受験生は恋愛してもいいのか?『村田明彦×よなたん対談』

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柏村 真至

柏村 真至

京都大学文学部卒。浪人が決まった春、受験の達人南極老人に出会い、逆転合格を果たす。『E判定からの大逆転勉強法』などを執筆し、一躍カリスマ講師に。南極老人いわく「彼ほど完璧に大逆転勉強法を実践した受験生はいない。さらに〝戦闘値〟がアップしたスーパー大逆転勉強法と出会える受験生は幸運だ」と。

こんにちは!





受験生は恋愛していいのか? ズバリ回答しました! 
村田明彦×よなたんの対談です!

受験生は恋愛していいのか?村田明彦×よなたん 対談動画




 

受験生は恋愛していいのか? 村田明彦×よなたん 対談



村田:

今回は、ミスターステップアップで気をつけていることについて、与那嶺さんとお互いの意見を話していきます。

テーマは、受験生からよく相談がある「受験生って恋愛していいんですか?」についてです。



与那嶺:

よくありますね。恋愛について、ズバリどうなんですか?



村田:

ズバリ…、言いたくはないんですけど、言いますね。



「やめといたほうがいい」です。ここは、断言します。



恋愛すると、どうしてもそっちに自分のエネルギーや時間が持っていかれやすいですから。

持っていかれないようにしようと決めていても、どうしてもそっちに引きずられるので、自覚している以上に非常に奪われています。

気づかないうちにいろいろと奪われていることが多いんです。



過去に僕が関わってきた受験生に、Nくんっていう男の子がいたんです。

彼は、医学部を目指していました。



当時、つき合っていた彼女がいたんですが、彼女の方は専門学校に行っていて、受験の大切さがわからないんですね。

ですから、彼が勉強していても、バンバンメールが来るんです。

「会おうよ」とか「遊びに行こうよ」とか「連絡ちょうだい」というようなメールが、しょっちゅう来るんです。



そうするとNくんは、断り切れず、結局会いに行っちゃうんですよ。

だからその時間は、勉強ができなくなってしまいます。

家に帰ってからも、デートで疲れて勉強できない、という状況です。



それを見ていた南極老人が6月くらいに、「君、このままでは本当にダメだよ、医学部にそんな状態で受かるわけないよ」って、一喝入れたんですけど、本人はピンと来てないわけです。



だいたい4月から6月、もしくは夏が過ぎるまでは、危機感があまりない受験生が多いんです。

恋愛中は頭がお花畑になってしまっている感じで、楽天的なんですね。

ですので、そのままその彼女とつき合い続けていたんです。



彼女からすると「受験と私、どっちが大事なの?」みたいなノリなんですよ。



「お前のために勉強して、俺は将来、医者になるんだ。

だから一年くらいは連絡取らないつもりでつき合え」
って強く言えたらいいんですけど、それはどうもできないみたいなんです。

尻に敷かれてる状況なんですね。



そのせいもあって、成績が全然上がっていかないんですよ。

12月になっても判定EとかDとかしか出なくて、本当に追い詰められて、すごい気持ちも落ち込んできていまいた。

それで南極老人に相談しに行ったんです。



「12月になったのに、こんな成績になってしまいました。僕が先生の忠告を聞かなかったせいです。今からどうにかして逆転の一手は打てないでしょうか?」って泣きついたんですよ。



都合いい話ではありますが、彼女と仲良くやっていきつつ、成績もあげたいってことですね。



それを聞いて南極老人は言ったんです。

「今から本当に起死回生の逆転の一手があるとすれば、それは今から絶対に受験が終わるまで彼女に連絡を取らないこと。

これに尽きる。受験が終わるまでそれを貫きなさい。

そうやって歯科大学を狙って行きなさい」と。




その言葉を聞いて彼は先生との約束を守り、どんどん勉強していくようになりました。

その時から、急にすごい勢いがついてきたんです。

夏休みに普通の受験生だったら一週間かけてやる問題集を1日一冊のペースで終わらせるくらいの勢いが出てきたんです。



まるで別人みたいになって、ガンガン勉強をこなしていったんです。



するとね、一ヶ月半でかなり学力がついてきました。

そうして、見事、合格したんです!

歯学部に受かったんですよ!



そのときにN君が言ったセリフがあるんです。



「先生、もし僕がこのぐらいの勉強を8月の夏休みからできていたとしたら、医学部にも行けていた気がします。それくらい、この一ヶ月半の密度は濃かったです」



そう言い終わってから、全てに気付いたそうです。



この時、僕自身も受験生だったんですけど、この話はすごく印象に残っています。



受験期間中、気持ちがどうしても恋愛の方に偏ってしまうタイプって、こうなってしまうんやなって思いました。

その後も自分が受験生を指導していくようになると、やっぱり似たような例を聞くことが多いですし。



違うパターンでは、彼女だけが大学に合格して彼氏だけが残る、みたいなケースもけっこうありますね。



そうなると、その後もけっこう大変で、大学生になった彼女からメールが来るんですが、その内容が「大学の先輩が今から飲もうって誘ってくるんだけど、行っていい?」とか、「家の近くまで先輩が来るって言うんだけど、どうしたらいいかな?」というような、勉強どころじゃないメールです。

こんなメールが来るって、半泣き状態になりながら相談しにくる受験生もいましたね。



恋愛が原因で勉強ができないのであれば、厳しい意見になりますが、さっさと別れたほうがいいです。そっちに意識とかエネルギーを全部持っていかれてしまうし、本当に配慮してくれる彼女ならば、そんなメールを送ってこないってことを伝えました。



別れてから、成績がぐんぐん上がっていくんですよ。



こういう例を見ていて思うんでうが、本当に100カップル中、1カップルくらいしか上手く行かないと思います。

上手くいくとすると、かなりドライな関係性になります。

お互いそんなに連絡取らなくても普通に過ごせます。



目指す大学も、彼氏は東大で、彼女が神戸大学とか、本当に一緒に大学を目指してんの? みたいなノリで、離れ離れになるのが前提みたいなドライな関係性であれば、上手くいくことがあります。



多くの場合はどっぷりとどっちかが恋愛モードになっちゃって、それがないと言わば不安になるとか、勉強できない、という状況になるんです。

もっというと、受験期間中ってドキドキするから、その受験のドキドキと恋愛のドキドキが重なってしまうんですよね。



「疑似位相型恋愛(ぎじいそうがたれんあい)」という言葉があるんですけど、まさにそのドキドキを作ってしまったゆえに、たまたま隣にいた異性のことがポロッと好きになってしまう、というモードになってしまうんです。

それから受験が終わってから、「あれ? ほんまにこの人のこと好きだったのかな?」っていう感じになってしまうことがあるんですね。



もっと言うと、受験期間中に付き合っている相手っていうのは、実は本当の相手ではない可能性が高いんです。



大学に入ってから、本当にまた新たな出会いを見つけていくっていうのはいくらでもあることだから、大学受験に良い成果を残していきたいなら、1年間ぐらいはちょっとストイックに勉強してもらった方がいいとは思いますね。



与那嶺:

僕も偉そうに言える立場ではなくて、浪人中に失恋してしまって、凹んで2ヶ月くらいまともに勉強できなくなった経験があるんです。

僕自身は、前半ドライな感じで付き合っていたんです。

彼女とはほぼ会わず、勉強に集中していました。



だから勉強自体は上手く進んでいたんですけど、その後、長い間会っていないから彼女の方が寂しくなってメールが来だして、めんどくさくなってスルーしているうちにフラれた、って感じですね。

スルーしていたせいですが、やはりちょっとショックを感じましたね。



そういう例もあると思うんですが、既に付き合ってる人がいる場合はどうしたらいいでしょうか?





村田:

すでにつき合っている人がいる場合は、距離の問題ですよね。

距離のとり方っていうのが大事なんです。

いつのまにか、恋愛がメインの生活になってしまうっていうのが本当に良くないんです。



いい関係性なら、大学受験もちゃんと成果を残そうとします。

いい関係性を築くってなると、ストイックに勉強をメインにして普段は会わないとか、基本的に連絡も取らない、そういったことが軸になりますね。

スマホも側にあると集中できなくなるので、普段から電源を切っておくべきですし、基本的に連絡を取れないようにしたら、そちらに意識やエネルギーが向いて行かなくなります。



去年いた塾生の中に、彼女と付き合いながら良い成果を残してちゃんと国立に受かった生徒がいたんですけど、その子はやっぱり彼女と連絡を取ってなかったです。



「ずっと会わない」っていうスタンスでいましたし、彼女もそれをちゃんと理解していたので、待っていてくれたんですね。



いわゆる信頼がベースになっているんです。

ちょっと会わなかったら寂しいとか、自分のこと好きじゃないんじゃないか、みたいな探り合いの関係性だと、常に気を遣っている状態です。



これは、逆に言うとエネルギーを消費するし、勉強モードに入っていきにくくなります。ですので、距離をおけるような関係性を取っておいて、また大学入ってから時間を共有していくっていうのがいいんじゃないかと思いますね。







与那嶺:

やっぱり、依存したくなったり、どっちかが会えないから寂しい気持ちになったり、相手の気を引きたくなる恋愛って、学生には多いですよね。



そうなってしまうと、勉強って本当にエネルギー使いますから、勉強が手につかなくなってしまいます。

恋愛しているとちょっとしたことで不安になってしまって、勉強から恋愛の方に心が完全に移ってしまいます。



それを勉強の方に戻すのにもエネルギー使うから、結局、全然勉強できなくなり、成績上がらない、ということになってしまいます。



恋人がいない人は、恋愛は大学へ行くまで待ってもらって、大学行ってから自由に恋愛を楽しんだらいいんですよ。



大学受験中は、本当にその状況とか、シチュエーションでその人を好きになってしまっているってケースもあるから、それはやっぱり距離置いてみた方が、結局お互いにいいんじゃないかと思いますね。



村田:

そうですね。僕も、実は受験生のときに好きになってしまって、どうしてもその子のこと考えてしまって勉強に集中できなくなったことがあります。



でも、最終的には距離を取りました。

顔を見たりすると思い出してしまうから、距離を取ろうと思って、できるだけ顔が見れないところまで離れるようにしましたね。

そうすれば勉強に集中できるなって思いました。

まず、物理的距離を取るのが1つの方法です。



もし、つき合っている人がいるなら、ある程度の距離を取ってみるのはいいと思いますね。

それで駄目になる関係だったら、信頼関係があんまり無いということですから、別れてしまったほうがいいかもしれないです。

もし本当に縁があるなら、大学受験が終わって、また復縁するっていう可能性もありますよ。



そこは、本当に覚悟を決めて、そういう話をしてみるんです。

「一年間、受験勉強するから待っていてくれ」とか言ってみるんです。

それで相手の反応が悪かったら、思い切って別れた方がいい。



相手の成長を願えない彼氏彼女だったら付き合っていてもあんまり…、未来が無いっていう感じがします。



たとえば、自分が受験勉強していて相手が勉強していなくても、お互いに「つき合いながら成長していこう」とか、「いい未来に向かって行こう」って、同じゴールを持っていたら、相手を信頼して待つということができるんじゃないか、と思います。



与那嶺:

そういう関係だったら理想的ですよね。



一人だとさみしいからつき合っている、というよりは、相手がいなくて一人の時間でもすごい充実していて、お互いが成長できる日々を過ごしているからこそ、たまに会ったときに、より良い時間を共有できる、という関係性が本当に理想的です。



そういう関係性が築けたら1番いいんですけど、明らかに自分の時間とかエネルギーを消費しているだけの関係になっている状況なら、受験生としての一年間はやめたほうがいい。

大学に入ったら時間は十分にあるし、色んな拘束もなくなるんです。

大学に入るまではストイックに貫いてほしいと、僕も思いますね。



と言うことで、受験生は恋愛していいのかっていう質問に関しては、



村田:

「ダメ」ということです!



受験勉強を本気でやるんだったら、ちょっと厳しいかもしれないですが、1日中365日毎日ずっと勉強できるっていう体制や環境をやっぱり作っていかないといけません。

厳しく感じるかもしれないですけど、1年後の春のことを考えて、冷静に受け止めてもらえたらいいんじゃないかと思います。
以上、「受験生は恋愛してもいいのか?」、について、ズバリ回答しました。