわれない受け答えが身につきました。
そして、本番でも力を発揮でき、金沢医科大学医学部に合格できました。
この受験を振り返り、わたしを合格へ導いてくれたのは、「信じる」ことと「感謝する」ことだったと思います。
受験勉強は、想像の何十倍も過酷で苦しいものです。
そんなとき、自分のことが信じられなくなったり、弱気になることがあります。
けれど、いざ自分を信じられなかったとしても、自分を信じてくれるあべさんを信じることはできました。
この1年間、あべさんには厳しいことも言われましたし、あたたかい言葉に何度も励まされました。
信じる力があったからこそ、より深い信頼関係を築けましたし、それが合格へ導いてくれたのだと思います。
この1年間、浪人させてくれた両親。
毎日おいしいごはんをつくってくれる飲食スタッフのみなさん。
塾講師の方々。
何度も質問に答えてくれた、大学生のこうしろうさんやなおきちさん。
みんなのおかげで、あきらめずにがんばれました。
結果がどうあれ、応援してくれたひとたちのためにも、最後までやりきりたい。
そんな思いが結果至上主義を超え、「どう生きたいのか」をわたし自身に問い直してくれました。
共通テストでうまくいかなかった当時は、精神的にどん底で、人生が終わりだと思いました。
しかし、共通テストで失敗したからこそ、いまの自分がいると思います。
「失敗」を「失敗」のままで終わらせずに、「成長のタネ」として捉え、立ち上がり、最後までやりきったこと。
それが、今回の合格につながったのだと思います。
これから医学の道に進んでも、この受験で学んだことを忘れず、困難に直面しても前を向いて努力を続けていきます。
この1年間、本当にありがとうございました。



















