たくさんあってなかなか選びなれない古文の参考書。
「参考書選びにイチイチ時間や労力はかけてられないけど、効率よく成績を伸ばしたい!」
そんな受験生のために、この記事では、私たち「大学受験塾ミスターステップアップ」で実際に大逆転合格を果たしていった受験生たちが使用していたオススメの参考書をご紹介していきます。
正しい参考書の選び方を知って、どう使うのか?を早い段階で知っておくだけで、劇的に勉強効率はアップしますよ。
さらに、ただオススメの参考書を紹介するだけに終わりません。
合格までのイメージをより鮮明にするために、時期別の勉強法や活用方法についても詳しくお伝えしていきます。
1.合格する受験生に共通する参考書選びと使い方
これまで毎年たくさんの受験生と関わってきましたが、古文の参考書選びにおいては、
「何を使うかよりも、どう使うか?」
が最も大切である、ということが傾向として見えています。
合格する受験生と不合格になってしまう受験生のもっとも大きな違いは、ほとんどこの点にあります。
では、逆転合格する受験生と不合格になる受験生の参考書の使い方には、どのような違いがあるのでしょうか?
1-1.「どの参考書を使うか」よりも「どう使うか」
合格する受験生の共通点は、参考書選びにはそれほどこだわらないことです。
ただ目の前の手元にある一冊の参考書を、少なくとも7回以上は徹底して反復し、その一冊が完全に自分の血肉になるまで吸収し尽くす。
これだけで、受験に必要な古文の実力はほぼ習得できると言っても過言ではありません。
一方、不合格になってしまう受験生の共通点は、一冊も「これだけは読み込んだ!」「これだけは完璧だ!」といえる参考書がないという点にあります。
人によっては、やたら難しい参考書に手を出しては挫折し、解き散らかしたまま復習をせずに、放置していることも…。
でも、それだとかえって逆効果。
オススメの参考書は後ほどご紹介していきますが、まずは焦ってあれこれ手を付けることがないように、古文の勉強法のポイントについてお伝えしていきましょう。
1-2,古文の勉強は英語とほぼ一緒!?
実は、古文の成績を上げていくのに必要なことは、英語の成績を上げるための勉強をするやり方と、ほとんど同じです。
古文の場合、勉強する必要がある分野は主に以下の6つ。
- 古文単語
- 古典文法
- 古文敬語
- 読解テク
- 古文慣れ(ストック)
- 問題演習
古文のそれぞれの分野で参考書、あるいは赤本などの過去問を勉強していく必要があるから、必然的に必要となる参考書も多くなってしまうのです。
なんだか、単語、文法、読解テク…と、英語のような勉強内容ですよね。
もちろん、外国語と昔の母国語ですから、学習しないといけない量を比較すると少ないので、その点は安心してください。
ここからは、古文の成績を上げるために必要な、勉強の全体像を説明していきます。
1-2-1.序盤:単語・文法・読解テク
まずは、入試までの期間を三分割(序盤・中盤・終盤)して考えてみましょう。
最初の序盤時期の勉強では、古文単語・文法・読解テクをメインに勉強を進めていきましょう。
この時期に特に大切なのが、基本的な知識を体で覚えるところまで、徹底的に反復して身につけることです。
仮に古文に対してニガテ意識があったとしても、この期間で「自分は古文が得意なんだ…!」と潜在的に思えるようになること。
これが成績を上げていくための超重要ポイントです。
ですので、いきなり二次私大向けの難度の高い参考書などをやって挫折するよりも、薄くて簡単で、要点が簡潔にまとまった参考書を使用するのがコツ。
古文単語は、何よりもセンターレベルまでをちゃんと完璧にすることを最優先。
文法は、基礎知識を網羅している参考書を一冊やれば十分。
読解のテクニックは、ぜひこの参考書を使ってほしいという一冊がありますので、後ほどご紹介します。
1-2-2.中盤:敬語・音読
中盤では、序盤で古文を読むために最低限必要な知識を身につけているので、どんどんいろんな古文を読んでいき、古文の感覚を体に覚えこませていきます。
英語の勉強同様、古文や漢文などでも「音読」は効果的です。
それも、たくさんの古文をちょっとずつではなく、10個くらいの文章に絞って何回も何回も、やりすぎて覚えてしまうくらいまで、音読をしていきましょう。
また、敬語に関しても学習を進めていくようにしてください。
敬語は敬語の問題を解くためだけのものではなく、主語把握の役に立つので、本文理解力まで上げられる、非常に便利な道具です。
音読で古文の長文を勉強し始めたら、敬語もぜひ完璧に使いこなせるようにしておくと良いでしょう。
1-2-3.終盤:模試・過去問の研究と解きまくり
終盤に入ると、問題集や過去問を解いていく段階になっていきます。
もちろん、いきなり過去問を解いて点数が取れるはずはありません。
この時期は、点数を気にするのではなくて、自分には合格点を取るために何が足りなかったのか?どこのどんな知識が曖昧だったのか?これらの学びや気づきを、一つ一つ意識していきましょう。
そのためには、当たり前のことですが「一度解いて、丸付けをして、終わり」ではいけません。
一度解いた過去問を、音読して、単語を調べて、問題の解き方を熟考する。とことんその問題に含まれる栄養素のようなものを、吸収しつくすようにしてほしいのです。
そしてある程度、毎回安定して合格点が毎回取れるようになってきてから、今度は場数を踏んで経験値を増やすために、沢山の問題を解いていくようにしてください。
ここで注意してほしいのは、いきなり場数を踏んでも、ただの「解き散らかし」になってしまいまうということです。
きちんと過去問を研究して、傾向や出題のクセなどを把握して、その対策をした上で場数を踏むと、それは「解き散らかし」ではなく「解きまくり」になります。
終盤は、以上の点に注意しつつ、勉強を進めていきましょう。
また、この時期に必要だと判断した場合は、古文常識の参考書をやったり、和歌の対策の参考書を追加するのは構いません。
2.最小限の努力で合格する古文の参考書
ここからは、古文の参考書について、具体的にオススメのものを紹介していきます。
どれも良書ですが、どれを使うにしてもきちんと完璧にしないと成績が伸びないことだけは忘れないように。
2-1.古文単語帳は『マドンナ古文単語』
古文単語に関しては『マドンナ古文単語』をオススメします。
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この単語帳は、単語帳として非常に優秀であるだけではありません。
一単語一単語に関しての解説や古文常識などの補足知識が多く収録されており、古文の世界があまりわからない人でもすんなりと、古文に興味を持てるような一冊となっています。
収録語数は少なくても、派生語も含めたら300語以上収録されているので、センターだけの受験生であればこの一冊で十分でしょう。
二次試験や私立大学の試験で古文が出題される場合であればもう一冊、600語レベルの参考書を進める必要があります。
このレベルだと、人気のある参考書や自分に合う・合わない参考書などを好きに選んでもらって構いません。
しかし、一度これと決めたら、他の参考書に目移りしたりせずに、その単語帳にある全ての単語を覚え尽くしてやるんだ、という気概で臨んでくださいね。
以下に600語レベルでオススメの参考書をいくつか紹介しておきます。
あくまでもどの参考書を選ぶかということより、どれだけやり込んだか、どれだけ徹底して覚えたかを重視するということを、重要視して選んでください。
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2-2.古典文法:吉野文法
さて、次は古典文法です。
ただ漫然と教材を読んだり、授業を聞いているだけでは成績は上がりません。
文法の中でも特に、古文読解に最も重要である助動詞は、接続・活用・意味を完ぺきに覚えないと、役に立ちません。
そこで、古典文法ができるようになるために、オススメのトレーニング法を紹介します。
それは、1日10分古典文法を声に出して暗記すること。
たったの10分です。
でも、毎日声に出して、暗記するだけで、2週間くらい続けていくと、スラスラと助動詞の接続・活用・意味が言えるようになるからぜひ続けてみてください。
古典文法の参考書で、暗記用にピッタリでオススメなのが、こちらの参考書になります。
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たくさん例文が紹介されているので、その部分を何十回も音読して覚えてしまいましょう。
古典文法は、声に出して覚えた方が、はるかに定着率が良いですよ。
古典文法を使いこなすには、アタマ(表面)で覚えるのではなく、カラダ(内面・潜在意識)で覚えないと実際の読解には使えません。
- 助動詞「る」の接続は?――四段・ナ変・ラ変の未然形接続!
- 助動詞「る」の活用は?――れ、れ、る、るる、るれ、れよ!
- 「る」の意味は?――意味は受身・自発・可能・尊敬!
このように毎日声に出すだけで、わずか2〜3週間で覚えることができます。
それを、さらに定着させて、どんなに緊迫した状況でも、緊張した状態で試験本番でも思い出せるようにするには、10~15分の毎日の練習がモノを言います。
『吉野の古典文法スーパー暗記帖』の巻末に助動詞の暗記表があるので、まずはそれを完ぺきに覚えることを最初の目標にしてください。
その暗記表が完ぺきに覚えることができたら、続いて、助詞、動詞も完ぺきに覚えます。
古典文法を完ぺきに暗記している状態と、暗記していない状態とでは、古文を読む力は雲泥の差ですから、本がボロボロになるまで、入試の直前まで、毎日続けてください。
また、『吉野の古典文法スーパー暗記帖』の他にも、これらの参考書も非常に良い参考書ですので、実際に書店に行って、手にとってみると良いでしょう。
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他にも、過去問や模試などの文法問題でなかなか点数が取れず、文法問題の演習が足りないと感じる場合は、以下の参考書で練習すると良いでしょう。
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2-3.本文読解の肝となる読解テクニックは『センター古文満点のコツ』
古文単語も古典文法も勉強したのになかなか古文が読めない…
そんな受験生から良く質問をもらいますが、彼ら彼女らが共通してやっていない勉強があります。
それが、古文の読解テクニックの習得です。
テクニックというとその場しのぎの小手先の技術という印象を受ける人もいるかもしれませんが、もちろんそのようなものではありません。
古文の読解テクニックを学ぶには、他に類を見ない良書ですから、ぜひこちらの参考書を使うようにしてください。
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この参考書を5〜6回、反復練習した頃には、だいぶ古文というもののパターンが見えてきます。
まるで、アニメ「ドラえもん」の話のパターンがいつも同じなように。「暴れん坊将軍」や「水戸黄門」の終わり方がいつも同じなように、古文の話の流れも、ほんの数種類のパターンしかないことが鮮明に見えるようになるでしょう。
それを、この本の勉強を通して、潜在意識に覚え込ませればいいのです。
そしてさらなる問題演習を通じて、テクニックを磨いて、古文のストックをどんどん増やしていくようにしていきましょう。
『センター古文 満点のコツ』は小さい本ですが、読解に必要なほとんどのテクニックが網羅されています。
これを2〜3ヶ月ぐらいかけて、徹底的に反復練習してください。
- この本に書いてあるテクニックは、一言一句、完ぺきに暗記したぞ!
- 古文を読むたびにこれらのテクニックを実行している
このような状態にしてもらいたいと思います。
他にも、これらの読解の参考書も良書ですから、本屋さんで見てみて、肌に合う方もの選んでみてください。
でも、一度選んだら他の教材に目移りせずに、必100%完璧にするようにしてくださいね。
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以上で、序盤の勉強が仕上がります。
2-4.古文読解のカギを握る古文敬語は『吉野式スーパー古文敬語』
私の元には例年、「古文敬語がニガテなんです…」という相談が数多く寄せられます。
でも、ホンキで古文の敬語をマスターしようと思うなら、5日もあればマスターできます。
古文敬語をマスターするのにオススメなのはこの参考書。
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古文が難しいのは、いちいち主語が省略されていたり、主語が入れ替わったりするために、主語がわかりにくいから。
古文単語・古典文法が完ぺきでも、主語がわからないと、読解のために必要な古文のストーリーがつかめません。
そこで、主語を確定するためにヒントとなるのが、“敬語”なのです。
敬語を得意にするために暗記しなければならない知識は『吉野式スーパー古文敬語 完璧バージョン』の、p.18~p.36までの、たった19ページに全て紹介されています。
敬語が理解できれば、古文の読解力も、さらにアップします。
ぜひこの19ページを丸暗記して完璧にするところから、始めてくださいね。
その後、本書についている問題で演習すれば、古文敬語に関してこれ以上やる必要はないでしょう。
闇雲に敬語に関しての参考書を増やすより、むしろ過去問や模試などの演習のなかで、出てきた敬語をきちんと理解できているという状態を作っていくことの方が、成績アップに繋がります。
2-5.古文音読:出典ゴロゴ
ここでは古文の勉強の中でも、わかりやすい「覚えた古文単語の数」などではなく、成績がいい人の特徴の「目に見えない部分」や、「感覚的な部分」の鍛え方のお話をします。
いわば、古文の栄養分はどうすれば吸収できるか、というお話です。
いろいろトレーニング方法はありますが、一番大事なことは何度もいうように、「音読」することです。
古文は、英語と同じように、音読することが何よりも大切。
そして、音読に最適(さいてき)なのが、この教材です。
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この本を毎日10~20分くらいずつ音読するようにすれば、古文の〝栄養分〟を吸収することができます。
- 古文独特の表現
- 古文のニュアンス
- 古文のリズム
音読をしていくことでこのような、ただ参考書を勉強するだけでは、なかなか身につけられない部分を、カラダで覚える(潜在意識に入れる)ことができます。
知っている古文のストックも圧倒的に増やせます。
正直なところ、古文の授業を1時間、聞くヒマがあったら、音読を1時間するほうが、ゼッタイに効果が出ます。
音読を毎日続けることによって、なまのままの古文が潜在意識の中にインプットされていき、やがて古文の本文がスラスラと読めるようになっていきます。
最初から何時間もやろうとせずに、まずは、毎日10~15分以上、音読する習慣をつけてください。
音読は、習慣化することが一番大事です。
なぜなら、習慣=潜在意識だからです。
音読しているうちに、中盤以降で必要な古文単語600語も、文脈の中で自然と覚えてしまうことでしょう。
文学史の勉強にもなりますので、隅から隅まで頭に入れるようにしてください。
また、この参考書以外にも、古文の音読でオススメの本がありますので、ご紹介していきます。
まずは『古文出典ゴロゴ』と同じシリーズの『古文読解ゴロゴ』です。
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この参考書は、『古文出典ゴロゴ』に比べると、収録している古文の数は少なくはなりますが、単語も文法も敬語も文学史も含めて、一つ一つの古文に対しての解説が詳しい参考書になっています。
『古文出典ゴロゴ』に掲載されている70本の古文を勉強尽くす時間のない、現役生などにはオススメです。
また、現役生であれば、学校の教科書に合わせた「教科書ガイド」もオススメです。
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2-6.センター・二次・私大・模試など
最後の段階は、いよいよ問題演習です。
1週間あたり、最低、2〜3題は解くようにしましょう。
私立文系の受験生で、古文に時間が多めに割ける人は、1週間あたり、5~6題は解きましょう。
文系の受験生なら、以下の教材がオススメです。
どれも良書ですので、時間の許すかぎり解いてください。
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また、理系の受験生なら、センター対策用の教材や予想問題集を解きましょう。
解き終わった問題は、全訳を読んで、問題文(古文)を音読して、これも自分のストックにしていくようにしてください。
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また、和歌や古文常識など、細かい個別の分野の対策に関しては、これらの参考書をお勧めしておきますので、どれか一冊、好きなものを完璧にするようにしてください。
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