より詳しい勉強法を知りたい方は大逆転勉強法をチェック!
「やっぱり、数学には、センス(才能)が必要」と、思っていませんか?
もし、そうならハッキリ言います。
それは、大きな勘違いです。
将来、数学者になって、今まで誰も解けなかった難問に挑戦するなら、センス(才能)は必要かもしれません。
しかし、入試の数学ごときに、センスは不要です。
数学は、誰でもできるようになります。 その話を今からお話します。
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京都大学に逆転合格した弓場汐莉さんは、数学が大の苦手。
学校の実力テストでは0点。 一番カンタンな問題集すらできないほどでした。
京大模試では、数学200点中6点。
基礎ができていなかったので、入試問題もまったく歯が立たない状況でした。
そんな弓場さんは、南極流でゼロから勉強し、苦手だった数学が、逆に得意科目になりました。
本番の試験では、6問中4問完答、2問部分点を獲得。
得点率50%で合格できるのですが、80%の得点を獲得し、みごと京大(農学部)に合格。
これは、弓場さんに数学のセンス(才能)があったのではありません。
正しい勉強法を実践したからです。
誰でも、ちゃんと勉強すれば、数学で高得点をとれるようになります。
もし、あなたが 「でも・・・、数学が嫌いで苦手だから・・・」 と思っていても、大丈夫です!
南極流であれば、絶対にできるようになります。
南極老人は、今まで数千人の生徒を指導する中で、数学が得意な受験生には、いくつかの共通点があることを発見しました。
その共通点をマスターし、数学ができるようにしてくれるのが、これから公開する南極流なのです。
数学ができるようにならない理由とは
数学の真髄を話す前に、大事なことをお伝えします。
それは、「授業だけでは、数学の成績は伸びない」ということです。
数学は、いくら真面目に授業を聞いていても、それだけで問題が解けるようにはなりません。
授業を毎回丁寧に板書するだけの「板書野郎」になっても、成績は伸びません。
たとえ、どんなに素晴らしい先生や予備校講師がいたとしても、授業だけでは、不十分なのです。
もし、あなたがまだ「授業が大事」と思っているのなら、周囲の人を見てください。
高校や予備校で毎回授業を真面目に受ける受験生は、ある程度は賢いかもしれませんが、成績もある程度のところで頭打ちになります。
授業を真面目に受けているにもかかわらず、「成績が伸びない・・・」と悩む受験生は非常に多いのです。
99%の受験生が、数学の勉強法を誤解しています。
成績アップのカギは、「授業以外の時間」の活用法にあります。
高校数学と中学数学の違い
「数学が、嫌いなんです・・・。」
「数式を目にするだけで、吐き気がする!」
もしかしたら、あなたもそんな数学に嫌悪感を持つ一人かもしれません。 そんなあなたに朗報です! 数学ギライは絶対に、直ります。
高校数学と中学数学とでは、 内容の細かさにおいてくらべものになりません。
カンタンに言うと、中学では丸暗記が通用するが、高校では通用しない、ということです。
丸暗記とは、「なぜ」、「なぜなら」・・・という思考をすっ飛ばして、公式や解き方を表面的に覚える(丸暗記する)ことです。
中学数学の問題パターンは、たかだか300。
それを覚えるだけで、ほとんどの問題に対応できます。
しかし、高校数学の問題パターンは、有名な『チャート式』の例題だけでも1000。
その一題一題は、しっかりと「なぜ」、「なぜなら」という論理を理解しなければなりません。
もはや、丸暗記で乗り切るのは不可能です。
中学時代、数学が得意だったとしても、高校数学は別物という自覚を持ちましょう。
歩みは遅くてもかまいませんから、徹底的に「なぜ」、「なぜなら」という論理にこだわって勉強しなければ、高校数学を得意にすることはできません。
数学を「得意」にできるかどうかの分かれ目は、
- 知識(解法パターン)
- 計算力
- マインド(数学に向き合う心得)
です。
知識は反復練習するだけ。 計算力は練習あるのみです。
まずは、「数学は、才能がないとできるようにならない」という考えを捨ててください。
「自分は数学ができる!」と思い込むことです。
基礎レベルの参考書を1冊、全ての問題を「完璧に」解けるようにします。
その自信は、「自分は数学ができる!」というプラスの思い込みにつながるのです。
数学が得意な人と、苦手な人の決定的な違い
数学の授業をロクに聞いていないのに、ダントツの成績を取る受験生がいます。
- 共通テスト数学は、いつも9割以上
- 模擬試験なら、絶対に偏差値は65以上
彼(女)らと、成績が上がらない受験生では、決定的な違いがあります。
それは「自分は、数学が得意だ」という確信を持っていることです。
「そんな、今さら当たり前のこと・・・」と思うかもしれません。
しかし、その確信があるか、ないか、それが本当に重要なのです。
一般的には、「数学の偏差値が高いから」とか「数学の成績が良いから」という理由で、「得意だ!」という意識が芽生えるように思われがちですが、違います。 順序が逆です。
「自分は数学が得意だ」という確信があるから、成績があがって、得意になっていきます。
ここで言う「確信」とは、潜在意識にとって「数学が得意で当たり前」という状態です。
ウソみたいな話ですが、潜在意識が「数学が得意」と思いこんでいるから、問題をパッと見た瞬間に解法が思いつき、勝手に手が動いて問題を解けるようになるのです。
これからあなたに紹介する勉強法は、潜在意識に「数学が得意だ」と思いこませてしまう魔法のような方法です。
数学を得意にする4つのポイント
潜在意識が「数学が得意だ」と思っていると、「数学脳」が目覚め、必ず数学が得意になります。
「数学脳」が目覚めている状態とは、次の4つです。
- 解法パターンを暗記している
- 計算力がある
- 数学的発想(「なぜ? 」「なぜなら」「もしも」「たとえば」)が身についている
- 数学の世界の言葉(数式、記号、図、グラフ)の翻訳(言いかえ)ができる
数学ができる受験生は、例外なく、これら4つのポイントを満たしているのです。
公式は完璧に暗記せよ
公式を知らなければ、解けない問題も多くなります。
そこで、公式を覚える優先順位をつける必要があるのです。
また、忘れた時のためにきちんとその公式を導けるようになっておく必要があります。
理想を言えば、公式を覚えていて、公式を導ける。
公式を覚えるのは、問題を解くスピードを上げるため、公式を導けるようになるのは、忘れたときのリスクを減らすためです。
まずは、自分の必要性に合わせて、公式との付き合い方を考える必要があります。
数学が得意な受験生が、必ずやっている「条件の翻訳」
これから説明することは「条件の翻訳」といって、数学の問題を解くうえで、重要な考え方です。
数学の問題文中には、必ず「条件」があります。
たとえば、
「三角形の面積を求めよ」
「お互いが垂直なベクトルとは?」
「最大値・最小値を求めよ」
などが、問題文中にある「条件」です。 これらのキーワードには、必ず意味があります。
その意味を次のように変換します。
- 「日本語文(条件) →数式」に変換する (これを和文数訳といいます)
- 「数式(条件) →日本語文」に変換する (これを数文和訳といいます)
これが「条件の翻訳」です。
数学の問題文の中には、ムダな部分が一切ありません。 すべての条件文には、必ず意味があります。 それらをスラスラと「翻訳」できる受験生はすぐに成績が上がります。
実は、数学が得意な受験生、偏差値が高い受験生は必ずといっていいほど、この「条件の翻訳」が的確に、素早くできるのです。
教材を反復する際、1回目は問題文と解答を読みながら、「日本語文(条件)→数式」の部分が一目でわかるように、ラインマーカーで色分けしていくだけでもOKです。
2回目以降はこの「条件の翻訳」が即座にできるまでセルフレクチャー(後述)をします。
口に出してスラスラ言えるように反復練習するのです。
これを徹底的に練習するだけでも、数学は圧倒的に得意になります。
実際に、例題を挙げて見ていきましょう。
いかがでしょうか?
数学の問題文中の条件にマーカーを引いて、そのポイントがスラスラ翻訳できるようにセルフレクチャーを繰り返します。
こうした「条件の翻訳」ができるようになると、難関大学の入試問題でも解くことができるようになるのです。
瞬間的に解法をひらめく方法
例えば、「ある二次関数が異なる2点で解を持ち~」と問題文にあれば、
判別式>0
というように、反射的に 思い出す必要があります。
この作業を、当塾では条件の翻訳と呼んでいます。 数学の問題で考え込むことなく、スラスラと書き出せる受験生は、条件の翻訳を一瞬のうちに行っています。
そして、この条件の翻訳の力を効果的にアップさせる方法が、「セルフレクチャー」(後述)なんです。
※詳しくは「最強の復習方法「セルフレクチャー」とは?やり方を徹底解説!」もどうぞ。
問題文でこう問われれば、こう答える。 その特訓を行います。
野球の千本ノックのように、何度も何度も条件の翻訳をやり続けるのです。 そうすると、今まで「う~ん・・・」と、唸らないと解けなかった問題が、ウソのようにスラスラと手が動くようになってきます。
理想的には、脳より先に手が動く感覚を目指して生きましょう!
偏差値70レベルまで感覚を飛躍させる最短ルート
ここからは、「数学脳」を目覚めさせる具体的な勉強法を説明します。
序盤、中盤、終盤とその各段階によって必要な教材を紹介していきますが、どの教材を解く際も、今から紹介する勉強法を使います。
南極流勉強法の真髄は「反復」にあります。
同じ問題、同じ教材を何度も解かなければ、真の実力は身につきません。
どの教材でも、一度解いただけでは、本当にその内容を活用できるようにはならないのです。
数学の成績をあげるには、反復することが何よりも重要です。
南極流では、同じ教材を「7回以上」解きます。
「同じ問題を7回も解いて意味あるの?」 「入試までの時間が限られているのに、同じ問題を7回も解けるの?」
そう思うかもしれません。しかし、どの教材も1~2回やったところで、すぐに忘れてしまい、入試本番で使いこなせるようになりません。
3回解けば、表面の意識ではその教材の内容を「完全に理解した」と思っているかもしれません。
しかし、もっと深い潜在意識の領域では、まだ本当には理解できていないため、「数学脳」は眠ったままなのです。
たとえば、こんな経験はありませんか?
- 試験を受けると、『できるとき』と『できないとき』の差が大きい
- 得意な分野に関してはすごくわかるけれど、全くわからない分野もある
同じ教材を3回解いたぐらいでは、理解度にバラつきが生じます。
それゆえ、試験の点数も安定しません。
しかし、同じ教材を7回も反復すれば、得意な分野も、不得意な分野もなくなります。
すべての範囲を完全に理解できます。 潜在意識の領域まで、その知識がすべてインプットされるのです。
南極流は、「感覚の飛躍」を重視します。
同じ教材を7回解くことは、数学の感覚を偏差値70レベルまで飛躍させる最短ルートです。 7冊の別の教材を1回やるなら、同じ教材を7回やったほうがはるかに効果的です。
数学の成績を上げたいなら、同じ教材を「最低7回」は解きましょう。 「数学脳」が目覚めます。
しかし、普通の問題の解き方をしていては、7回解こうとしても時間が足りません。
数学IA・ⅡB・Ⅲの教科書を、1年以内に7回解くようなものですから、普通に考えればムリなことがわかります。
1時間で大問を2~3題しか解かない授業形式の勉強法では、言うまでもなく、100%不可能です。
しかし、南極流では、1年間で800の大問を7回以上こなします。 「800問×7回」ですから、合計5600回です。
では、どのように、その大量の問題を解き進めていくのでしょう。
いよいよ、その方法を伝授します。
高速復習法「セルフレクチャー(左脳読み)」
数学の勉強をするときに、「毎回、解答を書かなければならない」と思っていませんか?
学校や塾の先生からも、「数学は(解答を)書きなさい」と指導を受けてきたかもしれません。
しかし、南極流では、あえてこう教えます。
「数学は(毎回は)書かなくていい」と。
それはなぜでしょうか?
いちいち書いていると、反復練習するのに、とてつもなく時間がかかってしまうからです。
問題について考えて、さらに解答を書いて・・・という勉強の仕方では、最低でも1問あたり10〜15分かかってしまい、1時間勉強しても、4〜5問程度しか目を通せません。
それだけ時間をかけてしまうと、7回以上、反復練習することは到底できませんから、潜在意識で覚えることができないのです。
そこで、南極流勉強法では、「セルフレクチャー(左脳読み)」という高速復習法を使っています。
数学のセルフレクチャーのやり方は、次の通りです。
- 問題を見る(読む)
- 解法を口に出して言いながら(ブツブツと小声で)、計算問題の場合は、式だけ作る。
- グラフや図が必要な問題は、簡単に書いて確認する
- 式は解かずに、解答を見て(読んで)、確認する
このように復習すると、1問あたり、わずか1分で復習することが可能になります。
すると、1時間で60題、3時間で180題の問題に目を通すことになります。
これを1カ月間、毎日繰り返せば、単純計算で180題×30日=5400題の問題を解くことになります。
たった1カ月でですよ。すごいでしょ?
これだけ反復すれば、たいていのことは忘れなくなります。
たとえ入試本番の緊張状態であっても、スラスラ解法が出てくるようになります。
何度も反復し、潜在意識まで解法パターン・公式を落とし込むことができれば、反射的に解法が思い浮かぶようになるからです。
セルフレクチャーの際に、最も重要なポイントは、「解法を口に出して言うこと」です。
ただ、解法をボーッと考えこんだり、漠然と解答を眺めているだけでは、解けるようになりません。
どれだけ解法のポイントを口に出して言えたか(アウトプットできたか)が重要です。
このような反復ができた回数によって、数学の成績の伸びは大きく変わってきます。
次に、「問題のどの部分に注目して反復すればいいのか?」を見ていきましょう。
1冊の教材を「7回以上」解く!
この勉強法は、最小の勉強時間で、最大の量をこなせます。 究極のところまで、効率的に時間を活用できるのです。
もちろん、勉強を始める時期によって必要な勉強時間は変わりますが、1日の勉強時間は1時間程度でもかまいません。 それだけでも、「数学脳」が目覚めていきます。
《1回目》いきなり解説を読む
どんな教材でも、1回目には、解きません。 鉛筆を動かさなくてもOKです。
答えを読んで「理解するだけ」にとどめておいてください。 もしくは、答えを「写すだけ」にとどめておいてください。
くれぐれも「解こう!」としないでください。
そして、復習の効率を上げるため、以下の指標をもとに、読んだ問題に◎、○、△、×というふうに印をつけます。
◎……この問題は百発百中で解ける
○……だいたい解けるが、◎ほど自信はない(たぶん解けるが、間違うかもしれない)
△……解けないが、解答は理解できる
×……解けないし、解答を読んでも理解できない
「1問の問題を解くのに1時間以上かかってしまう」
「一度考え出したら、なかなか鉛筆が進まず、気がついたら、かなり時間が経っていた」
そんな経験はありませんか?
数学ができなくなる要因は、そこにあります。
1つの問題に時間をかけて解く習慣を、徹底的になくしてください。 失敗するのは次のようなパターンです。
1つの問題を解こうとして、わからない ↓ なかなか先に進まない ↓ ヤル気がなくなる ↓ 数学に対して苦手意識ができる ↓ よけいわからなくなる・・・
これが、数学を苦手にしてしまう「魔のサイクル」です。
このサイクルにハマってしまう受験生を、今まで何百人も見てきました。
いいですか、 くれぐれも1回目は「解こう」としないでください。
問題と解答例を見て、「理解する」にとどめてください。
そうすれば、大問1問につき、長くても「7分」で終わります。
授業ならば、大問1問につき「20 分〜30分」かかりますが、南極流は大問1問につき、「7分」ですべての解答を理解します。
読むだけでよいのですから、わからなければ飛ばしてください。
初めは△や×が多くても、全く気にしないでください。 わからなくても、気にしちゃダメですよ。
スピーディーに仕分けすることが重要なのです。
また、1日に解く問題数(ノルマ)は決めてください。 理想は6~10題(大問)。
そして、自分が決めたノルマは「毎日絶対に達成する!」と決めて毎日解いてください。
ノルマより多く問題を解くのも自由ですが、自分で決めたノルマは必ず毎日達成してください。
ある日は問題を多く解いたからといって、次の日はノルマを少なくする・・・なんていうのはナシです。
潜在意識は急激な「変化」を嫌い、「継続」を好みます。
「継続」してノルマを達成することによって、「自分は数学ができる人間なんだ!」と、潜在意識は安心します。
継続することに失敗すると、潜在意識はすぐに、「自分はできない人間だ。目標を達成できない人間なんだ・・・」と思いこんでしまうのです。
恐ろしい話ですね。 意識でいくらウソをついても、潜在意識はゴマかせません。
ですから、ノルマは少なくてもいいので、決めたノルマは、絶対に毎日達成するようにしてください。
そうすれば、潜在意識は「自分はできる人間だ」と思いこんでくれます。
長く続けていれば、数学に対して自信がつきます。
驚くほど、数学に対しての感覚が変わってくるはずです。 そうやって、「数学脳」が目覚めていくのです。
《2回目》3日以内に3分でセルフレクチャー
1回目から2回目に移るときは、できるだけ早く移ってください。
せっかく1度理解した問題を、そのまま放置してはいけません。
1度仕分けした問題は、3日以内に2回目の作業に移るようにしてください。
そうでないと、1回目の理解が潜在意識にまで到達しません。
意識での理解は反復しなければ、3日以内に忘れてしまうからです。
2回目以降は数学の「セルフレクチャー法(左脳読み)」を使います。
1回目は、「理解」と「仕分け」です。
とにかく問題を理解することと、仕分けすることが重要でした。
1回目は、大問1問につき「7分」が目安でしたが、2回目は、1問に対する目安は「2〜3分」です。
短いようですが、セルフレクチャー法なら可能です。
そして、◎、○、△、×の印によって、復習法も変えていきます。
◎の問題……軽く読む(見るだけ)
○の問題……◎になるまでセルフレクチャー
△の問題……○になるまでセルフレクチャー
×の問題…… 解答を理解できるまで読む(△の問題が○になる頃に、自然と理解できるようになる。実際に書いてみないと理解できない問題もある)
このときも、「×」の問題で足止めをくらってはいけません。 わからないなら、わからないまま放っておいてください。
とにかく、スピーディーにすべての範囲を網羅することが重要なのですから。
《3、4回目》1分〜30秒でセルフレクチャー
2回目の1問にかける時間の目安は2〜3分でした。 3回目は1分です。 4回目は30秒。
とにかく、1問にかける時間を減らしましょう。
ここまでは、実際に解かなくて結構です。 問題を理解するのです。 1回目読んだときよりも早く理解できて当然です。
同じ解答を何度も読み返しているわけですから、潜在意識の深いところで理解できます。
《5回目》実際に書いてみる
ここにきて、初めて、実際に鉛筆を動かして、問題を解きます。
◎、○、△の問題に関して、しっかり解いていきます。 1回目でいきなり解こうとすると解けないような問題も、3回、4回と反復したことによって、鉛筆が動くようになっているはずです。 ×の問題は、これまで同様に解答を読んで理解に努めます。
《6回目以降》セルフレクチャー&書きで精度を高める
6回目以降は反復練習の精度をどんどん高めていきます。
○、△の問題を繰り返し解くことで、より1冊の問題集を完ぺきに近づけてください。
セルフレクチャーでの復習に加えて、実際に書くことで、解答力を磨きます。
もちろん、書いてばかりの勉強だと反復練習の回数が少なくなります。
ですから、6回目以降は、セルフレクチャーと、書いて解く復習法をうまく組み合わせてバランスをとってください。
同じ回数だけ反復練習していても、理解の度合いには必ず個人差がでます。
解けない問題があまりに多い場合は、セルフレクチャーで反復して、理解を深めてから書いて解くのが得策でしょう。
×の問題は、これまで同様に解答を読んで理解します。
「右脳読み」で超高速復習!
このように反復練習を進めていくと、復習スピードがどんどん速くなり、◎の問題もかなり増えてくるでしょう。
◎の問題は完ぺきにできるようになっているので、わざわざ書いて解く必要はありません。
1つの問題につき、わずか5〜10秒ぐらいの間隔で見るだけでOKです。
「え!? そんな速くて意味あるの?」と思うかもしれません。
それが意味大アリなのです。
これを「右脳読み」と呼びます。
文章を「写真」のように右脳でとらえて、読んでいく技術です。
何度も反復した問題集の場合、この「右脳読み」が可能になるのです。
5〜10秒の間に、問題を見て「解答の最初と最後」を瞬時にイメージするように癖をつけましょう。
これができるようになると、問題集1冊を復習するのに3日もかかりません。
それどころか、問題文を見た瞬間に解答をイメージする練習をするわけですから、「解くスピード」と「ひらめくスピード」が格段にあがるのです。
これが潜在意識に知識を落とし込む方法です。
1ページ5秒でパッ、パッ、パッと見ていくのです。
それを繰り返し反復練習することで、数学を解くうえで最低限必要な解法のパターンが頭の中に入るのです。
問題を解く時間はドンドン短縮されますから、復習しながら次の範囲に進めます。
要点をまとめると、次のようになります。
1回目 | 写すだけ。理解するだけ |
2回目 | セルフレクチャー(2〜3分) ※1回目から3日以内に |
3回目 | セルフレクチャー(1分以内) ※2回目から3日以内に |
4回目 | セルフレクチャー(30秒以内) ※3回目から3日以内に |
5回目 | 実際に書いて解いてみる ※4回目から3日以内に |
6回目以降 | セルフレクチャーと 書いて解く復習法を組み合わせ、 より完ぺきを目指す。 ◎の問題は右脳読みで高速学習 ※5回目から3日以内に |
120問の教材をマスターする計画の例
ここで仮に、120問の問題が載っている教材をマスターするための計画を具体例としてあげてみます。
一週目
月 | (数学をしない日) |
火 | 数学大問6問 7分×6問=42分(問1〜6) |
水 | (数学をしない日) |
木 | 数学大問6問 7分×6問=42分 (問7〜12)+(問1〜6のセルフレクチャー) |
金 | (数学をしない日) |
土 | 数学大問6問 7分×6問=42分 (問13〜18)+(問1〜12 のセルフレクチャー) |
日 | 数学大問6問 7分×6問=42分 (問19〜24)+(問1〜18のセルフレクチャー) |
二週目
月 | (数学をしない日) |
火 | 数学大問6問 7分×6問=42分 (問25〜30)+(問1〜24のセルフレクチャー) |
水 | (数学をしない日) |
木 | 数学大問6問 7分×6問=42分 (問31〜36)+(問1〜30のセルフレクチャー) |
金 | (数学をしない日) |
土 | 数学大問6問 7分×6問=42分 (問37〜42)+(問1〜36のセルフレクチャー) |
日 | 数学大問6問 7分×6問=42分 (問43〜48)+(問1〜48のセルフレクチー) |
このように解いていくと、「120問÷6問=20回」ですから、最後まで解き終わる頃には、1〜6番は20回以上も反復練習していることになります。
そして、すべての問題を7回以上解き終わり、◎が増えてきたところで、次の教材へ移ります。
「7回解く」と聞くと、めんどくさくて、時間がかかりそうに思うかもしれませんが、同じ教材を7回解く「南極流勉強法」は、理解も速く、かつ、時間もかからない方法です。
偏差値50⇒70は、難問に手を出さない戦略で
これから大学受験数学の戦略についてお伝えしたいと思います。
どんな勝負事にでも作戦があり、戦い方があります。
やはり限られた時間の中で、優先順位なく戦い方をこう何も自分の中で考えずにやるのは非常に危険です。
何をやるべきで何をやらないべきかということをはっきりわかってもらうために、今日はそういう話をしようと思います。
ゴールからの発想で言うと、入試問題というのをまずですね4つの段階に分けるように考えます。
- 基本レベル
- 教科書レベルの簡単な問題、絶対に落とせない問題
- 標準レベル
- 入試問題の典型パターン反復練習すればだれでも正解できる問題
- やや難レベル
- 部分点狙いの問題
- 難レベル
- 難問奇問、解けなくても合格できる問題
「難レベル」は、超難しいと言う意味です。
これは一番むずかしい、だからはっきり言っておこう、解けなくてもいい。
受験生が取れないようにできている問題があるんですね。そういうのを捨て問とか奇問とか言ったりします。いわば、受験生に満点を取らせないようにできている問題です。
この問題を深掘りして勉強したとしても、正直言ってあんまり効果がないというか、勉強したときはためになるかもしれないけど、あんまり深追いする価値のない問題が「難」だと考えてもらっていいと思います。
「難レベル」は変な問題、これはちょっと扱わんでいいんじゃないかなという問題です。
「基本レベル」は、もう絶対に取らなきゃいけないという問題です。
誰でも取れるよっていうような簡単な問題。
初歩です。 いわば共通テストレベルとも言えますし、偏差値50未満の大学であれば、だいたい「基本レベル」の問題ばかりです。
対応する問題集は「ドラゴン桜」や「白チャート」。 「黄色チャート」の大部分や、「元気が出る数学」。
教科書レベルの問題集で対応できるのが「基本レベル」です。
この「基本レベル」は出たら絶対瞬殺、もう確実に押さえられるようにしましょう。
次「標準レベル」というのがあります。 これは入試問題の標準レベルで、これはオーソドックスな、よく入試で問われる問題です。
これをクリアするために、ミスターステップアップでは大逆転勉強法で「実力アップ問題集」をやりなさい、と言っています。
この教材を完璧にしたら標準の問題はだいたい対応できますよ、という位置づけになっています。
「やや難」というのは、教科書レベルの「基本」問題や、入試で出される「標準」レベルの問題が組み合わされているような問題です。
だから、一見解けそう、でも解けなそうかなと思っても「標準」を組み合わせているので、それに気づけば解くことできるよね、という問題を「やや難」と位置づけています。
大学入試で、どこの点数を取らないといけないか、というと「標準」と「基本」なんですよね。
ここが完璧かどうかでだいたい決まります。
ここが取れないのに、上の点数が取れる道理がないんです。
ただ、ここをちゃんと取れる勉強をちゃんとしてますか?
してない受験生がけっこう多かったりします。
それはいきなりその「やや難」からやっちゃってるパターンなんです。
難しい問題ばっかりやって、ね。
だから「やや難」は閃いたりとか、たまたま当たったりしたら解けるかもしれないけど、「当たり」「ハズレ」というような勉強しかしてないので、根本的実力がついてないんです。
まず、「基本」と「標準」をガッチガチに固める。
大逆転勉強法的に言えば「ドラゴン桜」とか「白チャート」とか「元気が出る数学」とか「実力アップ問題集」、いわば自分にとってのバイブルと言えるような教材をまず作って、解法パターンも瞬時に出てくるし、バチっと最後まで答えが出て来るよね、という問題を完璧に解けるようにしてもらえれば、「標準」と「基本」まで確実に押さえられます。
さらにそこから実力を上げていきたいなという場合は、「やや難」ですね。
簡単な問題と簡単な問題を組み合わせてできていますから、その組み合わせがどんな組み合わせでできているのか、ということを見抜くことができれば、標準とか基本でしっかり解くことができます。
「やや難」まで解けたら、もう十分偏差値高いです。
偏差値60後半、場合によっては70後半に行くかもしれません。
「難」はしなくてもいいよということです。
例えば、京都大学を受験するという感じです。
これムズイなという問題「難」が30%出ると言うのであれば、「やや難」ちょっとこれは嫌やな、難しいなという問題が30%。
標準の問題が30%、「基本」は10%。
「易」と「標準」だけでも40%できるようにすれば、確実に進んできていると言えるんです。
で、だいたい京都大学であれば合格最低点が50%とか、だいたい5割超えです。
学部によっては6割取らないといけないかもしれません。
じゃあそれって何ができたらいいのかっていうと「やや難」までです。
「やや難」までできるようになると十分合格できますよ、というラインに入れますよということですね。
そうしたら「基本」と「標準」を組み合わせられていることを見抜く練習ができたらいいから、特に「やや難」を解いていく練習を、過去問を通して「標準」や「基本」が解けること・どういう組み合わせで来ているのかを、つぶさに研究していけば、バイブル本と過去問の研究だけで、もう大分実力がついていきます。
だから、こっち「難」に手を出すのは危険。
これに手を出すと、ドツボにはまる。
一年で受験終わりません、ということになってしまう。
一年で終わらせたい場合は、もうしっかりですね下から取れる状態を作るようにしてください。
医学部の場合であれば、この割合は楽ですし 例えば私立医であれば 「難」は10%、「やや難」が20%、 「標準」が40%、「基本」が30% 「基本」と「標準」だけで合格最低点に到達できる大学もあります。
もちろん大学によってはこのパーセンテージの割合には変化がありますが「やや難」のダメ押しですよね。
「やや難」できたら、かなり優秀で普通に合格できますよ、という状態を作れます。
しっかりと普通に、オーソドックスな網羅性の高い教材を、手を変え品を変え反復して、それが瞬時にアウトプットできて、かつそれが別の問題に出てきたとしても、オーソドックスな問題を組み合わせてできていると見抜けて、解きほぐしていけるような学力があれば、合格最低点に到達できます。
やることの優先順位を決して間違えずに、確実に積み上げ式で反復してください。
ゴールから逆算する合格戦略
あなたは、以下の質問に答えることができますか?
- 試験本番までに、何をするべきですか?
- 今月中に何をするべきですか?
- 今週中に何をするべきですか?
- 今日中に何をするべきですか?
これらの質問に対する答えが、戦略です。
「すぐに答えられなかった」 「何をどれくらいのペースでやればよいのかわからない」 という受験生のために、受験までに何をどのようにやればよいのかをお伝えします。
ポイントは、
- 試験本番までの期間を序盤・中盤・終盤に分ける
- 序盤・中盤・終盤に「何をするか」のテーマをしっかり決める
- 各期間内に教材を終えられるように、逆算して勉強を進める
です。
また、全勉強時間のうち、数学に使える割合は
志望校 | 数学に使える勉強時間の割合 |
---|---|
国公立文系 | 2割 |
国公立理系 | 3割 |
私立理系 | 4割 |
が目安。 ここからさらに、ⅠA・ⅡBなどの配分を決めます。
より詳しい勉強計画の立て方については、「勉強計画の立て方のコツ3つと受験生に知ってほしい大事な視点」をお読みください。
〔序盤〕苦手意識を取り除いて、数学を得意に
数学は、序盤がとても重要です。 数学を得意にできるかどうかは、この序盤の過ごし方にかかっています。 数学に対して苦手意識がある人は、序盤のうちにそれを取り除いてください。
「自分は数学が得意だ」という確信が、数学を得意にするという話をしました。
序盤では、カンタンな教材を7回以上反復することにより、「自分はできる」という確信を作ります。
そのために、カンタンな教材を「100%」解けるようにするのです。
「100%解ける」ことは、「自分は数学が得意だ」というプラスの思いこみにつながります。
いきなり難しい教材を解こうとするのは、数学ができない人の特徴の1つです。
難しい問題が解けなくて自分で勝手に「できない、できない」と思いこんでしまいます。
ですから、まずはカンタンな教材から解いていきます。
これは、どんな難関大学を受ける人も同じです。 なぜなら、どんな難しい問題でも、結局は、「カンタンな問題の組み合わせ」から成り立っているからです。
数学は、まず最低限の計算ができなくてはいけません。
因数分解、三角比、数列など、各分野の教科書レベルの問題をスラスラ解けるようにしておきましょう。
教科書レベルの問題が瞬間的に解けるという状態ができていないと、入試レベルの問題には歯が立ちません。
この本は、数学を「1」から始める人に最適です。 小学校レベルの計算から、高校レベルの計算までをこの1冊で網羅しきっているスグレモノです。
この本に関しては、7回も解く必要はありません。 実際に解いて、理解できれば十分です。
ある程度実力のある人は、次の教材から始めてください。
- 『新課程版 ドラゴン桜式 数学力ドリル Ⅰ・A』牛瀧文宏&三田紀房・著(講談社)
- 『新課程版 ドラゴン桜式 数学力ドリル Ⅱ・B』牛瀧文宏&三田紀房・著(講談社)
新課程版 ドラゴン桜式 数学力ドリル 数学1・A (KS一般書)
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講談社
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これらは問題数が少ない(422題)ので、反復練習しやすい教材です。
先ほど述べた解き方で進めてください。
難関国公立をめざす人でも、基礎固めとして、この教材は使えます。
理系で数学Ⅲが必要な人は、次の教材を1冊加えてください。 これで十分に対応できます。
- 『新課程版 ドラゴン桜式 数学力ドリル Ⅲ』牛瀧文宏&三田紀房・著(講談社)
講談社
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しかし、このレベルにまだ到達していないと感じる人は、これらをやる前に、このシリーズを使ってください。
- 『初めから始める数学 改訂version』馬場敬之・著(マセマ出版社)
このシリーズは解説が詳しいので、全く数学をやったことがない人でも進めやすいでしょう。 各分野を詳しく説明しているので、問題数はさほど多くありません。
〔中盤〕共通テスト数学で8割以上とれる勉強法
次は、国公立大学や私立大学、共通テスト試験に対応できるような教材を選びます。
- 『元気が出る数学 ⅠA改訂version』馬場敬之・著(マセマ出版社)
- 『元気が出る数学 Ⅱ改訂version』馬場敬之・著(マセマ出版社)
- 『元気が出る数学 B改訂version』馬場敬之・著(マセマ出版社)
これらの教材(計276問)を、先ほどの南極流勉強法で7回解きます。 理系の人は、この3冊に加えて、次の本をやりましょう(計86問)。
これらの教材を完ぺきに7回解いたのちに、共通テスト過去問をどんどん解いていくことで、8割〜満点レベルまで望めます。
関西なら「関関同立」レベル、関東なら「明青立法中」レベルまで望めるでしょう。
浪人生や高校三年生で、夏休みにここまで終わっていると、かなり理想的なペースと言えます。
〔終盤〕知らない問題でも解けるようになる
では、終盤の勉強に入ります。
- 『合格!数学Ⅰ・A実力UP!問題集』馬場敬之・著(マセマ出版社
- 『合格!数学Ⅱ・B実力UP!問題集』馬場敬之・著(マセマ出版社)
- 『合格!数学Ⅲ実力UP!問題集』馬場敬之・著(マセマ出版社)
これら422題を7回解いて完ぺきに解けるようにしましょう。
文系で東大や京大を目指す方は、
ⅠA・ⅡBの287題を完ぺきにすることを目指してください。
私の教え子に、林さんという女の子がいました。南極流勉強法に出会うまでは、思うように成績が伸びず、現役時代は近畿大学に落ちてしまった彼女。中でも数学は大のニガテでした。
しかし、一浪目から南極流勉強法をはじめ、その年の受験で京大合格という快挙を成し遂げたのです。なんと彼女は、京大数学で6問すべての解答用紙を埋めることができたそうです。
そのうち4問を完答。残り2問も部分点がもらえるほどの出来でした。合格者の平均点がせいぜい半分ぐらいですから、数学に関しては「奇跡的に」優秀であるといえるでしょう。京大の数学で半分以上できれば十分です。彼女はあっさり京都大学に受かってしまいました。
彼女が受験前の1年間で解いた教材は、序盤に『ドラゴン桜式数学力ドリル』、中盤と終盤に『合格!数学プラス110問題集』(現在は『合格!数学実力UP!問題集』に改訂)。 その2種類の教材のみです。
終盤では、この2つのシリーズの教材を、右脳読みで反復練習を進めながら過去問を解いていきました。 たったそれだけです。 しかし、これを完ぺきにやり抜いたのです。
『合格!数学実力UP!問題集』に関しては、手を動かして解くこと5、6回。 セルフレクチャーをすること10回以上。 右脳読みは、いったい何回反復したのかわかりません。
受験後、彼女はこう言っていました。
「6問(京大数学)すべて『合格!数学プラス110問題集』から問題が出ていたので驚きました。 こんなことがあるなんて!」と。
実際、そんなことがあり得るのでしょうか?
『合格!数学プラス110問題集』は3冊の問題数を足しても330題しかありません。
入試問題のパターンが何千通りとある中で、全く同じ問題が1シリーズの教材から出るなど、考えられないことですよね。 では、なぜ彼女はそのように言ったのでしょうか?
何度となく反復練習することにより、まるで彼女の頭の中に数学の辞書があるかのように330題の解法が入っていたのです。 彼女は、その解法パターンを、京大の入試問題に当てはめて考えることができました。
難問といわれている問題も、すべて標準問題の組み合わせでできています。
それを見抜くことができれば、もう問題は解けたようなもの。
林さんは『合格!数学プラス110問題集』を潜在意識のレベルで覚えていたので、応用力がついたのです。
知らない問題でも、知っている問題と結びつけて考えることで、解くことができます。
このような頭脳は、1つの教材を何度も反復することで育めるのです。
自分の知っている問題のパターンと、知らない問題を結びつけて考える力こそが「応用力」の正体です。
《最後》数学の総仕上げをする実践練習
終盤の教材を解き終わって、時間が余っている人におススメの教材があります。
〔ⅠA・ⅡB受験の人〕の最終仕上げ
- 『佐々木隆宏の数学の発想力が面白いほど身につく本』佐々木隆宏・著(中経出版)
KADOKAWA (2018-09-10)
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問題数は77題なので、反復もしやすく良書です。 難問を解く上で必要なセンスが身につきます。 また、問題演習を重ねて、実力を高めたい人には、次の教材がいいでしょう。
- 『数学重要問題集 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(文系)』(数研出版)
- 『数学重要問題集 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Ⅲ(理系)』(数研出版)
自分に必要な方を選んでください。 重要問題集は、入試数学の良問揃いです。
かたっぱしから解いていき、今まで反復してきた教材の解法を使って、初見の問題に強くなりましょう。 文系は207題、理系は299題です。
できなかった問題は、スラスラと条件の翻訳ができるまで、セルフレクチャーで反復します。 ここまでやれば、手も足も出なかった難関大学の入試問題に手が届きます。
わかりやすい教材には弊害がある・・・?
これまで南極老人は数千冊以上の教材を研究してきました。
しかし、その中で「この教材は100点だ」と呼べる教材はなかったそうです。
また、「一般的に高い評価を得ている教材でも、使い方を誤ると、まったく成績が伸びない恐れがある」のだそうです。
その中でも「解説が多く、わかりやすい教材」には、特に注意が必要だとか。
あなたは、「えっ、わかりやすい教材のどこがいけないの?」と思うかもしれませんが、先ほどの南極老人の言葉には、深い意味があります。
わかりやすい教材で勉強していると、「わかる」という高い満足感を得ることができるでしょう。
しかし、自分がとことん考えてたどりついた解答ではないので、なかなか知識も定着しませんし、実際に問題を解く感覚も養われません。
「わかる」と「できる」は違う、ということを頭に刻んでおいてください。
どれだけ「わかった」としても、実際に問題を解いて7回以上反復していなければ、問題を解けるようにはなりません。
7回反復するのは、確実に「できる」ことを増やしていくためです。
「わかる」よりも、「できる」ようになるほうが、よっぽど大事なのです。
もし、あなたが試験本番で、緊張のあまり頭が真っ白になってしまっても、7回以上反復して得た知識や感覚があれば、怖くありません。
それらは、あなたの体に染みついていますから、まるで、手が勝手に動いているように、スラスラ問題を解くことができるでしょう。
わかりやすい教材で、「わかった!」という分野を増やすよりも、これまでに私が紹介した教材を、何度も何度も反復し、少しでも「できる」分野を増やすことが大切なのです。
では、「解説が多く、わかりやすい教材」は全く使い道がないのかといえば、そうでもありません。 上手な活用法があります。
それは、成績アップの「起爆剤」として使う方法です。
それらの教材を使って「数学ができる感覚を会得できたり」「自分の壁を越えることができたり」するのです。
もう少し具体的に説明しましょう。
まず、使うタイミングについて。
南極流勉強法では、基本的に解説が少ない教材を選んで使用しています。
しかし、それらの教材を使って勉強を進めていく過程で、
- 微分積分の概念がわからない
- 数列の公式の意味がわからない
というように、どうしても理解できない分野が現れることがあります。
実際に、このような壁にぶち当たる受験生は少なくありません。
そんなとき、活躍してくれるのが「解説が多く、わかりやすい教材」なのです。
中でも、ひとつの単元に特化して、わかりやすく解説した教材は、有効活用すれば一気に感覚を飛躍させることができます。
その際は、問題を解くよりも、まずは読み物として使いましょう。
『面白いほどよくわかるシリーズ』(中経出版)を読んで、だいたい内容を理解できれば、序盤〜終盤で紹介している教材に戻って、また反復練習に励んでください。
特に確率、数列、ベクトルとよく出題される分野は、理解を深めるために次の教材がオススメです。
- 『坂田アキラの 場合の数・確率・データの分析が面白いほどわかる本 (坂田アキラの理系シリーズ)』坂田アキラ・著(中経出版)
- 『DVD付 坂田アキラの 「数列」合格講座』坂田アキラ・著(中経出版)
- 『DVD付 坂田アキラの 「ベクトル」合格講座』坂田アキラ・著(中経出版)
中経出版
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また、理系受験生は、微分積分を得意にしましょう。
必ずといっていいほど出題されるので、得意にしておくと、数Ⅲの微分積分は裏切りません。
- 『坂田アキラの微分積分が面白いほどわかる本[極限・微分編]』
- 『坂田アキラの微分積分が面白いほどわかる本[積分編]』坂田アキラ・著(中経出版)
各分野の問題を解くコツをつかめます。 一度読んで、次に問題をセルフレクチャーで反復しましょう。
苦手分野を埋めることで、あなたの成績は、さらに飛躍するでしょう。
【まとめ】南極流・数学の秘法
- 入試数学にセンス(才能)は不要。 解法パターンの暗記と計算力の練習と「数学脳」を目覚めさせれば、数学が得意になる。
- うすっぺらい問題集を7回以上反復して完ぺきにすると、潜在意識は「自分は数学ができる」と思いこみ、「数学脳」が目覚め、数学的発想が身につく。
- すべての問題を ◎、◯、△、× に分ける。 勉強とは分けること。
「できる問題」と「できない問題」に分けて効率的に進めることで、あなたの数学の力は短期間で飛躍する。 - 反復練習はセルフレクチャー(左脳読み)を使うと、1問1分あれば復習可能。 1時間で60題も復習できるようになり、1冊の教材を10回、20回と反復できる。
- 「条件の翻訳」をマスターするだけで、数学は面白いように解ける。
よくあるQ&A
難問は間違えないのですが、基礎問題でミスしてしまいます
ミスに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。 お読みください。 →1点をもぎ取れ!ケアレスミスを無くす方法
入試までに問題は合計何題くらい解くべきですか?
志望校、勉強方法にもよりますが、教科書を終えてから、初~中級レベルの入試問題を、国公立大・文系志望者は1000題、理系は3000題ぐらい必要でしょう。
理系は、数III(微積分)の計算とグラフは、こなした量が点数に結びつきやすいので、絶対的な自信がつくまで練習すると、強力な武器になります。
難問が解けなければ難関大学には合格できませんか?
まず、基本的なことを確認します。
数学の難問とはどんな問題のことを指しますか? 東大・京大の入試問題? たしかに難問も出題されますが、東大・京大といえど、半分は入試標準レベル(青チャート式の例題レベル)。
しかも、各大学の合格最低点から予想すると、難関大学の場合は半分以上解ければ合格圏内です。
したがって、難関大学をめざす方でも、まずは標準問題がちゃんと解けるようになることが大切です。
難問対策としておすすめの本はありますか?
おすすめの本は、『月刊誌・大学への数学』、『新数学演習』、『解法へのテクニック』、SEG出版の参考書などですが、これらを読んだからといって難問が解けるようになるとは限りません。
本よりもはるかに大事なことは、やっている参考書の問題を血肉になるまで反復し、パターンを覚えてあなたの頭脳を鍛えること、すなわち数学的発想を身につけることなのです。
どうすれば数学的発想が身につきますか?
「ルーズな感覚を身につけろ」 これは数学が得意な方(偏差値70以上をキープしている方)に 共通して見られる一種のリラックス感覚です。
数学が苦手な方にかぎって「公式をすぐに忘れてしまう」とよくぼやきます。 まじめに覚えようとし過ぎるのでしょうか、どうもリラックスして数学と向き合えないようです。
数学が得意な人は、公式を忘れてもいいように、自分で導き出せるように勉強しますから、余計なストレスがかからずリラックスしています。
例えば、三角比・三角関数の公式は40種類以上ありますが、いくつかの基本公式からすべて導くことができます。
しかも、導くことができれば難問を解く手がかりにもなります。
参考書や問題集の解答を読んでいて、「こんなすごい解法は思いつかないよ!」という解答に出会ったことはありませんか? それを思いついた裏には、たいてい公式を導く過程が関係しているものなのです。
また、「数学は疲れる」というマイナス・イメージは、数学に対して苦手意識を持っている人特有のものでしょう。
数学が得意な人は、問題が解けたときに味わえる心地よさ・達成感・高揚感(=数学的ナチュラルハイ)を何度も体験しているので、「数学は楽しい」というプラスイメージが先行します。
だから、いっそう得意になるのです。
実は、この数学的ナチュラルハイの精神状態になれば誰もが自然に行き着く考え方が、数学的発想と呼ばれているのです。
この発想を身につけるには、実際に「解けた」という喜びを数多く経験していくことが大切です。
もちろん、教科書に書いてあるような基礎知識は、基本レベルの問題集などでしっかり練習しなければなりません。
しかし、数学的発想はもともと誰にでも備わっている能力です。
ただ、苦手意識があるとそれが表には現れず、使いこなせないのです。
苦手意識はどうやったら乗り越えられますか?
一番大事なことは、あなた自身が「絶対に、数学の苦手意識を克服したい!」と強く願うことです。
そして、その思いを最後まで絶やさないこと。 その上で、さっき説明した「条件の翻訳」を徹底的に反復練習すれば、できる問題が増えて自信がつき、数ヶ月後には、苦手意識が払拭されていることでしょう。
数学的発想とは、具体的にどういう考え方なのですか?
問題文を反射的に数式化する、「条件の翻訳」もそのうちの一つです。
また、問題を考える際に、「もっと簡単に解けないか?」「自分の知ってる問題に似ていないか?」などと思いめぐらしながら式変形してみたり、ときには「わからないところは後回しにして先に進もう」と気を転じることで、解法がひらめく場合が多いですね。
「解けたという喜びをより多く経験していくべき」というのはわかるんですが、数学的発想を教えてもらうことはできませんか?
可能です。 ただし、それをマスターできるかどうかは、あなたの情熱しだいです。
数学の入試問題を解くために必要な考え方は、わずか15種類ぐらいです。
一見どんなに難しく見えても、実際は、いくつかの考え方の組み合わせで解けるようになっているものがほとんどなのです。
入試数学で合格点を取るためには、まず必要な知識を覚えて、それらを使いこなすための考え方(数学的発想)を身につければよいのです。
大事なことは、つぎの6つ。
- 想像力を使う。
- 全体的イメージをつかむ。
- なぜ、なぜなら・・・を身につける。
- できる○、できない×に分ける。
- できないところを反復練習。
- 本番に強くなるための問題練習。
あなたはふだんから想像力を使っていますか? 使うか、使わないかで、3年後には雲泥の差がつきます。
全体的イメージとは、たとえば「数列って何なの?」と聞かれたら、自分の言葉で5分間ぐらい説明できることです。
全体像がなければ判断力はゼロですから、自分の頭で考えることはできません。
よって、丸暗記しなければならない量が増えるので、反復練習ができなくなって、多くの知識を覚えることができなくなってしまうのです。
授業で板書を写すだけでは授業の奴隷です。
「考えるクセ」がなくなってしまいます。
あなたは「なぜ?」という疑問を持ち、「なぜなら・・・」という理由をさがしながら勉強していますか?
大事なことは、「なぜ」、「なぜなら」・・・という論理的思考を身につけることです。
想像力、全体像、論理的思考を身につければ、「覚える量をしぼる」という目標が達成され、反復練習が可能になります。
この流れが定着すれば、あなたはラクラクと、テストで高得点を得ることができるようになるのです。
より詳しい勉強法を知りたい方は大逆転勉強法をチェック!