立命館大学(文)・龍谷大学☆合格☆高野裕月さん「自分を受け止めてもらえている安心感があったから、最後まで挑戦できた」

 

 

ダメダメな自分を見せるのが怖かった

実は、わたしは一度塾を辞めて、再入塾して受験をしました。

はじめは、高校2年生の夏に、親に勧められて入塾したのですが、

もともと何ごとも中途半端に挫折してしまうクセがあって、

高校も中退し、家にもいたくなくて、

逃げるように塾の近くで一人暮らしをしながら通っていました。

正直、受験勉強も、

「誰かに認められたい」「褒められたい」という承認欲求でやっていたのですが、そういう思いで始めた勉強は長続きせず、

ある日プツンと糸が切れたように勉強できなくなって、

家に引きこもってしまいました。

そんなダメダメな自分を見せるのが怖くて、

こんな自分は受け入れてもらえないと思い込んで、

なかなか塾に行けなかったのですが、

先生やスタッフの方々が、心配して家まで迎えに来てくれることもありました。

先生たちも、何度もわたしが変われることを信じて話してくれて、

時には本気で叱ってくれることもあったのですが、

私にはまだ受け入れる覚悟ができてなくて、結局、途中で塾をやめることに。

ですが、塾をやめると先生方に伝えたときは、

最後の最後まで、真剣に話してくださって、

わたしの未来を心から応援してくれて「がんばれよ!」と、

送り出してくれました。

そのときわたしは、何かすごく大切なものを、

自分から突き放してしまったような気持ちになりました。

「やっぱりここしかない!」と再入塾

転機になったのは「勉強合宿」だった

そこからしばらく、勉強もせず実家に引きこもっていたのですが・・・

何をしてても、ずっと闇の中にいるような気がして、苦しんでいました。

すると、たびたび夢の中で、また塾に入る夢を見て、

先生たちがまたチャンスをくれて、頑張って勉強している自分の姿が出てきました。

そこから、

「自分の人生に本気で向き合ってくれたのは、塾の先生たちだったんだ」

「私の人生の道筋を指し示してくれるのは、やっぱり塾しかない」

と、気づいて、半年後に、また塾に戻ることを決めました。

塾に戻るのはすごく緊張したけど、

先生方は、まるで家族のようにあたたかく迎え入れてくれました。

でも、私はすぐに変われた!というわけではなく、

距離が近づくたびに逃げ出しそうになっていたのですが、

ひとつ転機があったのは、「4泊5日の勉強合宿」でした。

大自然に囲まれて、一つ屋根の下でみんなと勉強したり、

ご飯を食べたり、掃除をする中で、

「自分は本当にたくさんのものをもらってるな」

「これだけ与えてもらってるから、私も挑戦しよう!」

と思えてきて、17時間勉強にチャレンジして、達成することができました。

今までは、褒められるために勉強していたから、

やったあとは虚しくなっていました。

でも、初めて「もらった愛情に打ち返したい!」という思いで勉強ができたとき、すごく心が晴れやかで、満たされた気持ちになりました。

その後、みんなで焚き火を囲んで話していたときに、

先生たちが塾生一人ひとりに対して、真剣に話を聞いて、

激励してくれている姿を見て、

「ここの先生たちは、本気で、人生かけて私たちに向き合ってくれてるんだ」

と心の底から実感したときに、涙がでてきました。

そんな先生たちに対して、

ずっと疑って、距離をとっていたことがすごく申し訳なくて

「ごめんなさい」と謝ったときに、

「いいよいいよ、戻ってきたんだから」と背中をポンポンと押してくれて、

純粋に、勉強を頑張ろうと思えるようになりました。

ダメな自分も、情けない自分も、

全部受け入れてもらった

だけど、また事件が起きてしまいます。(笑)

家族以外の人を信じたり、距離が近くなったりすることが初めてで、

どうしていいかわからなくなって、

次第にまた先生たちから逃げるようになってしまいました。

「ああ、また去年の負けパターンにハマってる・・・」

自分でも自覚はあるものの、どうしても乗り越えられませんでした。

それでも、先生やスタッフの方は諦めずに、家まで迎えにきてくれたり、

たくさん話してくれて、

共通テストの日は、合格弁当まで作ってもらって、

「ここで逃げたら、一生後悔するな」と思って、なんとか受けることができました。

ただ、気持ちは全く入らず、点数も奮わずで、

また自分を責めてしまい、引きこもる日々に逆戻り。

合格した先に、何があるんだろう・・・

もし受かって塾を卒業したら、自分の居場所がなくなるんじゃないか・・

受験が終わったら、先生たちとも関われなくなる・・

私はまた一人になる・・

そんな不安でいっぱいになって、受験から逃げたくなっていたんです。

そして・・・

私大の受験が始まった2月。

ずっと引きこもっていたわたしを、

スタッフの方が迎えにきて、塾に連れていってくれました。

「きっとこれが、最後のチャンスかもしれない」

と感じた私は、今思っていることを、先生たちに伝えました。

こんなネガティブなことを言ったら、見捨てられるかもしれない。

呆れられるかもしれない。

そんなことを思いながら話していましたが、

先生たちは、あたたかい眼差しでじっと静かに聞いててくれました。

そして、ずっと伝えたくても、言えなかったこと

「今までたくさんお世話になったのに、最低なことをしてごめんなさい。

それでも私のことを諦めずに向き合ってくれて、ありがとうございます。

こんなダメダメな状態だけど、変わりたいです。助けてください」

と、はじめて言葉にすることができました。

どんなにダメダメな自分も、すべて受け止めてくれたときに、

ほんとに変わろうと心の底から思えました。

ラストスパートの1週間は、逃げたくなる気持ちも強まって、

今までならそれに負けてしまっていたけど、

そういう弱気な気持ちも素直に話せたり、

情けない自分も、塾のみんなは受け入れてくれるという安心感から、

諦めずに最後までやり抜くことができました。

「合格するぞ」という気持ちよりも、

最後の最後まで諦めずに勉強と向き合うことに、命がけで取り組みました。

結果として、受験した4校はすべて合格することができましたが、

自分の力でやったとは全く思えなくて、塾の先生や、たくさんのスタッフの方々、そして、南極老人のおかげでした。

きっと世の中には、自分はどうせダメダメだ、クズだ、と責めてしまって、

無気力になってしまう人が多くいると思います。

私もそんな一人だったけど、たまたま塾に巡り会えて、

たくさんの愛情を注いでもらったおかげでここまで変わることができたのは、

本当にありがたいなと思います。

なので、大学に進学したら、次は私が、塾でたくさんいただいたものを、

伝えていく側になりたいと思います。

 

裕月ちゃんが使っていた教材