私には勉強以前に乗り越えなければならないテーマがありました。
中学2年の時にテレビの影響を受けて想像の世界と現実の世界の区別がつかなくなり、自分の心の扱い方が分からなくなり、自分が行動するのが怖くて一日中ベッドの上に寝たきり状態で頭は鉛のようになり、腕は痙攣を起こすことさえありました。
自分ではどうしていいかわからなくて、でも周りにそのことを言える人もいなくてずっと一人で苦しんでいました。
一度親に話したのですが、「まぁ、大丈夫よ」と言って、全然分かってくれませんでした。
もう自分では抱えきれませんでした。
そんなとき、(以前から塾の存在は知っていたのですが)塾の合格体験記を見て、自分なんかが人生変わるんかなって思いながらも、もしかしたら変わるかもしれないという少しの希望をもって入塾しました。
といっても、最初は怖くてなかなか話せませんでした。
でも、ここで過ごす一年を無駄にしたくないという思いから、思い切って村田先生に打ち明けました。
先生は自分がスッキリするまで熱心に聞いてくださり、自分では変だと思っていた自分を全て受け入れてくれました。
それからも何度も先生と対話していくなかで、その思考がただの自己満足だということを教えてくださいました。
言われた時はわからなかったのですが、考えてみたら、そうかもしれないと思うようになり、さらに、それが勉強への向き合い方にも出てると指摘して下さいました。
といってもなかなか直せずにズルズルいってしまいました。
センターの2週間前になっても本気になれなかったのでこれはマズイと思い、先生に「私はなんで本気になれないんですか?」と聞くと、「甘えてるからじゃない?」と言われて、バレてると思い、ビックリしました。
初めて本当の自分を受け入れてくれたために完全に甘えていたのです。
自分では薄々気づいていて、甘え過ぎてもダメなのはわかっていましたが、バレたら甘えられなくなるのでずっと隠していました。
自分の中で葛藤はありましたが、(最初のほうは特に)欲に負けて先生に依存することが多かったように思います。
それでも徐々に過去のトラウマを振り切って勉強するようになり、それに連れてそのトラウマも消えていきました。
もう一つのテーマは『親からの自立』でした。
ここに来るまでは親に「すごいね!」と言われるような自分でいることを目指していました。
とりあえず高い目標を言っておけば「すごいね!沙希ならできるよ!」と言われるので、それをモチベーションにしていました。
でも、自分の本当にしたいことじゃないから目標はコロコロかわるし、本気になれませんでした。
そして、高い目標に対して「まぁ、できなくてもしゃーないでしょ。」と言い訳ばかりして、できない自分を正当化していました。
どこかでこのままではダメだと思いながらもやめられずにいました。
入塾しても旧帝大志望で貫き通していた自分にある時、村田先生から「私立文系にしたら?」と言われました。
そのときに、「なんか自分の中で引っかかるものがある」と言うと、先生は見事に自分の思っていることを当ててくれました。
実際、私立文系志望にした後は前より勉強がはかどっていたように思います。
今思うとすごくいい決断だったし、自分一人では絶対にできない決断だったなとおもいます。
そんなこんなで、入塾する前よりは勉強できるようになってはいるものの、決して満足のいく勉強はできてないままとうとうセンター試験当日が来てしまいました。
心の中は、この1年の後悔でいっぱいでした。
でも、それを見せまいと、作り笑顔でごまかしていました。
しかし、我慢も限界できず、ある大学生の前で泣いてしまいました。
その後、自習室にこもり、1人で泣いていたのですが、ふとある思いが自分の中にこみ上げてきました。
「ここで変わらなかったら一生後悔する」そして、自習室を出て5階のダイニングに行きました。
少しすると、弓場さんが声をかけてくれて、話を聞いてくださいました。
その時に印象に残る言葉をいただきました。
「あなたがバット(ネガティブ)になっているときは本当のあなたではない。周りの人を感化できる人間になりたいと思っている時が1番輝いているよ!」
その瞬間から目の前がパーっと開けて今まで見ていた世界がいかに狭いかを知りました。
それまでの自分はバットになって人に気をかけてもらうというサイテーな人間でした。
しかし、その瞬間から、人のために生きることが自分にとっても楽だし、不思議と暖かい空気に包まれている気がしました。
ずっと孤独だと思っていた自分に光を与えてくださり本当にありがとうございました。
試験会場では周りの人の幸せを祈りながら受けました。
「このままの勢いで前期の大学も受かりに行こう!」と思い、センター1日目が終わったその日から対策を始めました。
しかし、試験が近づくにつれてまた自分の悪いクセが出てしまい、「まぁ、受かるだろう」と楽観的になって、まるで地に足がついた状態ではないまま前期を終えてしまいました。
後期まであと2、3週間しかない状況で、結果は『京都産業大学不合格』その結果が受け入れられず、抜け殻のようになっていました。
まだ後期も残っているのに投げやりになっていました。
しかし、「このまま終わったら後悔する」という思いから、食堂でたまたま村田先生と会ったときに「京産に受かりたいです」と言いました。
そして、「正直、京産受ける前に受かると思っていました」と言うと、「だから甘いねんって」と叱って下さり、自分の弱さを指摘して下さいました。
そして、
「突き詰めて考えること(自分のテーマ)をすれば合格する」
「後期試験でも逆転合格できる。しかし、ただ一つだけ条件がある。それは最後までバットにならずにならずにやり切ることだ」
と仰いました。
その日からはそれまで逃げていた突き詰めるという行為を少しずつしていきました。
英語では、英文法で、『なんでこの選択肢は正解で、こっちの選択肢は違うのか』というのを一問一問考え直していきました。
国語では、ただ過去問を解くだけではなく、大学生にも質問しながらバイブル本の反復の仕方から見直しました。
国語は後期試験が始まってもなかなか思うようにいかず、最後まで苦しみました。
でも諦めたくなかったので、最後までバイブル本を反復して過去問を突き詰めることを徹底しました。
そして迎えた近畿大学入試。
近大はPC方式で出願していたので、判定は1科目だけでした。
国語よりも英語の方が得意だったので、英語でいこうと思い、入試の前日は英語に絞って勉強しました。
しかし、当日、英語が思った以上に難しく、時間も足りずに終わってしまいました。
そのとき、いろんな思考が頭をよぎりました。
「もう、ムリだ」「英語がダメだったからたぶん国語もダメだろうな…」と、またいつもの自分の負けパターンに落ち入りそうになりました。
しかし、そのときにこの1年間支えてくれた人への感謝の気持ちが同時に出てきて
「自分がここまで生きてきて、今日、こうして入試を受けられているのは周りの人の支えがあるからだ。私は生かされて今、ここにいる。だから、勝手な自分の都合でこの試験を放棄するわけにはいかない」
と思い、国語を全力で受けました。
時間はギリギリでしたが、なんとか解ききり、ほとんど迷いなく選択肢を選べました。
そして、最後の京都産業大学。
これで入試が終わるのかと思うと、寂しい思いでいっぱいでした。
前期では迷いの中解いていましたが、このときは何の迷いもなく、クリアに解けました。
自分のテーマと向き合って、前期のリベンジも少しはできたかなと思います。
私はこの1年、本当に多くの人の支えのおかげで受験勉強をやり抜くことができました。
この場をお借りして感謝の気持ちを伝えたいと思います。
村田先生。
先生はいつも私の思考や感情をコントロールしてくれる存在でした。
先生と話した後はいつも気持ちが楽になって、安心して勉強に打ち込めました。
私が過去にとらわれて目の前が見えてなかった時に、いつも、
「目の前のことが1番大事。頭の中でグチャグチャ考えるんじゃなくて、目の前に集中しろ!」
と言ってくださいました。
直前期は特に、この言葉を胸に留めて勉強していました。
先生からはこの1年、いろんな考え方のモノサシをもらいました。
受験勉強だけでは全ては実践できなかったので、これからも一つ一つ向き合っていきたいです。
柏村先生。
先生は、私が無意識にやっている至らないところをたくさん指摘してくださいました。
勉強と言うよりは、生活面で至らないところを指摘してくださいました。
周りのことを考えていない汚い自分を見抜いて指摘して下さいました。
正直、「グッ」ときたけど、自分を見直すきっかけになりました。
これからは無意識にもっと目を向けて相手がどう受け取るかを考えて行動していきます。
やっし。
やっしの話は難しくて何言ってるのか分からないことが多かったけど、食らいついて聞いていました。
「そう考えるんだ〜」と驚きの連続でした。
弓場さん。
なんといってもあのセンター当日の言葉に救われました。
それまであまり内面の事は話したことがなかったのに、ずっと自分のことを気にかけて見てくれていたんだなと思い、すごく温かくなりました。
ありがとうございました。
よなさん。
「自分の短所を克服すれば長所になる。それが、誰かの助けとなる」という言葉を下さいました。
後期試験間近の時にもらったこの言葉は、受験のときの心の支えの1つになりました。
これからも短所と向き合って乗り越えていって周りの人の希望になれるよう精進します。
大翔さん。
大翔さんは私の中でお兄さんみたいな存在でした。
話をした時はいつも自分の思考を直すよう諭してくれました。
坂口さん。
試験直前に私が負けモードになっていた時に背中を押してくれました。
センター試験当日の合格弁当のおしぼりに書いてくれたメッセージはまだ心の支えとして持っています。
原さん。
原さんには結構自分の思っていることを相談してそのたびに私に新しいモノサシを与えてくれました。
素子さん。
私が悩んでいた時に話を聞いてくれて先生につないでくれたり、自分のネガティブ思考を直すよう諭してくれました。
そしていつも元気な素子さんに支えられました。
千春さん。
千春さんは自分の中で本音をゆっくり話せる存在でした。
今までは本音を言える人がいなかったので本当に自分の中の支えになりました。
私がどんな状態でも最高の環境で迎えてくれた塾、塾タのみなさん。
心の底からおいしいと言える料理をいつも最高の笑顔で提供してくれた飲食スタッフのみなさん。
私はこの1年、ここのご飯なしでは戦い抜けなかったと思います。
ここに来るまではストレス解消のためにご飯を何杯も食べていた私がここのご飯を食べるようになってからは最初に盛っていただいた一杯だけで充分すぎるほどの愛をいただいていました。
いつも輝かしい未来が見える話をしてくれたGTスタッフのみなさん。
熱い志で共に戦った塾生のみんな。
最後まで応援してくれた父さん、母さん。
私の受験は本当に周りの人の支えがなければ成立し得なかったと思っています。
私はここに出会えて本当に幸せです。
この幸せを自分の中だけに留めておくのはもったいないのでこれからはこの幸せをどんどん広げていきたいです。
一年間ありがとうございました。