こんにちは。
塾長の村田です。
勉強のやる気がどうしてもわいてこなかったり、
日々のコミュニケーションのなかで
自分の殻に閉じこもって人と関わろうとしなかったり……。
じつは最近、だれかに相談するよりも、
スマホを取り出してAIに相談することのほうがメインになっている、
という受験生が増えているのです。
「どうして無気力になってしまったんだろう?」と、
悩まれている親御さんも多いかもしれませんね。
今回は、そんなやる気が出ない状態やAIへの依存から抜け出し、
自分の力で人生を切り拓いていくための
向き合いかたについて、お伝えします。
1. 「転ばぬ先の杖」が奪ってしまう、自分で乗り越える経験
親御さんとしては、わが子にしっかりと能力を身につけさせたい、
よい結果を出させてあげたいと思いますよね。
そのため、先回りして「転ばぬ先の杖」として、
いろいろなことをやってあげたくなるものかもしれません。
しかし、結果や能力を重視しすぎて先回りをしてしまうと、
かえってお子さんを無気力にさせてしまうことがあるのです。
たとえば、過去に塾でお預かりした塾生のなかに、こんな子がいました。
その子は
「自分は本当に自分に対する自信がない。
でも、プライドだけはすごく高い」と自覚していたのです。
なぜそれほどプライドが高くなってしまったのかというと、
小学生や中学生のときは勉強がよくできて、
ちゃんと結果を残せていたからでした。
でも、その結果を残せていた背景には、
夏休みの宿題を親が代わりにやってくれたり、
スピーチコンテストで優勝したときの内容をすべて親が考えてくれたりしていた、という事実があったのです。
本人は、できあがった内容をただ読み上げていただけ。
親御さんの手厚いサポートのおかげで、
一時的に「自分は何でもできる」という万能感が育ち、
結果もついていっていたのですね。
ところが高校生くらいになると、
親が勉強の面倒を見られる年齢でも内容でもなくなってきます。
今まで通用していた親のサポートがなくなったとき、
「自分はなにもできないんだ」と打ちひしがれてしまったのです。
プライドが高いばかりに、外の信頼できる人に素直に聞くこともできず、
自分の殻に閉じこもって傷つくのを過剰に恐れる自己防衛に入ってしまいました。
このように、親御さんが助けすぎてしまうことで、
大人になっていくために必要な
「思い通りにいかない葛藤を克服する社会性のプロセス」を
経験する機会が奪われてしまうことがあるのです。
2. 「体験」こそが、頭と心を育てる最大の栄養
いまは保守的な考えかたからリベラルの考えかたへと移り変わり、
個人の自由がとても尊重される時代になりました。
しかし、自由ばかりを与えすぎてしまうと、
とくに努力をしていなかったとしても、
スマホを使って、楽に解消する方向へ行ってしまいがちです。
そうなると、厳しさや苦しみに耐え抜くという経験値が足りなくなり、
体験がないまま情報だけが頭にたまっていく
「頭に重心が上がってしまうような状態」になってしまいます。
さらに、わからないことはAIに聞けば
すべて解決するいまの環境では、
他者と関わることで生じる心の摩擦や気疲れを避けるために、
「1人で家にこもってAI相手に勉強していれば合理的でいいんだ」と
考えてしまうかもしれません。
能力や結果を追い求めるだけなら、それでもよいのかもしれません。
けれど、人間教育として本当に大切なのは
「なにを体験させるか」という部分なのです。
ミスターステップアップでおこなっている合宿では、
塾生たちにふだんできないような実体験をしてもらうために、
京都の山の方へ行きます。
水が張られた田んぼに初めて足を一歩踏み入れた瞬間、
塾生たちは「うわあ!」と声をあげて、
自然の感触を全身の体感として味わうのです。

「お米を一粒でも残すのはバチ当たりだよ」と昔からよく言われますが、
自分で作って、体験してみることで初めて、
「あ、ご飯を大事に食べなきゃいけないんだな」と
身をもって噛みしめることができます。
その後にいただくご飯は、じつに美味しいものなのですよ。
苦労して、体験して、初めてわかっていくもの。
人との関わりをしっかりと作り、
思い通りにいかないことにチャレンジさせてみるという体験こそが、
頭と心の両方を育てていくのです。
3. 一般入試をやりきった思い出は、一生の財産になる
最近は
「子どもにあまり苦労をさせたくない」
「確実に受かりやすい道を早く決めてあげたい」という思いから、
親御さんが主導して推薦入試の計画を
すべて組み立ててしまうパターンも見受けられます。
しかし、それもまた、
大切な10代後半の経験を奪ってしまうことになりかねません。
10代後半の体験は、次の20代の体験のひな形になります。
この時期に、自分でなにかを乗り越えたという経験がなければ、
20代になって人生の試練や壁が現れたとき、
自分で乗り越える自信がないために途中で挫折したり、
努力を長続きさせられなくなったりしてしまいます。
親御さんが一歩離れて見守り、
本人に壁を乗り越えさせていくという意味において、
大学受験、とくに一般入試を乗り越えることには
とても大きな価値があるのです。
以前、大手の出版社の方とお仕事をさせていただいたとき、
こんなお話を聞きました。
新入社員のなかに推薦入試で合格したタイプと、
一般入試を経験して合格したタイプがいるけれど、
一般入試を乗り越えてきた子たちは
「1年間、自分で逆算して準備をする強さ」や
「結果を待つ時期のメンタルの強さ」が
やっぱりあるように感じる、ということでした。
受験期の1年間、問題が解けなくて苦労し、
思考錯誤しながら「言葉にならないな」ともんもんとする。
そんな砂を噛むような苦しい葛藤の時期を経て、
ようやく「わかった!」という瞬間にたどり着く。
このプロセスを経てこそ、
ありがたみや人間としての成長が得られるのです。
わたし自身も、10代後半の大学受験のときに
「最後までやりきって乗り越えた」という
精神の核のようなものがあるからこそ、
その後の人生で苦しい場面や、
やめたくなるような場面が訪れても、
壁を乗り越えていくことができています。
受験を必死にやりきった思い出や、
そのときにだれかに助けてもらったという記憶は、
だれにも奪われることのない一生の財産です。
それは、外からかけられるなぐさめの言葉とはまたちがう、
自分自身の背中を内側から力強く後押ししてくれる
エネルギーになってくれますよ。
4. まとめ:結果の物差しを超えた、親子ならではの絆で見守る
子どもがなにかに挫折したり、
うまくいかずにもんもんと苦しんでいたりするとき、
それを悪いこととして受け取る必要はありません。
それこそが、乗り越えていくための大切な体験の真っ最中なのです。
そこで親御さんから能力や結果ばかりを催促されてしまうと、
子どもは「結果を出さなければ自分は認められないのか」と感じ、
人としての尊厳を失ってしまうように感じて、
余計に無気力になってしまいます。
親子だからこそ、能力や結果だけでは推し量れない、
かけがえのない絆があるはずです。
結果の物差しだけで測ろうとせず、
一歩離れて温かく見守りながら、
わが子が自分の人生を乗り越えていけるように
後押しをしてあげてくださいね。
「わが子にしっかりと壁を乗り越える経験をさせてあげたいけれど、
どう見守ればいいのかわからない」
そんなときは、ぜひ一度、ミスターステップアップの
「無料受験相談」にお申し込みください。
お子さんの詳しい状況をじっくりとお聞きし、
一人ひとりに寄り添ったこれからの進めかたをご提案させていただきます。
一歩を踏み出すきっかけを、一緒に作っていきましょう。
それではまた!








