奈良女子大学(生活環境学部)合格「逃げ出さなくて、本当によかった」大谷 ゆきの

志望校合格の先を目指して

後悔ない受験生活を送ることができたの…?


私はずっと、後悔していました。

 

現役で公立大学に受かり、その大学へと通うようになった。

友達もいるし、勉強だって楽しい。

 

でも、なぜかモヤモヤする・・・。

 

そのモヤモヤを抱えながら、私は大学生活を送っていました。


ただ、本当は、その“モヤモヤの正体”をわかっていたんです。

 


それは〝受験勉強を最後までやり切らなかった〟こと。

 


現役時代、私は第一志望だった大学への挑戦を途中で諦めてしまったのです。

安全圏だった大学を受験し、無事合格。

私はその大学への進学を決めました。

 


けれど、それは受験勉強をやり切ることなく、中途半端なまま、大学生になることを意味していました。


だから、自分の心は、感じていたのだと思います。

 


不完全燃焼なまま、受験勉強を終えてしまったこと。

第一志望の大学から逃げてしまったこと。

そのことを、ずっと後悔していること…。

 


大学に行っていても、ずっと苦しくて、煮え切らない思いがずっと自分の中に残っていました。

でも、一度きりの人生で、後悔を残したくなかった。

 


だから、自分の中のモヤモヤが積もりに積もった7月の終わり、私は、もう一度受験勉強をイチからすることを決意しました。

 


もちろん、受験勉強はそう簡単なものではないことも理解していました。

「もう一度、あの苦しみを向き合わなきゃいけないの…?」

そう思って、なかなか再受験を決断できない自分もいました。

 


でも、その迷いを突き破るほどの熱い思いが湧き上がってきたのです。

 


「再受験をするために、大学を辞めます!!」

勢いのまま、私は退学届を出し、両親にも宣言をしました。


「やるからには、この1年を絶対の悔いのない日々にしたい。じゃあ、どうやって勉強しよう…?」

 

予備校を探していた時、母から1冊の本を手渡されます。

それが『E判定からの大逆転勉強法』でした。


この本は私が高校生の頃、偶然、友達の家の本棚で見つけた1冊。

本の存在すら忘れていた私に、母は本を差し出しながら言ってくれました。

 

「この塾へ行ってみたらいいんじゃない?」

 

夜遅くまで塾が開いていて、自分だけの自習机だってある。

「この塾なら、心ゆくまで受験勉強に没頭できるはず!」

そう思った私は、ミスターステップアップへ入塾することを決めます。

こうして、私の受験生活が始まりました。


いつだって、みんなが寄り添ってくれた


元々、勉強することが苦手ではなかった私は、入塾したその日から勉強に没頭することができました。

だけど、スタッフの方にはなかなか心を開くことができず、本音を伝えられなかったのです。


言いたいことが言えない自分に嫌気がさして、人に会うのも嫌になり、家に引きこもってしまうこともありました。

 

それでも、塾に行けばスタッフの方が何度でも話を聞いてくれました。

 

家に引きこもっている私を呼びに来てくれたり、先生にも、何時間もお話をしていただいたり…。

「私一人のために、こんなにも向き合ってくれるんだ…」

愛情を受け取るうちに、少しずつ本音が言えるようになったのです。

 


ある日、私は受験生活の指針となる言葉を授かります。

柏村先生が「大逆転の会」で、次のような言葉を教えてくださったのです。

 


「受験勉強では、もちろん、結果も大事。

 だけど、それ以上に大事なことがある。

 それが〝心の底から喜べる受験勉強にする〟ということ。

 受験勉強を終え、1年間を振り返った時、

 『私は1年間、やり切った!』と、

 心の底から喜ぶことができる。

 そんな1年にすることが大事なんだよ」

 


話を聞きながら、私は現役時代の受験生活を思い出していました。

 


「あぁ、そうか。私はあの1年間で、心の底から喜べるような受験生活を送れてなかったんだ。だから、あんなにも後悔していたんだ…」

 

まさに、自分の後悔の正体がわかった瞬間でした。

何より、自分の心の声をまさに代弁してくれた柏村先生の言葉が、

私の胸に突き刺さったのです。

 

そして、決意しました。

 

「絶対に、この1年間は受験勉強を最後までやり切ろう。

 そして、〝心の底から喜べる受験生活〟を送ろう」

 

それからはメンタルがぶれることもほとんどなく、より勉強だけに没頭できるようになりました。

逃げずに立ち向かった時、奇跡が起きた

そして、迎えた入試本番。

「これだけ勉強してきたんだから、絶対大丈夫!!」

そう意気込み、試験へと臨みましたが・・・

 


試験1日目。

私は大きな失敗をしてしまいます。

 


私の受験した東京工業大学は、数Ⅲの問題がよく出題されていました。

数学が得意なのもあって、「この数学で得点を稼いでおこう!」と、私は数Ⅲの問題を重点的に取り組んでいたのです。

 

ところが、試験本番、配られた問題用紙を見て、私は絶望します。


対策してきた数Ⅲの問題が、ほとんど出題されていなかったのです。

 

「こんなに対策してきたのに、なんで…!?」


必死に取り組んだものの、手応えはなし。

 

「このままじゃ、絶対に合格点には遠く及ばない…」

「こんなに1年間勉強してきたのに、最後の最後でどうして…」

 

まだ2日目の試験を残して、心が折れてしまいそうでした。


でも、そんな時、入試へと出発する前、村田先生がかけてくれた言葉を思い出したのです。

「絶対に、大丈夫だから」

多くは語らずとも、ものすごく緊張していた私にそっとかけてくれたその言葉が何よりも私を勇気づけてくれました。

 


そして、思い出します。

「今あきらめたら、また後悔が残る受験生活になってしまう…

 それだけは絶対に嫌だ!」

 

気持ちを切り替えて、私は2日目の試験勉強に取り組みました。


「明日の試験までに、できることは全部やろう」

 

そう思って、バイブル本と呼んでいる基本の参考書を見返し、村田先生からアドバイスされていた発展問題も解き直しました。

二日目の受験が始まるギリギリまで、何度も教材の反復を続けたのです。

 


そして、迎えた二日目の物理。

まさに、奇跡が起きました。

 


なんと、村田先生から言われて取り組んでいた発展問題がそのまま出題されたのです!

「うわぁ!これ、さっきまで復習してた問題だ…!」

もちろん、その問題はスラスラ解けて、その勢いのままに、他の問題も解くことができました。

 

直前に取り組んだ問題がそのまま出るなんて、本当に驚きました。

「逃げ出さなくて本当によかった!!」

と、心の底から思いました。


まだ、終わりじゃない


でも、私の受験はそこで終わりではありません。

「後期試験が終わるまで、受験勉強をやり抜くこと」

それが、私の一つの誓いでもありました。

 


現役時代、私は第一志望の大学を諦めただけではなく、

前期試験が終わった直後もすぐに気を抜いてしまい、後期試験まで走り抜けることができなかったからです。

 


〝心の底から喜べる受験勉強にする〟

 

柏村先生から頂いた言葉を何度も思い出して、後期試験の対策へと取り組みました。


でも、後期試験が、私にとっては最大の難関でした。

なぜなら、自分が最も苦手にしていた「面接」による試験だったからです。

 


勉強しかできない自分が、面接に挑まなきゃいけない。

正直、考えるだけで地獄でした。

 


でも、ここまでやってきたんだから、やるしかない。

「ここで逃げたら、絶対に後悔する」

と思って、もう死ぬ気で取り組みました。

 


先生方や大学生スタッフにも付き合ってもらって、何度も面接の練習を行いました。

なかなか、自分の言いたいことが言えず、自分の表現力のなさにも絶望しました。

 


それでも、とにかく練習し続けて、あっという間に本番当日。

 


ミスターステップアップでは、試験出発前の朝には、必ず塾へとみんなで集まります。


朝早い出発に間に合うようにと、スタッフの皆さんが準備してくださった紅茶やおむすびを頂きながら、出発を迎えるのです。


ものすごくあたたかかなひとときが、試験へ挑む私を支えてくれました。

 


私は平静を装いながらも、ものすごく緊張していました。

「大丈夫かな。練習通りに喋れるかな…」

 


そんな時、やっし(武田先生のニックネーム)がこんな話をしてくれたのです。

 


「コンクリート建築と木造建築の違いってわかるかい?

 同じ建築でも、木造建築は発生した二酸化炭素を吸収してくれる。

 でも、コンクリート建築はそれができない。

 だから、木造建築の方がいいんだよ」

 


私が志望していたのが建築系の学科だったので、それも踏まえてやっしは話をしてくれました。

 


やっしは化学の話だけではなく、いつもいろんな雑学を話してくれます。

宇宙の話から、日常で使う道具の話、哲学の話や歴史、宗教の話まで・・・

何気ない会話の中で話してくれるやっしの雑学が、私は大好きでした。

 


その時、やっしが話してくれたこともノートに書き留めて、私は試験会場へと出発しました。

 


会場へ到着し、いよいよ試験がスタート。


あまりの緊張に、少し声が震えながらも、なんとか受け答えすることができ、最後の質問へ移りました。

 


その質問を聞いて、びっくり。

 


「昨今の環境問題について、どう思いますか?」

 


(あ!!出発前に聞いたやっしの話がそのまま使える!!)

 


私は、まさに数時間前、やっしから聞いた話をそのまま答えたのです。

 


「今、世界のほとんどの建物はコンクリート建築だと思います。

 でも、コンクリート建築は、二酸化炭素を吸収することはできません。

 それに対して木造建築は、二酸化炭素を吸収してくれる。

 だから私は、環境問題から見ても、

 木造建築が世界に広まることが重要だと考えています」

 


(やっし、本当にありがとう…!!)

最後の質問に答え切った時、心の底から思いました。

 


面接は、無事終了。

私の受験生活が終わりを告げたのです。

 


突きつけられた絶望とその先の歓喜


試験を終え、塾へと帰った私は、まず前期試験の結果を確認しました。


「数学はできなかったけど、物理で挽回できたはず…!」

緊張で胸が張り裂けそうになりながらも、恐る恐る、結果を確認します。

 

結果は・・・

不合格でした。

 

やはり、数学で点数を逃したことが、大きく結果に響いてしまったようです。

 


「この1年間、やり切ったと確信を持って言える。

 なのに、どうして…!?」

 


現実は甘くない。

分かってはいても、本当に悔しかったです。

 


その後、開かれた最後の大逆転の会。

あんなに大好きだったのに、私は先生の話が最後まで聞けなくて、途中で教室を出て行ってしまったのです。

 


会が終わった後、柏村先生が声をかけてくれました。

 


「柏村先生、私、前期試験に落ちてしまったんです。

 本当に悔しくて…。」

 

泣きながら胸の内を明かすと、柏村先生は言いました。

 


「努力して、第一志望に受からなかった。

 でも、合格できなかった悔しさがあるからこそ、

 大学でもっと頑張ることができるんじゃないの?

 


正直、その時は悔しさのあまり、柏村先生の言葉を素直に受け取ることはできませんでした。

でも、冷静になって、何度も柏村先生の言葉を思い出すうちに、言葉の真意がわかってきたのです。

 


「そうだ。私が目指す先は、第一志望に合格することじゃない。

 その先の世界を目指しなさいと、そう言われているんだ」

 


それは、この1年間を通して、ずっと先生方が伝えてくださったメッセージでもありました。

 


「大学の合否なんて、どっちだっていい。

 この1年間、自分が貫いてきた

 受験勉強にこそ〝真実〟があるんだから」

 


心の底からそう思えた時、私は、この1年間ずっと掲げてきた、

〝心の底から喜べる受験勉強にする〟

という目標を達成することができた気がしたのです。

 

数日後・・・


後期試験の合格通知が届きました。

私は無事、奈良女子大学に合格していました。

 


ほっとすると同時に、不思議と、冷静にその合格通知を眺めている自分もいたのです。


それは、合否以上に大切なことがあると、わかっていたから。

 


私は、第一志望に落ちました。

でも、落ちたからこそ、見えた景色があった。


落ちたからこそ、その悔しさで、大学生活を本気で向き合うことができる。


「まだまだ、成長できるよ」


そう言われているようにも感じたのです。


むしろ、今はこうも思います。


第一志望に落ちたことは、私にとって最高のプレゼントだったと。

 


私はこれから、世界に求められるような建築士になります。


そのために必要なことを、ミスターステップアップで教わりました。


現役時代、最後までやり切ることができず、後悔していた私に、最後までやり切る根気と、どんな困難にも立ち向かう勇気を与えてくれました。

そして、どんな状況も乗り切る知恵を頂きました。

 


思えば、この1年間を振り返った時、私は常に、試されていたのだと思います。


「どんな状況でも、最後までやり切ることができるか?」

 


何度も、途中で挫折しそうな出来事が起こりました。

でも、諦めなかった。


すると、最後までやり切った時、まさにそれを証明するかのような出来事が起こったのです。

 


決して完璧な1年だったとは言いません。

でも、私はやり切った。

 


〝心の底から喜べる受験勉強にする〟

そう胸を張って言える1年となったことを

心の底から誇りに思います。

 

最後に、この1年を通して支えてくれた先生方、大学生、スタッフの皆さん、離れて応援してくれた家族にも、本当に感謝しています。


人生で初めて勉強したくないと思った時、やる気の出る話を聞かせてくれて、温かく励ましてくれた村田先生。

受験が終わってからも、志望校への執着が抜けなかった私に何時間も話を聞いてくれて、全てを受け止めてくれた柏村先生。

英語に対する苦手意識がなくなるよう、実際に問題を解いている様子を間近で見せながら、英語の高い感覚をくださったよなたん。

自分に厳しくなりきれない時、喝を入れてくれたゆばさん。

化学の質問にめちゃくちゃ詳しく教えてくれたり、物理や数学について語り合ったり、時事やアイドルについて教えてくれたやっし。

 

毎日手帳を見てくれて、心が折れそうな時は頑張れるように励まし続けてくれたようたくんや、共通テスト当日、緊張でこわばっていた私を落ち着かせてくれたかいちゃんを始めとする大学生の方々。

 

皆さんの支えがなけれは、最後まで受験を乗り越えることができなかったと思います。


ミスターステップアップで過ごした6ヶ月はまるで6年過ごしたように感じたくらい、充実していました。

これだけ密度の濃かった日々は人生の中で初めてです。

 

あの時、この塾で再受験勉強をすることを選択して、

後悔のない受験ができて本当に良かったです。

 

受験を終えた今、本当に清々しい気持ちになりました。

この一年間で学んだことは、絶対に人生を通して活きるものだと確信しています。

また、この塾でたくさんいただいた愛情や言葉を胸に、今後さらに頑張って、この年以上にいい日々を大学生活で送りたいと思います。

本当に、ありがとうございました。