【現代文勉強法】偏差値44から東大京大医学部に合格した方法

原稿用紙 万年筆
この記事を書いた人
柏村 真至

柏村 真至

京都大学文学部卒。浪人が決まった春、受験の達人南極老人に出会い、逆転合格を果たす。『E判定からの大逆転勉強法』などを執筆し、一躍カリスマ講師に。南極老人いわく「彼ほど完璧に大逆転勉強法を実践した受験生はいない。さらに〝戦闘値〟がアップしたスーパー大逆転勉強法と出会える受験生は幸運だ」と。

話者
かしぞー
ああ、現代文の成績が上がらないよ、どうしよう…。おれ、現代文嫌いだしさ。
話者
ゆばーん
わかるわかる!そもそも現代文って、どうやって勉強するのかしら?私、いつもフィーリングで解いちゃってる…
話者
南極老人
お二人さん。現代文が嫌いだって??でも、「現代文脳」が目覚めれば、問題を解くほど、どんどん成績が上がるのじゃよ。
話者
ゆばーん
「現代文脳」ってなんなの?
話者
南極老人
①スキーマ力②文脈力③語彙力、この3つの力がセットされた状態のことじゃよ。
話者
かしぞー
スキーマ??何それ?初めて聞きました。先生、とにかくぼくも、「現代文脳」を目覚めさせたいです!ぜひその方法を教えてください!!

【動画】偏差値44から東大・京大・早慶に合格する現代文勉強法

勉強しなくても現代文ができる人のクセ

『アラジンと魔法のランプ』をご存じですか?

魔法のランプをこすると、中からランプの精ジーニーが飛び出てきて、ご主人様の願い事をなんでも叶えてしまうというお話です。 けれども、ジーニーは善悪の区別がつかないために、ご主人様に言われた通りに、「良いこと」も「悪いこと」もその通りに実現してしまうのです。

このお話は、潜在意識せんざいいしきとそっくりです。

人間の心には、意識と潜在意識があります。

意識とは、今していることを自分でわかっている状態です。

反対に、潜在意識とは、自覚されないまま心の奥にひそんでいる意識(思考、印象、感情、気)のことです。

あなたが18歳だとしたら、生まれてから18年間に、見たり、聞いたり、読んだり、触れたり、思ったり、想像したり、行動したことすべてが潜在意識に集積されています。

だから、潜在意識とは、「習慣」だと言えそうです。

なぜなら「習慣」とは、 「日々の考え」    ↓ 「日々の思い」    ↓ 「日々の行動」    ↓ 「日々の記憶」 が集積して作られるからです。

あなたの考え、思い、行動、習慣は、あなたが自由に選んだものではなく、実は、あなたの潜在意識に影響を受け、左右され、決定されているのです。

潜在意識も、その人(ご主人様)の願い事をすべて実現しようとして、24時間、不眠不休で働き続けています。

あなたが、「現代文は嫌いだ、苦手だ、めんどくさい」と思えば思うほど、潜在意識は、それを実現しようとします。

つまり、あなたのジャマをするのです。

また、潜在意識には過去・現在・未来という時間の感覚や、本当か嘘かという感覚はありません。

その人が思ったすべての出来事を真実と受けとめて、その人の願い事や思いを実現するために働き続けるのです。

人は、1日10万回、「ものを思う」そうです。

その10万回の思いの中に、あなたの人生、あなたの受験勉強、入試現代文にとって、プラスになる考え方や知識は、だいたい何パーセントくらいあると思いますか?

それが多ければ多いほど、あなたの人生は、あなたの思い通りになります。

常に、うれしい、楽しい、気持ちいい、清々すがすがしい、ほこらしい、と感じられることを、心で思ったり、口にしたり、書いたりする「良いクセ」をつけましょう。

そして、「入試現代文」にとってプラスになる考え方、知識を毎日、「魔法のランプを正しくこする(反復練習する)」ことによって、できるだけ短期間で、現代文をチョー得意にしようではありませんか。

現代文が苦手な受験生の共通点

苦手

「現代文が苦手です・・・」

と言う受験生にはある一つの共通点があります。

それは、正解の選択肢を選ぶ際に、本文と同じ表現があった選択肢を選んでしまうこと。

これは現代文の問題作成者が受験生を引っ掛けるための罠として、わざと間違った選択肢として用意しているのです。

現代文の解き方は、本文と同じ表現を選ぶものではありません。

では現代文ではどういったことに気をつけながら選択肢を選ばないといけないか?

それは、本文から導き出すことができる内容に最も近いものを選ぶことなのです。

なので、現代文の問題の選択肢は表現が一緒でなくてもかまいません。

さらに言うのであれば、表現が同じものは間違った選択肢であるということが非常に多いです。

よって、現代文では正しい本文の読解をする必要があります。

そして、選択肢の中から表現という表面的な部分ではなくて、その一歩深い部分をえぐり取ってそれをしっかりと理解するのです。

さらに、そこから導かれる選択肢を選ぶことが必要になってきます。

しっかりと内容に踏み込んで選択肢を選ぶようにしてください。

現代文が伸びる子と伸びない子の違い

「なぜ、多くの教材を解いてきたにもかかわらず、現代文の成績が上がらないのか?」

そんな受験生の嘆きをよく耳にします。

「出口先生の教材を8冊も解いたのに、成績が上がらない」 「『田村の現代文講義』を①〜④まで解いたのに、点数がとれない」 「予備校の現代文の授業に出席しているのに、偏差値が伸びない」

という受験生は、全国に何万人もいるのです。 一方で、

「出口先生の教材を一冊解いただけで、成績が上がった!」 「『田村の現代文講義①』を3問解いただけで、偏差値が上がった!」 「予備校の授業に出席しているだけで、偏差値が10も伸びた!」

という受験生も、何万人もいるのです。 この違いは、どこからくるのでしょうか?

全科目を極めた受験の達人・南極老人が、塾講師だった頃、このことについてずいぶんと悩んだそうです。

現代文を同じようにちゃんと教えても、伸びる子と、伸びない子がいる。 ちゃんと説明しても、わかる子と、わからない子がいる。 この差はどこからくるのだろうか、と。

頭の差なのか? 経験の差なのか? 本を読んだ量の差なのか? 知識の差なのか? どれもこれも、違うような気がする・・・。

そうやって悩んでいるうちに、ある法則を発見したそうです。

それはどういう法則なのかというと、南極老人と雑談をすればするほど雑談の時間に比例して、その生徒の現代文の成績が上がる、という法則でした。

「勉強時間に比例して」ではなかったのです。

逆に、勉強だけしか教えなかった子は、それなりにしか上がりませんでした。

それは、どういうことかというと、南極老人の雑談は、単なる雑談ではなかったのです。

一例をあげましょう。

「心は、どこまで科学で解明できるか?」

「意識とはなにか?」

「古代史の真実について」

「天皇とはなにか?」

吉田松陰よしだしょういんの生き方について」

「現代医学と東洋医学について」

「言葉とはなにか?」

「お金とはなにか?」

「宇宙と地球の関係について」

「世界経済と日本経済の関係について」

など、専門家しか知らないようなレベルの高い話を、高校生でも理解できるように、わかりやすく話していたのです。

そのため南極老人の生徒たちは、知らず知らずのうちに、あるものを獲得していたのです。

では、その、あるものとは何でしょう?

知られざる国語力の3つの正体とは

  • スキーマ力
  • 文脈力
  • 語彙ごい

これらこそが、国語力の正体です。

スキーマとは、あなたが既に持っている、「ひとまとまりの知識」のことです。

文脈力とは、文章中の言葉を、間違ってとらえないことです。 現代文が苦手という人は、文章を「誤解」して読んでいるということです。 ここで、「誤解」についての大事な話もしておきましょう。

現代文ができない理由は「文章の誤解」

まず、1つ目のお話です。場面を想像しながら読んでみてください。

あなたが、夜の墓地など、薄気味悪いところにいたとします。

「お化けが出たらどうしよう・・・」

そんなふうにビクビクしているときに、目だけが異様に光った怪物がこっちを・・・。

「で、で、出たぁ、妖怪ようかいだ!」

と、心臓が止まりそうになります。 しかし、冷静になってよく見てみたら、なんとそれは、ただの猫でした。

これが先入観せんにゅうかんによる誤解の例です。

先入観とは、前もって抱いている固定的な観念で、それによって自由な思考がさまたげられる場合にそう言います。 現代文を読んでいるときも、先入観があると、さまざまな「妖怪(=誤解)」を見るものなのです。

次に、2つ目のお話です。 あなたの友達が恋愛の話をしていたとします。

A子 「あのこ、フクヤマくんとつきあってるらしいよ」

B子 「へぇ〜、いつからなの?」

A子 「今年に入ってかららしいよ」

その会話に、あなたが、途中から加わったとします。

あなた「マジで? そんな話うそだ!     (だって、フクヤマくんは私のカレシだもん!)」

A子 「あなた、なんで、そんなに熱くなってるの?」

B子 「そうだよ。     たかが芸能ネタで・・・」

あなた「エッ、芸能ネタ?     ・・・ってことは、     フクヤマって・・・     フクヤママサハルのこと?」

B子 「そうだよ」

あなた「ああ、フクヤマさんね。     ハハハ・・・(びっくりした!)」

と、まあ、どうでもいい話なのですが、こんなふうに話の内容をまったく勘違いして受け答えしてしまう経験は、あなたにもありませんか?

このような見間違い、聞き間違いは、なぜ起こるのでしょうか?

それは、

  • 自分のすでに持っているイメージ(スキーマ)
  • それまでの話の流れ(文脈)

によって、情報を誤って判断しているために起こるのです。

最後に、3つ目のお話です。

いきなりですが、文脈とは何か、わかりますか? 「前にこう書いてあったから、いま、このことが書いてある」というのが文脈です。

そういう文と文(話と話)のつながりがわからない人は、相手に、「おまえバカじゃないの?」と言われたときに、「バカって言ったヤツがバカなんだ!」などと言って、子供のケンカになってしまいます。

文と文(話と話)のつながりがわかる人は、「バカじゃないの?」という言葉の前に、この人は何か言っていたな、と気づくのです。

たとえば、「(ウソをつくなんて)おまえ、バカじゃないの?」という話であったなら、「ウソをつくな」ということが、相手の伝えたかったことだとわかります。 「お前はバカだ」ということを言いたいのではないのです。

それを、「バカって言ったヤツがバカなんだ!」と怒るのは、文脈からズレていますよね。

つまり、それに気づくのが「文脈力」なのです。

なぜこのような話をしたかというと、誤解について、3つの怖さを知っておいてほしかったからです。

入試現代文の勉強を進めるにあたって、この3つの怖さを知っておくと、これから何を勉強すればいいのか、がわかります。

入試現代文では、「文章の誤解=失点」です。

大きく誤解すると、0点になります。

逆に言うなら、まったく誤解しなければ、満点を取れる可能性もあります(満点を取るためには解答力も必要です)。

  • 1つ目の妖怪の話から、先入観の怖さ
  • 2つ目の恋愛の話から、勘違いの怖さ
  • 3つ目のバカの話から、ズレの怖さ

が理解できたでしょうか。 この3つの恐怖をなくしてしまいましょう。

では、どうすれば、その3つの恐怖をなくすことができるのでしょうか。

今からそれについてお話しします。

“先入観”をなくす方法

先ほどの話を思い出してください。

どうすれば、猫を妖怪と見間違わずに済んだと思いますか?

カンタンですね。

「この世に妖怪なんかいない!」 「だから、怖くない」 と思えばよかったのです。

考え方をガラッと変えるわけです。

今までとは別の見方をするのです。

そうすれば、妖怪なんか見ずに済んだのです。

墓場で妖怪らしきものを見ても、瞬時に「猫だ」とわかったはずです。

入試現代文において、問題文を誤解して読んでしまうのは、スキーマがとぼしいからです。

そういう人は、だいたい主観で現代文を読もうとします。 主観というのは、自分1人だけの考えです。

ですから、主観で現代文を読んだら間違います。

現代文に限らず、古文も漢文もです。

主観で読んだら間違います。

だから、必ず"客観"で読むことです。

客観というのは、主観から独立した普遍的ふへんてきな考えのことです。

主観におちいるのは、さまざまな解釈、考え方、ものの見方を知らないからです。

知らないために、1つの解釈、浅い解釈しかできないのです。

現代文で点をとるためには、あなたがどう思いますか?という感想ではなく、登場人物はどのように感じていたのか?というような客観的な読解が必要になります。

特に、このときの登場人物や主人公の気持ちはどういうものだったのかというのは、ほとんどの問題に共通して出てくるので、その見抜き方を知っておきましょう。

例えば、その登場人物はその前後で どういったセリフを使っていたのか? どういった行動をとっていたのか? そのときの天気はどうだったのか? それはどこで言ったのか?

そういった情景をセットみることで、その登場人物の気持ちも分かってくるのです。

行動にしてもそうです。

「泣いている」と書いているからといって、悲しいのか嬉しいのかは、前後関係とセットで見抜く必要があります。

このように客観的視点を持って、さまざまな解釈、考え方、ものの見方を知ることができれば、問題文を誤解する可能性は少なくなります。

スキーマをきたえれば、誤解をしなくて済むようになるのです。

“勘違い”をなくす方法

再び、先ほどの恋愛の話を思い出してください。

どうすれば友達の話を勘違いせずに済んだのでしょうか?

これもカンタンですね。

しばらく話の成り行きを見守っていればよかったのです。

あの段階では、情報が少なすぎました。

もっと情報が増えた段階で、いったい何の話題なのかを文脈判断すればよかったのです。

入試現代文においても、問題文の意味を勘違いして読んでしまうのは、話を最後まで読んでいない(聞いていない)からです。 文脈力が弱いのです。

スキーマと文脈力との間には、次のような公式が成り立ちます。

スキーマ × 文脈力 = 筆者の言いたいことが『わかる』

この公式は、かけ算です。

ですから、スキーマがゼロでも、文脈力がゼロでも、結果はゼロになってしまいます。

たとえ99%正しく読めていたとしても、残りの1%で勘違いしてしまえば、とんでもない点数になってしまうことがわかりますね。

筆者の言いたいことが「わかる」ためには、スキーマと文脈力の両方が必要なのです。

“ズレ”をなくす方法

もう一度、先ほどのバカの話を思い出してください。

どうすれば、ケンカにならずに済んだのでしょうか? 答えはすでに言いましたね。

「前にこういうことを言ったから、いま、このことを言っている」というのが文脈です。

話と話のつながりがわかれば、文脈から生まれるズレはなくなります。

これを入試現代文に応用してみるとこうなります。

問題文を誤解して読んでしまうのは、「文と文のつながり(文脈)を見失うから」です。 つまり、つながりを追う練習をすれば、文章を読むうえでの誤解はなくなるのです。

文脈力を鍛えましょう!

現代文をマスターする具体的な対策

現代文対策の流れは、次のとおりです。

  • 序盤:語彙ごい力をきたえる
  • 中盤:文脈力・スキーマ力を高める
  • 終盤:解答力を高める

現代文を得意にするためには、最終的に、「3つのちから(スキーマ力・文脈力・語彙力)+ 解答力」が必要とされます。

3つの力が潜在意識にセットされた状態のことを、南極流では、現代文脳げんだいぶんのうといいます。

この「現代文脳」が目覚めた状態で、バンバン問題演習をしていくと、解答力がみがかれて、どんどん偏差値がアップします。

序盤では、まず、語彙力(漢字、現代文用語)を高めていきます。

[序盤]語彙力を鍛える

南極流では、序盤の勉強を特に大切にします。

序盤をちゃんとやらないと、中盤・終盤で伸び悩みます。

知識の種を育てる以前に、まずは脳の中に"知識の種"をかなければなりません。 序盤に必要な"知識の種"は、

  1. 漢字 
  2. 現代文用語

です。

「漢字なんて配点が低いから勉強する必要はない」

「漢字なんか勉強するよりも、読解の勉強をしたほうがよい」

と言う人がいるかもしれません。

たしかに、共通テストで漢字の配点は200点中10点しかありません。

漢字が完ぺきでも、たったの10点しかもらえません。

だからといって、漢字をなめてかかると、ダメージは10点どころではありません。

語彙力は、現代文の基礎です。 語彙力は、本文の読解にも大きく影響します。

それに、漢字1問のミス(2点)で泣く受験生は、全国で毎年8万人もいます。 実際、私の友人は、京都大学を1点差で落ちました。

漢字が、あと1問正解できていたら、彼は京大に合格していたのです。

「(点数を)とれるところで着実にとっておく」というのが、合格うかるための定石じょうせきです。

この定石は、疑いようがありません。

現代文に限らず、全教科に共通する定石でもあります。

ですから、漢字・現代文用語の暗記については、中盤~終盤になって慌ててやるのはいけません。

必ず、漢字・現代文用語は、序盤で半分以上終わらせておきましょう。

おススメしたいのは、この問題集です。

大学入試受かる漢字・用語パピルス1467 (大学受験Vブックス新書)
出口 汪

学研

売り上げランキング: 112,980

これは、とにかく素晴らしい教材です。

そのワケは、4つあります。

  1. 漢字の意味もしっかりっているから。
  2. 現代文用語も載っているから。
  3. 重要外来語も載っているから。
  4. 入試で問われそうなことは、ほとんど載っているから。

パピルスの使い方

序盤では、10ページから156ページ(PART1・2)までを完ぺきにマスターしてください。

それ以上やる必要はありません。

潜在意識にとってもマイナスです。

よく「漢字が覚えられない」とこぼす受験生は、ほとんど次のようなやり方で勉強しています。

まず、10ページと11ページを覚えます。

翌日は、その次の12 ページと13ページを覚えます。

そしてその翌日は、その次の14ページと15ページを覚えます。

どんどん新しいページにとりかかっていくのです。

このやり方では、数カ月後、「1冊、終わった!」というときに、その中の99%を忘れてしまっていることになるでしょう。

これではまったく意味がありません。

意味がないどころか、「せっかくやったのに、ぜんぜん覚えていない・・・」という悲しい思いとともに、「どんなに努力してもダメ・・・」というマイナスの暗示が、潜在意識にかけられてしまいます。

では、どのような方法だとよいのでしょうか?

今から、とっておきの方法を紹介します。

もう心配なし!絶対忘れない覚え方

次のように覚えていくのが、南極流の覚え方です。

たとえば、毎日2ページずつ覚えていくとすると、10ページから156ページまでは約2カ月半で完了です。

10ページと11ページを覚えた翌日は、まず10ページと11ページを復習してから、12ページと13ページを新たに覚えるようにするという方法です。

そしてその翌日は、また、10ページから13ページを復習してから、14ページと15ページを覚えるようにするのです。

そうすると、5日目には、すでに10ページと11ページを5回も反復練習したことになります。

12ページと13ページは4回、14 ページと15ページは3回、それぞれ反復練習したことになります。

そして、約2カ月半後には、10ページと11ページを70回以上も反復練習することになります。

「そんなこと本当にできるんですか?」と思うかもしれませんが、次のようにやれば、必ず、誰でもできます。

1回目 赤字のところを実際に紙に書いてみる。 正解したら□にチェックを入れる。
2回目 赤字のところを実際に紙に書いてみる。 正解したら□にチェックを入れる。
3回目 問題文ごと、ブツブツと声に出して読む。 2回とも不正解だった漢字に特に注目!
4回目 問題文ごと、ブツブツと声に出して読む。 2回とも不正解だった漢字に特に注目!
5回目 全文、黙読。目で追う。チェック! 出口メモも見る。 2回とも不正解だった漢字に注目!
6回目 以降、5回目と同じ。 ただし、回数に比例して、目で追うのを速める。

こうすれば、10回以上見たページは、1ページあたり10秒〜20秒ぐらいでサーッと見られるようになります。

20回以上見たページは、1ページあたり10秒以内で見られます。

この練習で、速読力も身につきます。

おそらく、50回以上見ても覚えられない漢字は、ほとんどないはずです。

もしあれば、音読するか、紙に書いて覚えるようにしましょう(最終手段です!)。

そもそも漢字は、英単語と同じように、文中で覚えるのがいちばんなので、

「キョコウ=虚構」

というように覚えるよりも、たとえば、

「現実を踏まえてキョコウに至る芸術には、すべて一見矛盾した性格がある」

というように、文とセットで覚えるようにすべきです。

「ゲンジツヲフマエテ、キョコウニイタルゲイジュツニハ、スベテイッケンムジュンシタセイカクガアル」

これを何十回も読むうちに、語彙力が格段にアップします。

何度も同じことを繰り返し行っていると、脳に専用の神経回路ができ上がり、情報伝達がスムーズになり無意識にそのことが行われるようになるからです。

成績を上げるカギは〝現代文脳〞の開発

人間、焦ると、ろくなことはありません。

野球のピッチャーなら、焦ると打たれます。

テニスの選手なら、焦ると、ボレー、サーブをミスします。

デート中に焦ったりすると、だいたい相手に嫌われます。

では、なぜ焦るのかというと、自分をちょっとでも良く見せたいからです。

焦る受験生はテクニックに走ります。

自分には実力がない、だからちょっとでも高い点数を取ろうとして、焦るのです。

実力をつければいいだけなのに、手っ取り早く点数を取ろうとするから、かえって頭に入らないのです。

これが、さらなる悪循環あくじゅんかんを呼びます。

「この問題は、どうやったらラクに解けますか?」

「とにかく、テクニックが知りたいです!」

現代文のテクニックは、いろいろあります。

どんなテクニックがあるのかは、市販の教材を2、3冊勉強すれば、知ることができます。

しかし、ハッキリ言いますが、テクニックなんか覚えても、あることができていなければ、たいして成績は伸びません。

特に、現代文に"苦手意識"を持っている人は、テクニックを勉強しただけでは成績が上がりません。

それはなぜでしょう? 

一言で言うと、"現代文脳"が目覚めていないからです。

"現代文脳"とは、南極流で、3つの力(スキーマ力・文脈力・語彙力)が潜在意識にセットされた状態のことをいうのでしたね。

"現代文脳"が、まだ目覚めていない状態では、どんなに多くの問題練習をしても、どんなにわかりやすい授業を聞いても、残念ながら、たいして成績は上がりません。

現代文の知識・テクニックを"水"にたとえると、それはまるで、ザルで"水"をすくうようなものだからです。

ザルではなく、ちゃんと"水"をためられる器を作るために、序盤では、まず、基本的な現代文の語彙力を高めました。 『受かる漢字・用語パピルス1467』の10ページから156ページを南極流のやり方で完ぺきにしました。

中盤でも、引き続き、この本の158ページから264ページまで(PART3・4、特別講義)を、同じやり方で覚えていきます(10ページから156ページで不完全なところは、完ぺきに身につくまで、何十回もパラパラと見続けるようにしましょう)。

それをやりながら、中盤では、いよいよ文脈力と、スキーマ力を高めていきます。

[中盤]文脈力・スキーマ力を高める

入試現代文の「スキーマ」をイメージすると、クモの巣のたて糸のようなものです(よこ糸は文脈です)。

「スキーマ」と「文脈」が最高に高められた状態では、現代文の知識・テーマが、まるでクモの巣のように"脳内"に張りめぐらされています。

そこでは、いかなる問題文でも、「スキーマ」と「文脈」というクモの巣に引っかかる状態になっているのです。

こうなると、問題文を読んでも、内容がわからないとか理解できないということが、ほとんどなくなります。

スゴイと思いませんか?

「スゴイと思いますけど、実感がわきません」と、不安に感じた人もいるかもしれませんね。

でも、大丈夫。 南極流のトレーニングを続けていけば、必ず、そういう状態になれますから。

もちろん、いきなりそんな状態にならなくてもいいのです。

まずはクモの巣を作る前に、"クモの糸(縦糸と横糸)〟を十字に組むことから始めましょう。

クモの糸がいっぱい集まってクモの巣になるのですから、まずは"クモの糸"を十字に組むワザが必要なのです。

それは、どういうワザなのでしょうか?

現代文の語彙ごい(漢字・用語)は、いわば「・」(点)のようなものです。

バラバラの「・」(点)があっても、それらが「つながって」いないと、現代文は正しく読めません。

成績も上がりません。

「・」(点)どうしがつながって「―――」(線)になります。

「―――」(線)とは何でしょうか? "クモの糸"のことです。

そして、これこそが、「スキーマ」と「文脈」です。

"クモの糸"から始まって、いつか"クモの巣"になるんですからね。

中盤以降は、「・」(点)を「―――」(線)にすることが目標です。 "クモの糸"を十字に組むために、まず仕上げてもらいたいのが、「田村のやさしく語る現代文」という参考書です。

問題文を含めても、150ページぐらいしかありませんから、1週間で1回できます。 これを3回以上繰り返してください。

要するに、この教材に書いてある内容を、すべて頭の中にコピーすればいいのです。

しつこく、しつこく読んで、すっかり頭の中に写し取れてから、次に進んでください。 いいですか、必ずですよ。 必ず写し取れるまで、繰り返し、繰り返し読んでください。

この完ぺきに仕上げた教材が"クモの糸"を十字に組むワザとなります。

田村のやさしく語る現代文』には、"現代文脳"に目覚めた田村さんの考え方が100%、うつっています。

それをあなたの頭の中に写し取ることで、"現代文脳"に目覚めた田村さんの考え方をまるごと、思考回路ごと、あなたの頭にうつすという作戦です。

その作戦を成功させるには、次の3つの条件をかねそなえた教材が必要です。

  1. ページ数が少ないこと
  2. 説明が簡潔でわかりやすいこと
  3. 筆者の思考回路が、100%、映っていること

3つ目の条件を満たす教材を見つけるのが、なかなか大変です。

そんな中、南極老人がありとあらゆる現代文の教材(373冊)を調べた結果、その条件をいちばん満たしているのが、『田村のやさしく語る現代文』でした。

どうぞ安心して、この教材を、あなたの頭に移してください。

きっと、ものすごいことになりますから。

まずミスターステップアップで「田村のやさしく語る現代文」を紹介している理由は、多くの受験生の現代文の成績があがっていないからです。

もともと得意な人は得意、苦手な人は勉強してもまったくあがらない。

この理由は、「現代文とはなんなのか」を教えてくれている先生や参考書が、はっきり言って「田村のやさしく語る現代文」以外にないからです。

逆に言えば「田村のやさしく語る現代文」は高校1年生からでも始められるように書かれていて、南極老人も非常に素晴らしいとほめています。

肝心の使い方は、第一部「現代文の基礎を身につけよう」から読んでください。

読みやすい口語表現の説明文ですので高校1年生からでも始められます。

【レビュー】『田村のやさしく語る現代文』

現代文で大事な

  • 指示語
  • 接続詞
  • 助詞

に注目することによって、傍線部の根拠をたどれます。

第一部で以上の理論を学んだうえで、別冊の問題5問をやってください。 5問しかありません。

本気でやれば、第一部を3回読んで、問題を1日1問やれば「田村のやさしく語る現代文」は1週間から2週間で終わります。

高校生で土日しか現代文をやる時間がなくても、1~2か月で終わります。

ただし、この5問を徹底的に理解することが大事です。

知らない言葉があれば辞書を引いてください。

自分の苦手なテーマがあれば周辺知識も調べましょう。

そして1番大事なことは「セルフレクチャー」することです。

セルフレクチャーについては、

最強の復習方法「セルフレクチャー」とは?やり方を徹底解説!

で別途詳しく解説しています。

自分で自分に教える。

わかりにくければ、中学3年生や高校1年生の弟や妹をイメージして教えてあげてください。

現代文が苦手な人は、とにかく「なんで?」が多いです。 この問の答えは①だよと教えたら、「なんで?」と聞いてきます。 ここに根拠が書いてあるからだよと教えたら、また「なんでそこを見るの?」と聞いてきます。

ここには指示語や接続詞があって・・・と、論理的かつ客観的に説明できればOKです。

一問ずつ「正解の理由」「まちがいの理由」を答えていってください。

たった5問ですが、型を身に着けていけば、自然と成績は上がっていきます。

反対に、型を身に着けずにいくら授業を聞いたり、問題集をやったりしても、成績は上がりません。

型があれば入試問題でも、「自分の身につけたどの問題に近いかな?」と考えられるので、それまでの勉強が活きてきます。

大事なのは、田村さんの感覚をコピーすることです。

田村のやさしく語る現代文」の5問に関しては、「田村さんに成り代わって問題をみんなの前で授業してください」と依頼が来ても堂々と授業ができるくらい、日々反復してほしいと思います。

「できるとき」と「できないとき」の差が激しい理由

現代文の成績にムラがあるのは、語彙をつなげて"クモの糸"(「スキーマ(既に持っている知識)」と「文脈」)が網羅もうらされていたとしても、"クモの巣"になってないからです。

"クモの糸"に引っかかったときは点数が良くて、引っかからなかったときは点数が悪いのです。

現代文の成績を安定させるためには、大学受験というわくの中で、"クモの糸"を網羅して"クモの巣"を作る必要があります。

「大学受験という枠の中で」というところがポイントです。

広大こうだいな知性の枠ではなくて、「大学入試の現代文」という小さな枠の中で網羅すればいいのです。

そのためには何をすればいいのでしょうか? それを今から教えます。

〝クモの巣〞の作り方

南極老人は、「大学受験という枠の中で」ということを、よくおっしゃいます。

この言葉の意味が100%理解できたなら、あなたの受験勉強は、半年以内に仕上がるでしょう。

たとえば、本気で、テレビに出てくる知識人、評論家並みの"クモの巣"を網羅しようと思ったら、本を1万冊ぐらい読破したり、新聞をすみから隅まで、3年以上、毎日読み続ける、これぐらいのことが必要でしょう。

もちろん、受験生には100%不可能です。 あまりにも広大な"クモの巣"の獲得を目標にしたら、入試では必ず失敗します。

それどころか、大学の勉強に首をつっこもうとするだけで成績は急降下します。

実際、南極老人は、全教科の、いかなる質問にも丁寧に答えておられますが、

「『ファインマン物理学』を読むといい、って聞いたんですけど、読むべきですか?」

「化学の、グルニャール反応について教えてください」

偏微分へんびぶんのやり方を教えてください」

「『TIME』を読んだほうがいいですか?」

「レトリックを勉強すれば、現代文がもっと得意になれますか?」

というような生意気な質問は、

「必要ない。そんなことをやるヒマがあったら、もっと反復練習しなさい」

一喝いっかつされてしまいます。

南極老人自身が受験生だった頃、そういうことに興味を持ちすぎて、散々痛い思いをされてきたからです。

一喝することが思いやりなんですね。

では、この「大学受験という枠の中で」現代文の"クモの巣"を作るには、どうすればいいでしょう?

結論から言います。

30題でいいです。

現代文の問題文を、徹底的に、理解し尽くしてください。

そこに含まれる語彙、スキーマ、文脈を徹底的に吸収し尽くしてください。

"理解し尽くす"というのは、問題文の内容、筆者の言いたいことが、誤解なく「わかった」と言えることです。

"吸収し尽くす"というのは、文中にふくまれる語彙、スキーマ、文脈ごと、あなたの頭の中に、写し取ることです。

「たったの30題で、本当に現代文の"クモの巣"ができるんですか?」と思われるかもしれませんが、もちろん大丈夫です。

現代文の話題は無限にあるように見えますが、実は、大学受験という枠内では、たかだか10種類ぐらいしかありません。 だから30題でも、"やり方"しだいでは十分です。

ただし、"やり方"を間違うと、当然のことながら、成績は伸びません。

ただ漫然まんぜんと問題を解いているだけでは、100題でも足りません。

「入試問題を100題も解いたけど、たいして成績は変わらなかった」という受験生はザラにいますから。

消去法はNG!? 共通テストで満点を取る解き方

3つの力(語彙力・文脈力・スキーマ力)が、潜在意識にセットされた状態を、南極流では"現代文脳"と呼びます。

3つの力が、習慣化された状態ともいえます。

だから、"現代文脳"が目覚めた状態で問題演習すると、解答力が磨けるのに比例して、偏差値60→70→80・・・というように、(良い意味で)ヤバイ状態になります。

マーク式も記述式も、どちらの形式でも解答に迷わなくなります。

「マーク式も記述式も、根っこのところでは同じであり、問題文を"誤解せずに"読んで、筆者の言いたいことをつかむだけ。 設問にしたがって、問われたことに対して"誤解のないように"答える」というシンプルな考えに行き着けば成功です。

南極老人は、センター試験の国語で、6年連続満点を取りました。

「6年連続で満点って!?」と、驚かれるかもしれませんが、南極老人にとってはフツーのことです。

そもそも南極老人というのは、若い頃から、かなり変わっていて、普通の人が決してしないようなことを、平気でしてしまう方なのです。

そのため失敗経験も、人の何十倍もあるのですが、その失敗のおかげで、この南極流勉強法というものが完成したわけです。

南極老人は、ほとんど趣味で、センター試験を9回も受験していました。 その結果、センター国語における満点のコツを完全につかんでしまったのです。

南極老人の伝説の授業(南極流国語)を聞いたことのある人は、みな、"目からウロコ"で、それはまるで手品でも見ているようだった、といいます。

もちろん、伝説の授業(南極流国語)が手品と違うところは、すべて"タネあかし"されるというところです。

それは、満点の"タネあかし"です。

その共通テスト国語における満点のコツとは、解答の"一本釣り"です。

マーク式のテストでは、選択肢が①②③④⑤というふうに5つ並んでいて、「その中から正解を選べ」というタイプのものが多いです。

普通は、正解の選択肢を選ぶときに、

「①は前半のところが違う。  ③は後半のところが違う。  ④は本文中に書いていないから違う。  ②と⑤はどっちも正しそうだが、  どっちだろう・・・。  ②かな?  いや、⑤かな?」

というふうに、消去法で解答の可能性の低いものから消していきます。

残された2つの選択肢をよく吟味ぎんみして、より正解の可能性の高いほうの選択肢を選ぶのですが・・・。

これがなかなか難しい。

なぜなら、この選択肢は心理学的に作られていて、受験生が不安になればなるほど迷うようにワナがしかけられているからです。

だから、「②かな? ⑤かな?」と迷い出したら、ドツボにはまります。

しかし、南極老人の解き方は違います。

問題文を読み、選択肢を読むと、正解が目に飛び込んでくるという方法を編み出したのです。

「答えが目に飛び込んでくるなんて、信じられない!」と思うでしょうが、まあ、話を最後まで聞いてください。

あなたは、テレビの『開運!なんでも鑑定団』という番組をご存じでしょうか?

鑑定者は、いろいろな美術品のホンモノとニセモノを瞬時に見分けます。

そういう「目利めきき」ができるようになるまでには、数多くの"ホンモノ"を見て"見分ける目"を養わないといけません。

それと同じです。

正解が目に飛び込んでくるというのは、逆に言えば、受験生が迷うように作られた選択肢(=ニセモノ)を瞬時に見抜き、正解の選択肢(=ホンモノ)を"一本釣り"しているのです。 それは、このような感じです。

問題文を読む

→ 誤解なく読み取ろうとすると、「ここの部分は、筆者の説明の仕方にちょっと無理があるなぁ」と思うところが数カ所ある。

→ 入試問題というのは、1冊の本の中のわずか1~2ページを切り取った部分だから、その1~2ページだけで100%完結した内容は書かれていない(もともと無理がある)。

→入試問題では、そういうちょっと無理があるところに、わざわざ設問をしかけてくる。

→だから、受験生は「難しい」と感じる。

→ そこを逆手さかてにとって、「無理があるなぁ」という違和感いわかんに対して、「こう考えれば、話が自然につながるよね」という風に違和感を解消してくれるような選択肢が正解になる!

→ あっ、この選択肢は、本文を読んでいて自分が感じた小さな違和感を解消してくれているように見える。だからマルにしよう。

→正解!

というように"一本釣り"するのが南極流です。

ただし、正解の「目利き」が、一瞬にしてできるようになるには、相当なトレーニングが必要です。

いきなりは無理でしょうが、まずは必要なステップを踏んでください。

では、共通テストをはじめ、大学入試で正解の「目利き」ができるようになるには、どうすればいいのでしょうか?

  1. 語彙力を高める 
  2. スキーマ力を高める
  3. 文脈力を高める 
  4. 問題演習して、解答力をつける 

要は、"現代文脳"を目覚めさせ、文章の誤解をできるかぎりゼロにすることです。

文章の誤解がゼロに近づけば近づくほど、正解の「目利き」ができるようになります。

「目利き」ができる人は、数多くのホンモノを見て"見分ける目"を養っている、と言いましたが、一番の近道は、ホンモノを自分で作ってみることです。

ホンモノの美術品を作る、となると並大抵なみたいていではできませんが、現代文の正解(ホンモノ)は、あるトレーニングを積めば、誰にでもできるようになります。 そのトレーニングについてお話ししましょう。

〝現代文脳〞を目覚めさせる勉強法

まず、現代文の"クモの糸"を作るために最も効果的なのが、『田村のやさしく語る現代文』を、1冊まるごと頭の中に写し取る方法でした。

次に"クモの糸"(縦糸と横糸)を十字に組むところから"クモの巣"に発展させるには30題でいいですから、現代文の問題文を徹底的に理解し尽くすことです。

現代文を勉強するうえで、気をつけて欲しいことがあります。

それは、現代文はほかの教科とは異なり、一度答えを知ってしまうと、反復する気がなくなることです。

そのため、単に現代文の問題を解くだけなら、いったん正解を知ってしまうと、それ以上考える気にはならないのです。 人は答えを知ってスッキリすると、すぐに興味がなくなってしまうからです。

あなたにもこんな経験がありませんか?

クイズ番組を見ていて、「正解はCMの後で」と言われます。

クイズの答えがわからないときには、あなたの"脳"は必死に答えを探しています。

しかし、いったん正解を知ってしまったら、「なーんだ」ということで興味がなくなり、あなたの"脳"は答えを探すのをやめてしまいます。

これと同じことが、潜在意識の中でも起きているのです。

あなたが問題を解いている最中は、正解がわからないから、潜在意識はひたすら答えを探します。

しかし、いったん正解を知ってしまうと、潜在意識は安心しきって、答えを探すのをやめてしまいます。

しかし、潜在意識を安心させてはいけません! 潜在意識を眠らせてはいけません!

あなたの"現代文脳"がもっともっと賢くなるためには、答えを探し続けなければならないのです。

なぜなら、あなたの"現代文脳"を賢くしてくれるのは、正解を知ったときの安心感ではなく、問題を考えている最中に感じる、あの「はがゆさ」「じれったさ」だからです。

ここで南極老人の教え子であるあずま君のエピソードを紹介します。

東君が南極老人の塾である大学受験塾ミスターステップアップに入塾したのは、高校3年生の5月でした。

入塾するまではバスケ部に所属しており、勉強は、ほとんどと言っていいほどしていません(テストもいつも赤点ギリギリでした)。

そんなボロボロの成績だったにもかかわらず、東君は早稲田大学に行きたいと思っていました。

もちろん周囲からは、「そんなのムリ。もっと低いランクの大学を目指しなさい」と言われたのですが、東君は絶対に早稲田大学に合格してやる!と決意していました。

東君は、比較的成績の良かった現代文をもっと得意にしたいと思い、南極老人に現代文の勉強法について相談しました。 南極老人は次のように答えたそうです。

「現代文の力をアップさせるための秘法。 それは思考連続法である。 志望校の問題を毎日寝ても覚めても考え続けることだ。 そうすれば"現代文脳"が目覚める」

そこから東君の思考連続法が始まりました。 まずは早稲田大学の過去問をコピーし、それをノートに貼ったり、縮小コピーしたものをポケットにしのばせて、1日中、問題を考え続けるようにしました。 あとはひたすら考え続けるのみです。

移動中や寝る前など、スキマ時間も活用しながら、1週間ほど毎日見続けていると、問題文も設問もだいたい頭に入ってきました。

「もうこれ以上ムリだ」という限界を超えるところまで考え続けました。

「この設問は完ぺきな解答を作ることができた」、そう思ってからも、さらに考え続けました。

すると、普段の生活の中でも、問題を気にするようになってきたのです。

これは潜在意識が働き始めた証拠です。

こうして潜在意識と一緒に考えているときが、現代文の力が一番身についているときなのです。

思考連続法を続けること3カ月、その日は突然やってきました。

これまで3カ月間、毎日考えても全く手がつけられなかった問題の答えが、頭の中をよぎりました。

「まるで雷が落ちたような大きなショックだった」と東君は言います。

それ以来、東君の現代文の成績がうなぎのぼりに上がっていったことは言うまでもありません。

驚くことに、現代文の成績だけでなく、英語も古文もあっという間に上がっていきました。

思考を連続させることによって、脳の中につながった知識ができ上がると、ほかの教科の成績も上がってくるのです。

東君は早稲田大学の3つの学部を受験しましたが、なんと3回の入試すべてで早稲田現代文を全問正解しました。

もちろん早稲田大学の合格を手にすることができました。

ここでいちばん大切なこと(南極流の真髄しんずい)について、お話ししておかなければなりません。

それは、「思考を連続させる」ということです。

2、3カ月の間、ひっきりなしに、思考を連続させることが最も大切です。

逆に言うと、思考を連続させないと、やる意味がありません。

現代文の正解を見たときに成績が上がると勘違いしている受験生がいますが、現代文は知識よりも思考力を必要とする教科です。

正解をどれだけ見ても頭が良くなることはありません。

そうではなく、正解を求めて、思考を連続しているときに頭が良くなっているのです。

[終盤]解答力を高める

現代文の成績を上げるために、問題演習を通して、解答力を高めましょう。

共通テストにのみ国語が必要な人は、さっそく共通テスト・過去問を解き始めてください。

現代文に関しては、共通テスト予想問題集(河合塾の黒本、駿台の青本、代ゼミの白本)での練習は、それほど必要ありません。

共通テスト対策には、共通テストの過去問が一番です。

そこで、過去問を完ぺきに理解するためのとっておきの方法を紹介します。

まず同じ過去問を2冊用意してください。

収録年数が多い赤本(教学社)か黒本(河合出版)がおススメです。

1冊は書き込む用として使い、問題を解くときや解説を読んで気づいたことなどあれば、どんどん書きこむようにしましょう。

それぞれの問題に対して正解に至るまでのプロセスを答えられることを目標にします。

もう一冊はテスト用として使い、何も書き込みません。

完ぺきに理解したと言える状態になれば、何も書き込んでいないテスト用の過去問を使って、本当に正解に至るまでのプロセスをスラスラと答えられるか確認してください。

このトレーニングを少なくとも10年分完ぺきにやり切るようにしましょう。

すると、本文のどこが大事なのか、正解の選択肢をどのように選べば良いのかという感覚を会得えとくすることができます。

二次・私大に現代文が必要な人は、志望校の赤本(過去問)を解いてから、自分の志望校に合う対策をしてください。

おすすめ参考書・問題集

ここで、現代文のおススメ教材を紹介しておきます。すべて良書です。

しかし、あなたとの相性や志望校の過去問の相性もありますから、自分自身の"目"で選ぶようにしてくださいね。

大切なのは、解説を読むことではなく、正解を考えることです。

また、自分の書いた解答が正解とどのように異なるのかをチェックすれば、解答力が自然と身についてきます。

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