こんにちは!大学受験塾ミスターステップアップ・講師の柏村です。
今日は、社会の中でも、「地理」を選択した人に向けて、
おススメの教材と効果的な使い方をお伝えします。
1.動画で地理オススメ教材を解説
地理の勉強法の基本は 『山岡の地理B教室』で、全体像をつかみ、 『共通テストの過去問』を使って、問題に慣れていくことがメインになります。
そういった勉強をしていく中でも、なかなか点数が上がらない、という人がいると思います。
そこで、ポイントを先にお伝えすると、
社会で大切なのは、目的に合わせて必要な教材を選ぶ、ということです。
今からいくつかオススメ教材を紹介しますが、全部やらなければならない、というワケではありません。
「こういう人には、この教材がオススメですよ」、 「こういう人は、こういうところが弱点なので強化しましょう」、 「こういう単元で点数を取りたい人は、こういう参考書がオススメですよ」、
というお話をしますが、紹介する本を全部やってください、という意味ではありませんので、そこは気をつけてください。
共通テストの過去問とかマーク模試の予想問題を解いたときに目標とする点数は、社会の場合は、難関大学を目指す場合でも80点くらいでいいと思います。
地理で90点以上を狙うよりは、英語か数学(理系なら理科)で点数を取ったほうがいいんです。
「地理で最低これくらいは取っておきたいな」っていう点数に到達できたなら、それ以上先の参考書は必要ないんですよ。
逆に
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「80点が目標」
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「80点以上取りたい!」
と思っているにもかかわらず山岡の地理B教室を解き、共通テストの過去問を5年か10年分やったけど、60点くらいしかないという場合は、その不足の20点を埋めていかないといけないわけです。
それを、どういった教材で埋めていけばいいのかを考える時、まず自分が現時点でどういった問題が弱点となって点数を落としているのかをチェックしていく必要があります。
2.【地理】目的別オススメ教材
では、地理の教材を紹介していきます。
2-1.統計、データの問題が苦手な人におススメの教材
特に共通テストでは、統計やデータに関する知識が無いのに、「いきなり解け」という問題がけっこう出てくるんですね。
そういった問題を解くのにオススメなのが「地理B統計・データの読み方が面白いほどわかる本」です。
KADOKAWA (2016-08-09)
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中身は、共通テストの過去問を使って
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「ここに目をつければ、実は知識が無くても解けるよ」
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「これだけの知識があれば、フツーに解けるんだよ」
というような種明かしをしてくれる本です。
もし、統計データの問題が苦手という人のうちシンプルな問題は山岡で解ける、という場合は、この教材が良いでしょう。
2-2.ややこしい知識・語句・単語・用語を覚えるための本
二冊目は
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「ややこしい知識や語句がなかなか覚えられない」
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「ややこしい単語や用語をまとめている本が欲しい」
という受験生に向けてオススメな教材である「間違えやすい地理B用語をセットで覚える本」です。
KADOKAWA/中経出版
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この本の良いところは、例えば
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「広葉樹と針葉樹はどう違うの?どこにあるの?」
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「海岸のV字谷とU字谷は、どっちがどうだった?」
などややこしい部分が全て整理されて、まとまっているところです。
もちろん、そういったものは自分で作ってもいいんです。
整理されたものをベースにして覚えていきながら問題演習や過去問演習し、また足りない部分が出てきたら自分でノートを作ってまとめるんですね。
一枚の紙にまとめる時のお手本にもなりますので、そういう面でもオススメの一冊です。
2-3.同じ分野をどんどん問いていきたい人向けの本
そして三冊目は、分野ごとに編集されたセンター試験の過去問集「センター試験への道」です。
これを使って過去問を通しで解いていくと、
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「時間配分」
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「現状の学力」
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「今の点数」
などがよくわかります。
同じ分野をどんどん解いていきたい、という人にはこの「センター試験への道」はオススメです。
2-4.難易度別に共通テストを試せる本
また、別の視点から、共通テストの過去問を試せる本もあります。
近年は、地理の問題でも「これは、かなり難しいな」という問題が出てくるんですね。
そういった問題を難易度別に分類している問題集があるんです。
それが河合塾から出ている「分野別、難易度つきセンター地理B」です。
河合出版
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この本は先程の「センター試験への道」とほぼ同じコンセプトで作られていますが、難易度が記載されているので難しい問題はとりあえず置いておいて、
もっと標準的な問題や、絶対に解けなければならない問題を正解していこう、という優先順位でやりたいときに役立ちます。
どちらを選んでも大きな差はありませんが、難易度がわかるというメリットがあるので、こちらの方がオススメです。
迷った人はぜひ本屋さんで中身を見て、どういう違いがあるのかを確認してから好きな方を選んで下さい。
2-5.なぜその答えになるのか?を親切に解説してくれている本
共通テスト対策の話をもう少しすると、大切なのは共通テストの問題を実際に解くことです。
そこから地理を学ぶ場合は、数学みたいに、なぜそれが答えになるのか、というプロセスの中に、何段階かのステップがあることを意識して勉強を進めて行かなければなりません。
そういったステップを詳細に書き込み式で書いてくれていて、さらに、必要な暗記事項も解説してくれている親切な本があります。
それが「パワーアップ整理と演習」という参考書です。
株式会社 帝国書院 (2017-02-25)
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これも使って頂くとよくわかりますが、共通テストの過去問を使いつつ、
正解に至るまでのステップを学び、抜け漏れている知識があれば一緒に吸収することができるという本です。
書き込み式になっているページもありますが、「山岡の地理B教室」で覚えられるという人であればそこまでする必要はありません。
この本は、共通テストの過去問をステップバイステップで解き、正しいプロセスで正解に至ることができるという点でオススメです。
2-6.地理のデータを頭に入れるための本
次に、必要に応じて、地理のデータをある程度は頭に入れておかなければなりません。
地理のデータをヤミクモに覚えようとすると大変ですので
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地理が苦手な人
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地理に時間をかけたくない人
は「山岡の地理B教室」に載っているデータだけを覚えたらいいと思います。
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地理をより安定して得点したい
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二次試験でも使いたい
という人であれば、この「地理データファイル」で出版されているものを覚えてください。
帝国書院 (2019-03-11)
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基本的に、新しいものほど良いですが、高2とか高3のときに配られたもの、一年か二年前のものでも大丈夫です。
一年や二年で大幅に変わるわけではありませんので、わざわざ買い直す必要はありません。
特に、覚えておいて欲しいのは
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それぞれの国の人口
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一人当たりのGMI
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収入
特に
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東南アジアで言うとマレーシア、インドネシア、タイ、フィリピンなどで、どこが裕福で、どこが貧しいのか
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フィンランドと韓国ではどちらが豊かなのか(産業が進んでいるのか)
などそういったところを一覧にして見たいという場合は、この「地理データファイル」は非常にオススメです。
それぞれ表の中でもポイントとなるところを受験生用にアドバイスがされています。
これも隅から隅まで見る、というよりは必要に応じて見てください。
例えば
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過去問でデータ問題が出て間違えたとき
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しっかり覚えておかないとマズイ!と思ったとき
に見るといいでしょう。
注意としては、一位を覚えようとしてもほとんどが、中国かインド、もしくはアメリカになるので、そのデータの中で特徴的な国を覚えていく、という工夫が必要になります。
本当の意味で使いこなすのは上級者でないとできませんので、これも必要に応じて見る、というレベルでいいと思います。
2-7.地誌を覚えたい人向けの本
そして
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「山岡の地理B教室」が合わないな
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地誌がないのが不安
という方は「村瀬の地理Bをはじめからていねいに」を使ってください。
ナガセ
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この本には、地誌編が載っています。
どうしても地誌を勉強しておきたい、という人は地誌を勉強してもいいですし、
「山岡の地理B教室」が合わないという人はそもそも「村瀬の地理Bをはじめからていねいに」で勉強しても良いですよ。
2-8.正統派な勉強が合わない人向けの本
実際に、日本史や世界史を勉強する場合は、「実況中継~」とか、そういった類の参考書が4、5冊は必要になりますが、地理の場合は、2冊にまとまっていますので、地理で暗記すべき量は少ないですね。
とは言えラクをできるかというと、そうではなく、 しっかり理解しないといけなかったり、計算しなきゃいけなかったりするのが、地理の特徴です。
そして、自分にはそういった正統派な勉強法が合わないな、という人にオススメなのが「ジオゴロ」です。
これは、必要な暗記は語呂合わせで覚えてしまいましょう、という教材です。
実際、僕も、この覚え方を活用していて、例えば、五大湖を、「スミヒエオンタ」というふうに覚えています。
スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖、オンタリオ湖
このように、頭文字を取って覚えたり、語呂合わせで覚えていくんですね。
この方法は、地理に限らず、どの教科でもオススメなんですけどそれをすごくまとまって覚えやすくしているのが、この「ジオゴロ」です。
正統派な勉強法は嫌だなあというときや、部分的に覚えにくいところだけは「ジオゴロ」を使う、という使い方はアリだと思います。
全部語呂だと逆に覚えにくい、という人もいるかもしれませんので使い方には注意してください。
2-9.地形図が苦手な受験生向けの本
地形図が苦手な受験生にオススメなのが「新地形図の読み方」という教材です。
この教材は、本当に地形図が苦手で、共通テストでもっと点数を取りたい、という人のものです。
実際多くの受験生の場合、地形図が苦手でも他がしっかり取れていれば8割くらいはとれますし、地形図の問題も簡単な問題ならできる、という場合はここまでやる必要はありません。
ですが、
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2次試験でも地理が出てくる
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他の教科の対策は全部万全で、地理の勉強に関しても地形図以外は盤石だから、どうしても地形図をやりたい
という受験生は「新地形図の読み方」はオススメです。
2-10.問題演習にオススメの本
二次レベルで言えば「実力をつける地理100題」が、オススメです。
Z会 (2010-03-05)
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もちろん問題集は、自分のレベルにあっていて、この一冊があれば志望校を狙える、というモノを持っていれば、その教材でいいんです。
ですが、もっと幅広く使える本が欲しいのであればこの「実力をつける地理100題」が良いと思います。
もし、二次試験で論述しか出てこない、という場合であれば論述だけの問題集でかまわないと思いますよ。
2-11.論述対策ができる問題集
論述対策も、基本的には何か一冊を完璧にするというところがポイントになってくるのですが、薄めの教材で言えば、この「納得できる地理論述」です。
河合出版
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もちろん、他の出版社からも地理の論述の参考書っていうのはあります。
もっと詳しいのを!もっとぶ厚めのものをやる時間がある!という受験生もいると思いますが、一冊を完璧にする、をゴールにしてください。
もう一つ、地理の勉強には地図帳も要りますが、
地図帳とは別に「地図と地名による地図攻略」という教材があります。
河合出版
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受験生に必要な地理の知識っていうのがありますが、その中でも、特に赤字の部分は覚えてほしい内容になっています。
これも、地理を得意にしたいとか、地名を覚えていきたいとか、覚えるべきポイントを明示してくれているので、「この地図と地名による地図攻略」がおススメです。
共通テストでは8割ぐらい取れたらいいと思っている人や、すでにある程度の点数が取れている人には不要だと思いますが、
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8割以上の点数を取りたい
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二次試験に必要だ
という受験生には良い一冊です。僕も二次試験で必要だったので、これを使って勉強しました。
おススメの参考書と問題集は、以上になります。
2-12.社会は目標点に到達すればOK!やり過ぎないことも大事
さて、ここまで多くの教材をおススメしてきましたが、大事なことなので、もう一度お伝えしておきます。
全部やる必要はありません。
そして、自分の目標点に到達したら、社会の勉強というのは、それ以上やる必要はありませんよ。
もし、それ以上やらなきゃならない人がいるとしたら、東大や京大、もしくは筑波大など、一部の大学の二次試験で地理が必要、という人だけです。
基本は、共通テスト対策がメインだと思いますので、目標点に到達できていたらそれ以上はやらずに、維持できるような勉強だけして、あとは他の教科に勉強時間を回していく、という形をとってください。
あくまでもこれらの教材は、サプリメントみたいなモノです
つまり、自分の弱点を補うためのモノとして使う、という点は、くれぐれも外さないように覚えておいてくださいね。