こんにちは。ミスターステップアップの村田明彦です。
今回は、化学の勉強法について解説していきたいと思います。
化学初心者の受験生から東大・京大などの最難関大学を目指す受験生まで、幅広く参考になる勉強法を解説していきます。
ぜひあなたも、ここで紹介している化学の勉強法を参考にして、化学を得意分野にし、グンと成績を伸ばしましょう!
1.受験化学の性質と他の理解科目との比較
化学という教科は一番得点源になりやすい教科なので、絶対得意にするのがおすすめです。
なぜかというと、化学は高得点を取れるようになれば、生物や物理と違って安定しやすくなる教科、一番極めやすい教科だからです。
たとえば、生物はいくら暗記しても暗記しないといけない量は多く、入試で問われる範囲は結構膨大にあります。
暗記で補えるところは、覚えたとしても一定の頭打ち感が出てきてしまうのです。
そしてそこから伸び悩んでしまう、といった流れになってしまいます。
しかし、化学は深追いする教科ではないのです。
たしかに計算が苦手な人にとっては、生物の方が勉強しやすいかもしれません。
しかし、逆に言えば、計算さえ乗り越えられば、生物よりも化学の方が得点源になることが多いのです。
理系の場合は理科を2つ選択しないといけないので、生物・化学か、物理・化学の組み合わせが一般的だと思います。
どちらを得意にするかというと、化学を得意にした方が合格に近づきやすくなります。
覚えないといけない量も、生物に比べたらとても少ないです。
たとえば理論化学、有機化学、無機化学でも、B4の紙2枚ずつくらいにポイントをまとめて覚えれば、それだけで共通テストは8割以上も得点することができるくらい、暗記する量は少ないのです。
化学は計算が難しいというイメージがありますが、計算のコツさえつかんでしまったら、ほとんどが似た計算となります。
モルの概念が計算できるようになったら、そこから全部つながっていくからです。
小学生の時に習った人もいるかもしれませんが、食塩水の割合や、溶質と溶媒と溶液の割合はどれくらいか、といったことは、小学校の理科などで習ったりすると思います。
この比例計算が分かっている人でしたら、モルの概念さえちゃんとつかんでしまったら、計算は難しくありません。
コツさえつかんでしまったら、計算は難しくなくなるので、化学は一番成績が上がりやすくなります。
実際にミスターステップアップの塾生でも、化学よりも英語や数学をメインに勉強を進めていくように指導しています。
化学は夏休み前や夏休み後とかにやり始めたとしても、共通テストで8割~9割が取れるようになる教科だからです。
そして、二次の化学でも6割~7割が取れるようになります。
このように短期間で仕上がる教科ですので、武器にすべき教科と言えるでしょう。
逆に物理は、数学と兄弟みたいな教科なので、数学が苦手な人にとっては、物理はやれどもやれども成績が上がらなくなってしまいます。
正直なところ、物理は成績の上がり下がりがはっきりしている教科なのです。
たしかに物理は成績が上がると、覚える公式の数は少ないので、同じパターンでどの問題でも解けるようになってしまいます。
しかし、成績が上がるまでのコツをつかむのには、相当時間がかかってしまいます。
それに比べると、化学の計算の概念は、非常に簡単なのです。
暗記の量が少なく、計算も難しくなく、物理に比べるとはるかに概念を理解するのが簡単なので、化学はバランスよく成績を挙げていくのに理想的な教科と言えます。
また、受験化学で覚えるべき知識と暗記物の比率ですが、志望大学にもよりますが、知識:計算で8:2もしくは7:3ぐらいが多いです。
どちらかというと知識の方で点を取れることが多いのです。
化学は覚える知識が少ないので覚えた分だけ点数に反映されやすく、計算も少ないので、得点源になりやすいのです。
そして、コツをつかみやすく、モル計算や比例計算ができるようになったら、化学はすごい武器になる科目なので、高得点を狙いやすくなります。
そして、化学はパターンをきちんと身に付ければ、夏からでも間に合う教科です。
著書『E判定からの大逆転勉強法』にも書かせていただいていますが、ミスターステップアップの創始者である南極老人も、高3の11月の時点でセンター化学は19点しか取れなかったそうです。
しかし、センターの過去問10年分ぐらいを引っ張り出してきて、そこから必要な知識をB4の紙にまとめていくと、無機化学、有機化学、理論化学をそれぞれ1枚ずつにまとめることができたそうです。
そして、その紙を白紙から復元できるような練習を何度も何度も重ねていき、それを11月から開始して、年明けのセンター試験本番で86点を取ることができたそうです。
このように、化学は覚える量が多くないことがメリットで、白紙法を使って短期間で成績を上げることができます。
ただし、化学に苦手意識が強かったり、センスがなかったり、心理的な壁が強いタイプの人は、とっかかりの部分や化学反応が起きる仕組みは誰かに教えてもらったり、初心者向けの化学のテキストを一度読んでから取り組むのがおすすめです。
もしくは、ミスターステップアップでもおすすめしていますが、化学の教科書を一度通読することで、知識がつながることがあります。
最近の理科の教科書は、綺麗なビジュアルで内容が載っているので、通年で授業を受けていくよりは、3日連続で全部読み切るようにすると、化学の全体像がつながったりすることがあります。
このように、基本の教科書に戻るのがおすすめです。
3日連続で教科書を通読して苦手意識をなくし、基礎を固めてから、後ほど紹介する『らくらくマスター化学』のような薄い教材で300題を3~4ヵ月で完成させ、あとは過去問を解く。
それだけで化学は偏差値60以上になる科目なのです。
2.大学受験で問われる化学とは?
2-1.理論化学
化学の全体像は、理論化学、無機化学、有機化学の3つに大きく分けられますが、まずは理論化学から勉強するようにしましょう。
化学の周期表がありますが、あの周期表に載っている順番で宇宙ができていったといわれています。
元素から水素、水素からヘリウム、ヘリウムからリチウムといったように、周期表の縦と横で、周期の流れの中での性質が決まっているので、まずは周期表から理解するようにしましょう。
例えば化学変化はなぜ起きるのかというと、電子が移動するからとか、熱のエネルギーが加わったら化学変化を促進するとか、そういった理論的な部分をしっかり理解していってもらう方が、あとで無機化学や有機化学を勉強するときにも理解が深まります。
理論化学は化学全体に流れているベースの考え方なので、まずは理論化学を全部覚えるようにしましょう。
といっても、化学の理論を理解するというよりは、先に暗記してしまった方が理論的な理解が進んでいきます。
理解してから暗記すると遅くなってしまうので、まずは先に暗記をしましょう。
理論化学に必要な知識や公式を頭に叩き込んでしまえば、後からつながって理解できるようになるので、勉強自体がスムーズに進んでいくと思います。
まずは理論化学から入りましょう。
化学で物質の量を考えるとき、モルは物質量とも言いますが、1ダースが12と言われるように、6.02×10^23個の個数の物が一つの単位だと見立てて、気体の倍は22.4L分の体積を占めていて…といったように、化学で物質の量を計量するための一つの単位がモルだから、モルを理解することで化学の分量を量ることができます。
このように、化学変化が起きた時にどういった体積変化が起きていくかを図っていくための尺度がモルなのです。
モルの理論が一貫して全範囲に流れているので、そこを理解することで一気につながってきます。
また、電子のやり取りや酸化還元が全部の根底に流れていたりするので、その辺を咀嚼して理解していくことで、スムーズに次につながっていくと思います。
2-2.有機化学
「有機化学は裏切らない」という格言があるのですが、有機化学は一回得意にするとものすごい得点源になります。
多くの大学受験では大問一個分の問題量が出てくるので、有機化学を得意にすることをおススメします。
有機化学は反応系の教科書に載っているような、ベンゼン環から何を加えたら何ができるかというような、反応経路図を覚えていくことで、だいぶ得点できるようになります。
理論化学と組み合わさって問題が出ているので、完璧に覚えるとすぐに得点にできるようになります。
2-3.無機化学
無機化学は覚える量は少し多いのですが、それも暗記すると得点できるような流れになっています。
一番の山場となる理論化学さえ乗り越えてしまえば、有機化学は自然と得意になりますし、あとは無機化学の知識をひたすら取り込み、暗記していきましょう。
これらを全部詰め込んで暗記していくことで、理科の暗記はだいぶはかどることになるのではないでしょうか。
理論化学ベースで全体像をつかんで、有機化学と無機化学を積み上げていく感じをイメージします。
これらは、先ほどお伝えしたB4白紙法で暗記することをおすすめします。
B4白紙法とは、B4の紙一枚ずつに理論化学で使う公式や定理を全部集めて、無機化学で必要な知識をB4の紙に全部集めて、有機化学もB4の紙一枚に集めて、それを一日何回も見て、一冊の問題集を反復していく。
こうすることで、全体のつながりが分かってくると思います。
(※B4白紙法は、このページの後半でも詳しく紹介しています。)
勉強する時に全体像は大事ですので、全体像をつかむのには理論化学から入っていくのがいいと思います。
そして、本気出したら1週間、長い人でも1ヵ月くらいで覚えられる分量だと思いますので、その内容でやってもらっていいと思います。
それくらいの期間を設定してもらい、先に覚えてしまう。
問題演習をする前に先に覚えてしまった方が、問題をこなしていけると思います。
大学受験の勉強は丸暗記して乗り越えるべきところがあるので、覚えてしまうようにしましょう。
昔、南極老人が教えている生徒で、難しめの参考書をやっていて、なかなか化学が上がらないと困っていた子がいました。
進学校に通っていて、なかなか化学ができるようにならない。
南極老人がその子に、基本的な知識の分子と原子の違いについて答えてもらったら、その子は答えられなかったのです。
難しめの問題をやり過ぎていて、基本的な知識の用語の定義が自分の言葉で説明できなかった。
明らかに基礎が抜けているという状況だったので、基礎知識を覚えさせるようにしたら、その子は点数が上がっていったそうです。
だから、言葉の定義を言えるようにしていくのが最初の勉強では大事と言えるのです。
理解は後からついてくるので。暗記から入ってください、ということです。
最初のうちに基礎を徹底して身に付ける。
スポーツで言うと、基礎体力作り、基礎筋肉トレーニングです。
野球で言ったら野球のテクニカルな部分ばっかり練習していたり、サッカーでシュート練習やパス練習ばかりやっていて、ベースの基礎体力や筋力がないと、試合には勝てないはずです。
ベースのちゃんとした基礎があって初めて力が発揮できるようになるのです。
そして試験時間中、頭が真っ白になると解けなくなってしまいますから、体で知識を覚えてしまった方が、頭が真っ白になったとしてもそっちの方に力が発揮できると思います。
体で全部覚える状態にするために、知識系の問題集を選ぶようにしましょう。
できれば『化学一問一答』みたいなテキストが教材にあったり、『大逆転勉強法』の中で紹介している『化学の必修整理ノート』という問題集を隅から隅まで頭に入れてから問題演習に進むことで、解くのが速くなります。
あれはこういう意味だったんだと、あとで理解することができます。
それでも理解できないところは、教科書に戻って理解していく。
理解は必ず後からついてきます。
理解→暗記よりも、暗記→理解というスタンスで進めることで、短期間で受験勉強を終わらせることができます。
どうしても問題を解くといった、華やかな方が好まれたりします。
難しめの問題をたくさん解いた方が、楽しくて出来た感もあり、そちらに目が行きがちです。
しかし、たとえ模試などで点が取れたとしても、根底にある基本をおろそかにしてしまうと、一気に点数が下がっていってしまいますから、気を付けた方がいいと思います。
3.苦手な化学を克服する方法・勉強の順序
3-1.序盤:偏差値70への始めの第一歩 化学の全体像をつかむ
まずはこの教材で、化学用語、化学式を覚えます。
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『化学基礎の必修整理ノート』文英堂編集部・編(文英堂)
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このテキストの使い方は、こちらの動画でも解説しています。
序盤期間にやるテキストで、あまり演習のレベルが高すぎると
-
「問題がわからなくてなかなかテキストを進めることができない…」
-
「問題数が多すぎて挫折してしまった…」
といった経験はないでしょうか。
『化学の必修整理ノート』、『化学基礎の必修整理ノート』が最大のオススメ理由は 「挫折がしにくい」ということです。
なぜかというと、 テキストがとても薄いので、反復がとてもしやすいんですよね。
文系で共通テストだけの人は「化学基礎」だけ、理系で化学基礎と化学が必要な人は両方に取り組んでください。
ページ数は、化学基礎が100ページ未満、化学が約200ページで、文字も大きいので、あっという間に反復ができると思います。
化学はある程度、暗記の量がないと得意になりません。
『必修整理ノート』を繰り返し反復していくメリットは、化学用語、化学反応式、半反応式、電気分解、電池の仕組み、酸化還元、モルなど、暗記するべき項目は、教科書だと量が多すぎて反復できないのですが、 整理ノートは要点がまとまっているので反復がしやすいことです。
1回目は、穴埋め形式になっているので赤ペンで答えを書き込む、理解する。
2回目以降は、できるだけ自力で解答できるようにし、わからなかったら考えこまずに、すぐに解答を読むようにします。
そうして何回も、何回も、反復練習していきます。
毎日30分ぐらいかけて、反復練習し、完ぺきに覚えます。
この教材の場合は、赤シートで答えを隠し、隅から隅まで暗記します。
これを序盤の段階で完成させます。
このように、一冊の薄い本を序盤で反復練習して、完ぺきに仕上げることが真髄です。
これが後に、ものスゴイことになるのです!
『必修整理ノート』が全然わからないという場合、次に紹介する本から勉強をスタートするのがおすすめです。
-
『小・中・高の理科がまるごとわかる』間地秀三・著(ベレ出版)
-
『化学と物理の基礎の基礎がよくわかる本』飯出良郎・著(文芸社)
こちらも動画で使い方を解説しています。
これらの本は、理科が苦手な受験生にとっては、まさに救世主です。
ちゃんと読めば、1週間〜1カ月で、理科の遅れが一気に取り戻せます。
たしかに、化学は独学が難しい科目です。
「なかなか理解できない」「勉強してもわからない」という壁にぶつかると、 そこでつまずいてしまいます。
基本の独学が一番難しいのですが、逆に言うと、 基本さえちゃんとおさえてしまえれば、あとはスムーズにいきます。
理科(化学・物理・生物・地学)のすべてに言えることですが、はじめは偏差値とか、成績とか、順位とか、いっさい気にしないで全体像のイメージの獲得を優先します。
化学は、
-
電子の授受
-
周期表
-
モル
-
状態(固体、液体、気体)
がわかれば、必ず得意になります。
ですので、ふだんから、
-
電子の授受って何だ?
-
周期表って何だ?
-
モルって何だ?
-
状態って何だ?
と考えながら、化学を勉強してください。
余談ですが、
「化学の授業を聞いてもわからない…」
「教科書を何度読んでもわからない…」
という状態になってしまった時、 理解のカギとなる突破口を見つけることが大事になります。
その突破口となるのが、「単位」です。
特に、化学と物理は「単位」に関する理解の積み重ねがないと、 理解が浅いまま勉強を進めてしまいます。
たとえば、圧力や密度とは何か? を考えるとき、 圧力には「Pa」という単位を使いますが、 これは書き換えると「N/㎡」となり、 つまり、圧力とは、単位面積当たりにかかる力を表しているということになります。
同様に、密度は「g/㎤」のように表され、 これは単位体積あたりの物質の質量を表していることがわかります。
化学であれば、「モル(mol)」という概念があります。
1molとは、アボガドロ数(6.0×10^23個)だけ集めてきた粒子の量を表しており、 molを単位として粒子の個数や、質量・体積を表し、 化学の量を測っていくために必要なものさしとなります。
このような「単位」の存在をちゃんと理解していないと、 どんな問題を解いても何のことだかサッパリわからない、という状況になってしまいます。
もしあなたがそんな状況に陥っていたなら、 ぜひこの教材を頼ってみてください。
「単位」をしっかりと説明してくれるので、安心して使ってもらえます。
ちなみに、周期表は、第4周期までを完ぺきに暗記してください。
周期表は、縦にも横にもスラスラ言えることが大切です。
次に拙著『E判定からの限界突破勉強法』のマントラ・ヤントラの暗記です。
これにより、化学の全体像がつかめるようになります。
3-2.中盤:レベル別問題集と超高速反復学習法で勉強を加速させる!
いよいよ中盤からは、序盤で高めた"化学脳"に、具体的な知識を乗せていきます。
序盤で高めた"化学脳"は、いわば基礎工事。
土台ができているので、勉強も加速度的に進みます。
中盤の、最初のステップとしては、
- 『化学レベル別問題集①』橋爪健作・著(ナガセ)
- 『シグマ基本問題集 化学基礎』(文英堂)
- 『シグマ基本問題集 化学』(文英堂)
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などが最適です。これらも、5〜6回は、反復練習してください。
やり方ですが、1問につき1分以上考えないこと。 わからなかったら、すぐに解答を読んでください。
そうしないと、数カ月で5〜6回は、とうていできません。
コツは、セルフレクチャーを組み込むことです。
化学のセルフレクチャーのやり方をお教えしましょう。
-
① 問題を見る(読む)
-
② 解法をブツブツ……と言いながら、計算問題の場合は、式だけ作る。記述式の場合は、口で言うだけにする。選択式の場合は、それを選んだ理由も言う。
-
③ 式は解かずに、解答を見て(読んで)、確認する。
毎回、紙の上で実際に解くとなると時間がかかりすぎます。
そのやり方だと、復習できても、せいぜい3〜4回。
それでは潜在意識にまで知識が届きません。
ですから、復習にセルフレクチャーを使います。
この方法であれば、5〜6回はあたりまえで、9〜10回も可能です。 しかも、効果は絶大!
中盤の最初のステップの教材は、基本問題ばかりなので、6回目までの流れを説明すると、次のような感じです。
1回目 自力で解いてみる(3分以内)→ 解説を読む → 解法を覚える
↓
↓ 1問あたり3分以内(30分で10問)で進める。3日以内に復習。
↓
2回目 セルフレクチャーで復習(1分)
↓
↓ 1分考えても解き方が思い浮かばなければ、すぐに解説を読む。
↓ 記憶がまだ新鮮なうちに復習すれば2回目はラク。3日以内に復習。
↓
3回目 セルフレクチャーで復習( 30 秒)
↓
↓ さらに復習がラクになる。3日以内に復習。
↓
4回目 セルフレクチャーで復習(15秒)
↓
↓ このレベルになると瞬間に解法が思い浮かぶ。3日以内に復習。
↓
5回目 自力で解いてみる(1分以内)
↓
↓ この段階で、もう一度、自力で最後まで解く。
↓ 計算も、ちゃんと最後までやる。
↓ できなくても気にしない。
↓ 計算を間違っても気にしない。
↓ 間違えた部分は教材にメモをして、二度と同じ間違いはしない。
↓ 次回の復習からは、そこもセルフレクチャーする。
↓ 3日以内に復習!
↓
6回目 セルフレクチャーで復習(7~8秒)
↓
↓ この段階では、セルフレクチャーも高速化する。
↓ なんと、100問を15分以内で復習できるのです。
↓ 『シグマ基本問題集化学基礎』(文英堂)なら1冊30分もかからない。
(続く)
この調子で、復習し続けるだけで、やがてものすごい基礎力になります。
基礎力は、ダイナマイトです。
さらに数カ月後、化学でブレイクするための大切なステップです。
得意な人も、不得意な人も、 「もっと難しい教材をやりたい……」と焦る気持ちも湧いてくるでしょうが、 そこをグッと我慢して、まずは足場を固めてください。
さらに、共通テスト対策には、
-
『化学レベル別問題集②』橋爪健作・著(ナガセ)
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がおすすめです。
この教材をマスターした後、 共通テスト過去問を10年分(本試・追試で合計20回)解いて、 間違えた問題を徹底的に復習するだけで、共通テストは80点〜90点は取れるでしょう(もちろん、それは、基礎力がついているのが前提です)。
当塾で指導している南極流勉強法では、「ゴールからの発想」を重視します。
「ゴール=志望校の過去問」。
志望校の過去問で、合格最低点以上の点数が取れるように意識して勉強します。
合格最低点は、大学によって異なりますが、多くの大学では7割前後です。
-
東大(理Ⅰ、理Ⅱ)は5割~5割5分。
-
東大(理Ⅲ)は6割5分以上。
-
センターは80点〜90点(理系最難関をめざす人は、90点以上)
-
二次・私大は7割以上
を目指します。
序盤の段階では、過去問は必要ありませんが、 中盤からは必要です。
潜在意識のアンテナを立てるためです。
できるだけ早い段階から、赤本(過去問)を手に入れて、 しょっちゅう、パラパラ見るようにするとよいでしょう。
そして、教科書です。
学校ではいきなり教科書を使いますが、これは、中盤以降に読むべきです。
教科書は、基本知識の確認のために使いましょう。
中盤以降は、問題演習と併用して、教科書で知識を確認します。
教科書に載っている実験図や表は、くまなく暗記しているくらいになれば、理想的です。
中盤の2番目のステップとしておすすめしたいのが、次の3冊です。
- 『らくらくマスター化学基礎・化学』生田泰朗・著(河合出版)
- 『化学(化学基礎・化学)基礎問題精講 三訂版』鎌田真彰、橋爪健作・著(旺文社)
- 『化学レベル別問題集③、④』橋爪健作・著(ナガセ)
河合出版
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旺文社
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ナガセ
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1冊ずつ、順に完ぺきにすることが重要です。
これらの教材は、先ほど紹介した「セルフレクチャー」という高速復習法で勉強を進めてください。
特に、『らくらくマスター化学基礎・化学』生田泰朗・著(河合出版)という教材が問題と解答が一対一対応になっているので、セルフレクチャーに最適な教材となっています。
この教材を使って数々の受験生が旧帝大や医学部に合格してきたことは 言うまでもありません。
ちなみに、中盤の2番目のステップは、 基本〜標準レベルの入試問題が中心ですから、 反復練習8回目までの流れを説明すると、次のような感じになります。
8回目で、あなたの化学力が、どんな恐ろしいことになるか……。
想像してみてください!
1回目 自力で解いてみる( 15 分以内)→ 解説を読む → 解法を覚える
↓
↓ 1回目がいちばん時間がかかる。3日以内に復習。
↓
2回目 セルフレクチャーで復習(3~4分)
↓
↓ 1〜2分考えても解き方が思い浮かばなければ、すぐに解説を読む。
↓ 記憶がまだ新鮮なうちに復習すれば2回目はラク。3日以内に復習。
↓
3回目 セルフレクチャーで復習(1~2分)
↓
↓ さらに復習がラクになる。3日以内に復習。
↓
4回目 セルフレクチャーで復習(1分)
↓
↓ このレベルになると瞬間に解法が思い浮かぶ。3日以内に復習。
↓
5回目 自力で解いてみる(4~5分)
↓
↓ この段階で、もう一度、自力で最後まで解く。
↓ 計算も、ちゃんと最後までやる。
↓ できばえは、どうでしたか?
↓ ちゃんと、解き方は思い浮かんだ?
↓ うん、うん、上出来、上出来。
↓ たとえできなかったとしても、気にしない。
↓ 計算が間違ったとしても、気にしない。
↓ 間違えた部分は教材にメモして、二度と同じ間違いはしない。
↓ 次回の復習からは、そこもセルフレクチャー。
↓ 3日以内に復習!
↓
6回目 セルフレクチャーで復習(30秒)
↓
↓ 3日以内に復習。
↓
7回目 セルフレクチャーで復習(15秒)
↓
↓ 3日以内に復習。
↓
8回目 セルフレクチャーで復習(7~8秒)
↓
↓ このレベルでは、セルフレクチャーというより、速読(右脳読み)。
↓ より一層、潜在意識が働きやすくなる!
↓ なんと、100問を15分以内で復習できる。
↓ 『らくらくマスター化学基礎・化学』なら1冊30分で復習完了。
(続く)
中盤で選んだ教材を進めていくうえでは、わからないところがあると、進みにくいです。
次の中から、1冊か、2冊か、辞書代わりになる教材を買っておきましょう。
- 『新化学 化学基礎+化学 (新課程版 チャート式理科シリーズ)』(数研出版)
- 『理解しやすい化学 化学基礎収録版』(文英堂)
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3-3.終盤:総仕上げで合格を盤石なものにする
化学基礎を選択している人は、共通テストの過去問をどんどん解いていきましょう。
私立一般入試・国公立2次試験で化学を必要とする人は、有機化学をぜひ得意にしてください。
先ほどもお伝えしましたが、大学受験の格言に、「有機化学は裏切らない」というのがあります。
ここまでやってきたのは、
-
序盤
-
中盤の最初のステップ
-
中盤の2番目のステップ
-
秘伝! 白紙法 ・『入試に出る 化学反応式 まとめとポイント』
です。
そして定石どおり、終盤は、志望校の赤本(過去問)を解きます。
できない問題があったら、基本(序〜中盤)に帰る。その繰り返しです。
これだけ完ぺきにやっても、「まだやり足らない!」という人は、 ぜひ、この格言に従ってください。
もう、そろそろ、親切な受験教材、問題集に頼らなくても大丈夫でしょうから、
-
『全国大学入試問題正解化学』(旺文社)
などを入手して、有機化学の問題を、かたっぱしから解いてみるとよいでしょう。
きっと、南極老人に負けないくらいの 「自分流」の問題の解き方を見つけられる日がやってくるでしょう。
そのときこそ、あなたの、本当の「化学脳」が目覚めるときです。
そうなると、東大、京大の入試問題すら恐るるに足らず、です。
基礎力を重視したい人は、
-
『化学分野別入門演習 2週間で完成有機化学』三門恒雄・著(駿台文庫)
-
『化学[有機]必出ポイント98の攻略で合格を決める』目良誠二・著(文英堂)
駿台文庫
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ウデに自信があり、量をこなしたい人は、
-
『有機化学演習』石川俊・著(駿台受験シリーズ)
-
『ここで差がつく有機化合物の構造決定問題の要点・演習』(中経出版)
KADOKAWA/中経出版 (2013-06-14)
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がオススメです。
最後に、紹介しておきたいエピソードがあります。
南極流勉強法で、ニガテだった化学を得意にした亀井さんの話です。
亀井さんは、センター化学で98点をとり、医学部に合格したのですが、本当にすごかったのは、それから後でした。
なんと、大学(医学部)でも、化学でトップになってしまったのです。
医学部には、理系大学を卒業(22歳以上)した専門家がゴロゴロいるので、 その中でトップというのは、本当にすごいことです。
これぞ、南極流です。 あなたは、今、すでに、その方法に出会っているのですよ。
4.全国模試で全国1位をとった秘伝の勉強法
今から、すごい方法を伝授します。
これは、南極老人が、化学で全国1位をとったときの方法です。
ちなみに南極老人の生徒も、この方法で全国1位をとりました。
ですから、間違いなく、すごい方法です。
「でも、僕は、偏差値40しかありません……」という人でも大丈夫です。
実際、この方法は、偏差値40ぐらいの人にも効果がありますから。
こんな話があります。
南極老人が、まだ高校3年生の頃の話です。
その頃は、ほとんど勉強していなかったので、 12月のセンター模試の成績が、なんと、17点しかとれませんでした。
しかし、南極老人は、ある方法を使い、 わずか1カ月半の勉強で、センター試験で86点も取ったのです。
わずか1カ月半の勉強で? これには南極老人自身も、ひどく驚いたそうです。
その方法こそが、この「秘伝! 白紙法」です。
まずは、センター試験(化学基礎・化学)に必要な知識を B4のコピー用紙3枚にまとめます。
何か1冊、薄っぺらい教材を読みながら、 重要語句、定義、公式、化学反応式を書いていきます。
化学基礎を選択している人は、計算問題1枚、無機化学1枚、 合計2枚作ります。
化学を選択している人は計算問題1枚、無機化学1枚、有機化学1枚、 合計3枚作ります。
あれこれ書きすぎても1枚にはおさまりませんし、 少なすぎても不十分です。
この紙を、ヒマさえあれば、 何十回も、何百回も見るようにします。
白紙の状態から、「何も見ないで書け」と言われれば、 本当に何も見ずに、計算1枚、無機1枚、有機1枚が、完全に再現できるぐらいまで暗記します。
それをわずか1カ月半の間、続けただけで、 センター試験本番で、9割近い点数がとれてしまったのです。
「この方法で、もっと早く始めていれば、満点も夢ではなかった……」と思ったそうです。
(実際、南極老人は、浪人してからは、100点をとりました )。
この勉強法の良い点は、 いつでも、どこでも、覚えなければならない知識がすべて確認できるところです。
1日に10回でも20回でも、好きなだけ反復練習ができるという点です。
中盤で選んだ教材の中から、覚えなければならない
- 化学用語
- 化学式
- 化学反応式
- 計算問題の解き方
の知識をB4サイズのコピー用紙(2~3枚)に書いていきます。
これが、「秘伝! 白紙法」です。
作った紙をコピーして、毎日ポケットに入れて持ち歩きます。
そして、移動中の電車の中、待ち合わせのとき、寝る前、休憩中、喫茶店でと、 少しでも細切れ時間ができれば、必ず見るようにします。 それを毎日続けてください。
1カ月に1度は、白紙の状態の紙に、 そのまま、何も見ずに再現できるかどうか試してみてください。
何度も書き写してみてください。
そして、さらに、あやふやな知識だけを集めて圧縮していきます。
最終的には、初めに作った2~3枚の紙が1枚の紙に収まるぐらいに圧縮できるようになれば、 理想的といえるでしょう。
それが完全に再現できるようになれば、化学基礎・化学の知識は、ほぼ完成です。
参考までに、京都大学理学部に合格した古市くんが実際に使っていたB4白紙法を実際に掲載しておきます。
この方法を発展させて、さらに知識の鎖を強力にして、無敵の「化学力」を養成したい人には、
- 『入試に出る 化学反応式 まとめとポイント(化学基礎・化学)』中道淳一・著(旺文社)
旺文社
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という本を、完全に暗記するという手もあります。
この本の「反応経路図」をコピーして、スラスラ書けるようになるまで、何十回も、反復練習するとよいでしょう。
5.化学嫌いの受験生へ
化学がイヤな理由を問いかけると出てくる、 紋切り型の苦情を一蹴することから始めましょうか。
その1「元素記号を覚えるのが大変だ。」
たかだかアルファベット2文字の組み合わせを 40種類程度覚えれば大学受験では困りません。
すでにあなた方は数多くの英単語を覚えているではありませんか。それに比べれば、雑作もないことですね。
その2「化学反応式が覚えられない。」
係数を覚える必要があると誤解していませんか。
化学式を全て暗記しておく必要があると誤解していませんか。
化学の法則に基づいて、化学式を、そして係数をその場で決定するだけです。
なお、化学の法則は英文法に比べればはるかに少量で、単純です。
きちんと整理をすれば使うのが楽しくなります。
その3「モルって何?」
たとえるなら、ヨーロッパに旅行に行ったときに EUの通貨ユーロで会計するようなものです。
最初はユーロから円へ、円からユーロに換算して会計しますが、そのうち商品・サービスの価値がユーロで分かるようになれば、 円に換算する必要がなくなります。
化学の世界ではモルで考えると単純な計算になるから全世界で採用しているだけのことです。
誰でも新しいことを始めるのには抵抗があるものです。
しかし、われわれヒトには”新奇探求性”という特性があります。
その証拠は、アフリカ大地溝帯を飛び出して、極地まで広がり、 さらには月の表面に足跡を残していることから明らかです。
新しい分野にどんどん興味を持つことは 自分の可能性を広げることでもあります。
そして、化学という分野は日常生活の至るところで 使われています。
ただ理論を学ぶだけでなく、 そうやって日常に落とし込むことによってい より勉強の楽しさが分かってくるのではないでしょうか。
6.多くの受験生が知らない…「化学の全体像」
この記事の冒頭でもお伝えさせていただきましたが、理科はまず全体像をつかむことが大事です。
いきなり、教科書で勉強しようとしたり、 難しい参考書で勉強しようとしたりすると 化学は挫折してしまうことがあるからです。
まずは化学の全体像をつかむことが大事です。
「えっ、全体像ってなに?」 と多くの受験生は思うかもしれませんね。
もっとわかりやすく言えば、 「バラバラの知識が自分の中でつながる」という状態です。
化学が1つのストーリーになっているという状態です。
例えば化学反応式は その記号だけを覚えても、あまりピンときません。
ですが、化学反応においては必ず 「電子の受け渡しがある。」 ということがわかれば、 そこから酸化や還元の話にもつながるのです。
1つの分野をバラバラに学ぶのではなく つながりを持たす。
そのためには、薄くて簡単で 全範囲を網羅しているような問題集を何度か反復練習して完璧に解けるようにするのです。
そこでオススメの参考書が 『小・中・高の理科がまるごとわかる』(間地秀三)(ベレ出版) です。
この参考書は化学が全くのド素人の人でもわかるように、丁寧な説明とわかりやすい図で説明されているので、 進めることができます。
しかも簡単な確認問題までついているので 暗記の練習もできます。
この問題集を完璧に解けるまで 反復練習してみてください。
それだけで化学の全体像がつかめるので、今までよりかはるかに勉強が進めやすくなるはずです。
7.化学を学ぶ価値
「化学物質って体に悪いんだから、そんなの勉強しても意味がないんじゃないかな?」
親御さんや、学校の先生から、 あるいは身近な大人から聞いた話を身につけて、 こういった化学物質に対するイメージを持つのでしょうね。
以下に示す二点について見直してみましょう。
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その1「あなたに化学物質は悪という情報を伝えた大人は、化学の専門教育を受けていましたか?」
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その2「あなたは与えられた情報の真贋(しんがん、本物か偽物か)について調査をしましたか?」
両方に対してイエスと返答できる人はいないでしょう。
素人から素人へ伝達されるものは情報ではなくて、ただのうわさです。
うわさには根拠がない、流言飛語(りゅうげんびご)というものがかなりの高確率で混入しています。
もちろん、健康を害する化学物質は存在します。
さらに加えれば、 『どれだけ身体に取り込んでも害はない』 という化学物質などありません。
そこで、必要になるのは、 あなた自身が、化学で学んだ考え方で、調べ、評価し、判断する能力なのです。
その基礎を身につけるのが受験の化学なのです。
ぜひあなたも、ここで紹介している化学の勉強法を参考にして、化学を得意分野にし、グンと成績を伸ばしましょう!