番号を見たとき、最初に思ったのは「間違ってないかなぁ」ということでした。
何度確認しても、本当に自分の番号なのか信じられなくて。
講師の村山ゆかさんにも見てもらって、「合ってるよ!」と言われて、やっと少しだけ実感が湧いてきたんです。
でも正直、通知書が届くまでは半信半疑でした。
共通テストは75%。ボーダーの80%と比べると、マイナス5%からのスタートだったのです。
共通テストが終わったとき、かなり厳しい状況だとわかっていました。
医学部でマイナス5%は、ふつうなら出願すら迷うくらいの差です。でも、2次試験に懸けるしかなかった。
数学と英語がそれぞれ300点、面接が120点。
この2次で逆転するしかないと、腹をくくりました。
わたしがミスターステップアップで使っていた数学の教材は、『総合的研究』の3冊です。
2年間、ずっとこの教材と向き合い続けました。
ただ、1浪目は正直、ほぼ暗記していただけだったんです。
高校では定期テストの勉強はしていたものの、本格的な受験勉強はここに来て初めて。
いきなり『総合的研究』に取り組んで、星1の問題でも詰まるような状態でした。
周りがどんどん先に進んでいく中で、わたしはまだ例題すら完ぺきじゃない・・・。
章末問題に入っているひとたちを見て、焦りばかりが募りました。
予習会で先生にポイントを教えてもらって、それをメモして反復する。
やってはいたんですけど、結局は丸暗記の域を出ていなかったんですね。
セルフレクチャーのやり方も確立できていなくて、なんかうまくいかないな・・・というもどかしさがずっとありました。
1浪目は結局、感覚を掴むことができず、私立大学も1次試験すら受かりませんでした。
2浪目に入って、まず言われたのはセルフレクチャーの見直しでした。
周りの人に見てもらって、「ここって本当にわかってる?」と突っ込んでもらったんです。
それで、だいたい「わかってません」となる。笑
その繰り返しが、2浪目の序盤期はほとんどでした。
あるとき、確率の問題でセルフレクチャーを見せたことがあります。
具体的な思考を全然書いていなかったのに、「わかりません」と言っていた。
そのとき「自分の考えられる限り考えてきたの?」と、ゆば先生に厳しく言っていただいたのを覚えています。
具体的に書き出せば解ける問題なのに、その手間を省いていた。
あの瞬間、「暗記するだけじゃだめなんだ」と、ようやく本当の意味で気づかせてもらいました。
それからは、「本当にわかっているか?」とその都度自分に問いかけながら、セルフレクチャーをするようにしました。
教えてもらったのは、数3の問題はいくつあっても結局、本質的には同じパターンだということ。
シンプルにまとめてくれた言葉を、とにかく思い出す。
5月、6月ごろには、ようやくその感覚が自分のものになってきた実感がありました。
たとえば星7の難問で、計算過程が長いだけの問題があったんです。
1浪目はただ丸呑みしていたけれど、対話する中で「なぜこの式変形をするのか」がつながった瞬間は、本当にうれしかったですね。
「式の意味を考える」ということが、初めて意識化された問題でした。
そして、12月から始めたのが〝マネ〟です。
自分とは逆の思考タイプを持つひとに、問題の考え方やフィードバックの仕方を見せてもらい、録音して、その発言を一言一句再現するという練習でした。
「えっと」のような言葉まで、全部コピーしました。
それを毎日やって、講師のところに見せに行く。
正直に言うと、最初はとにかく嫌でした。笑
自分の中の「負けたくない」みたいな小さなプライドが邪魔して、反発心ばかりが出てきてしまっていたんです。
せっかく教えてもらっているのに、素直に受け取れなかった・・・。
そんなとき、ゆかさんにストレートに言われたことがあります。
「圧倒的にできるひとに勝つなんて無理だよ」
と。
その言葉で、プライドが完全に粉々になりました。
このままじゃ絶対にやらないなと思ったので、自分から「毎日見てもらいたい」と提案したんです。
12月、1月、2月の約3ヶ月間、毎日続けました。
最初は反発しながらやっていたから、それが態度に表れていたと思います。
でも続けていくうちに、だんだん自然と言葉が出てくるようになって、そのひとが言いそうなこと、話し方のテンポまで再現できるようになっていったんです。
このマネが、本番でいちばん効いた分野は「計算」でした。
わたしはもともと計算過程を全部書いてしまうタイプで、そのせいでミスが増えていたんです。
マネしているひとは逆に、わたしが5行書くところを、簡潔に2行で終わらせる。
その感覚を取り入れたら、島根大学の本番でも計算をコンパクトにまとめられて、なんと時間も5分余って、そのおかげで計算ミスの確認をする余裕もありました。
英語でいちばん効いたのは、音読です。
じつは、音読は塾に入る前から母の影響でやっていました。
公文(くもん)に通っていたこともあって、「音読はしなさい」とずっと言われていて、自然と習慣になっていたんですね。
だから、塾に入ったときも音読に抵抗はなくて、むしろ好きでした。
1浪目から『英語長文』の音読を続けていたら、共通テストで時間が足りないということはなくなりました。
現役のときはギリギリ終わるかどうかだったのに、気づいたら「全然間に合うじゃん!」と余裕を持って解けるようになってました。
急に変わったというより、毎日の積み重ねで少しずつ速くなっていった感覚です。
2浪目からはケネディとキングの演説暗唱にも取り組みました。
やってみて分かったことは、何故かケネディやキングのスピーチを声に出すときだけは、自然と呼吸が深くなれる。笑
わたしは勉強しているとき、呼吸が浅くなりがちで、つねに焦った状態で問題を解いていたんです。
大きく息を吸わないとちゃんと言えないから、読み終わると元気が出てくるんですよね。
天気のいい日は階段で練習していました。
どんなに調子が悪い日でも、「音読だけはやろう!」と思えた。
それがわたしの支えでした。
単語は『鉄壁』をボロボロになるまで使い込みました。
テープで補強して、それでも表紙は外したくなくて残していたんです。
最初は時間を取って覚えていましたが、後半はもう隙間時間で回すスタイルになりました。
章末の問題もやり込んで、同意語を選ばせるような私立医の問題にもかなり対応できるように・・・!
構文では、『リーディング教本』で型を身につけ、『読解ゼミ』で1786もの例題・類題を覚えました。
読解ゼミの訳文はとても日本語が美しくて、一言一句覚えることで、自分の和訳も少しずつ自然になっていったと思います。
秋から毎日テストを受ける地獄のような3週間もありましたが、あの時期に追い込んだことが、確実に力になりました。
2次試験の数学は、自己採点では全問正解でした。
島根大学の問題は今年から傾向が変わっていて、試験時間も120分から90分に。問題数も減っていました。
英語では英作文に時間を取られて残り35分で長文2題という状況になり、かなり焦りましたが、なんとか全問解き切ることができました。
数学で完答できたのは、2年間の反復と、マネで身につけた計算の効率化があったからこそ、と感じます。
解法に確信を持てていたから、余計な不安に時間を使わずに済んだ。
そのぶん、符号ミスや単純な計算ミスがないか、指差し確認を徹底できました。
2年間をやり切れた理由を挙げるなら、ごはんやスイーツの存在です。笑
ミルクティーにも、どれだけ救われたかわかりません。

最後に、後輩のみなさんに伝えられることがあるとすれば、「初心を忘れないこと」。
わたし自身、何度も何度も忘れて、そのたびに怒られてきました。
1浪目は全滅。2浪目も受かる保証なんてなかった・・・。
それでも最初に「医学部に行きたい」と思った気持ちに立ち返るたび、もう一歩だけがんばれたんです。
厳しくプライドを砕いてくれたゆかさん、思考の型を教えてくれたマイケルさん、ようたさん、こうしろう。
毎日の音読や暗唱を見守ってくれた先生方。
支えてくれたすべてのひとに、感謝しかありません。
本当にありがとうございました!

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