英語構文ができないと、英文和訳で0点!?
ホントのところ、「英単熟語の暗記」、「整序英作文の反復練習」、「毎日30分の音読」、「毎日30分のグ」、「過去問の解きまくり」を真剣に続けるだけでも、英語は得意になります。
しかし最難関をめざすなら、英語構文をマスターすることです。
「英語構文って、so …… that とか、it …… thatとか、 …… ,which とかでしょ?」 と言う人がいます。
たしかに、それも英語構文に違いありませんが、それは、初歩の初歩であって、本当の英語構文は、もっとコワイものです。「コワイ」というより、実に奥が深いものなんです。書店には、タイトルに「英語構文」とついた本はたくさんありますが、ほとんどが英熟語、相関語句の解説になっているだけです。英語構文について、かゆいところに手が届くような、スッキリした説明をしてくれている教材はほとんどありません。南極老人は、ありとあらゆる情報を駆使(くし)し、さまざまな予備校の授業内容や教材をリサーチし尽くした結果、ものすごいことがわかったそうです。
英語構文を、見事に解説している予備校講師は、「日本に10人もいない」と。それほど英語構文のとらえ方について、きちんと説明できている講師は少ないのです。
では、どのように勉強すれば、英語構文を正しく理解し、マスターすることができるのでしょうか?
実は、南極老人が20歳のとき、英語構文について、相当、悩んだそうです。
すでにセンターレベルなら、満点近くとれるようになっていたそうですが、早稲田・慶応・上智レベルの難問や、ハイレベルな模試(河合塾の東大オープン模試、駿台の東大実戦模試など)の英文和訳・英作文には歯が立たなかったそうです。入試でもことごとくやられていました。
原因は英語構文です。英語構文を徹底的に理解・活用できていなかったからです。
予備校トップ講師に相談してもダメでした。授業に出てもダメでした。例文を暗記してもダメでした。参考書を読んでもダメでした。ひたすら問題を解いてもダメでした。英語構文のギリギリ究極のところで、「これだっ!」というコツがつかめなかったのです。
そんなある日のこと。本屋さんの言語学のコーナーで、面白そうな本を見つけます。
『英語のくわしい研究法』古谷専三・著(たかち出版)
読みながら、「へぇ〜」と思っていると、突然、頭の中に電気が走りました。「これだっ!」というインスピレーションでした。そのまま買って帰り、翌朝まで10時間以上連続で熟読し、思わず「英語構文がわかったぞ!」と叫んだそうです。やっとわかったのです。英語構文のギリギリ究極のところが。「これだっ!」というコツが。
それ以降、英語の偏差値70の壁を越えて、全国トップに近づいたのは言うまでもありません。さて、この話を聞いて、「私もこの本で勉強しよう!」と思われた人もいるかと思いますが、ちょっと待ってください。今では、もっとおススメの本があります。
南極老人が「この教材の、この部分を反復練習するだけで英語構文のギリギリ究極のところがわかる」と断言した教材です。それがこの本です。
- 『英語リーディング教本』薬袋善郎・著(研究社)
南極老人がリサーチした結果、英語構文の教材では『英語リーディング教本』の右に出るものはありません。ただし、この本は難しいので、「あること」を知らないまま読み進めてしまうと、大ケガをするそうです。実際、この「あること」を知らないせいで、多くの受験生が途中で挫折してしまっているのです。
では、その「あること」とは何か? まず、『英語リーディング教本』は、ぶ厚いので、全部最初から読もうとしてはいけません。解説も詳しすぎて、ある程度の英語構文の知識がないと、全く歯が立ちません。この教材を1ページ目から、ちゃんと読もうとすると、挫折してしまう危険性が高いのです。そのため、そういう読み方はおススメしません。一度挫折してしまうと、潜在意識は「これはできない」 と判断してしまいます。潜在意識から見れば、
- できないことはマイナス
- できることはプラス
だからです。
「絶対にできることだけやる」、しかも「完ぺきにやる」、それを「続ける」というのが南極流の鉄則でした。
実は、『英語リーディング教本』の真髄(しんずい)は、わずか数ページの中におさまっているのです。この本の289〜291ページです。ここに真髄があります。この部分以外は、正直読めなくても大丈夫です。
それは50個の一問一答です。この50個の一問一答を完ぺきに覚えてください。完ぺき(・・・)にです。
最初のうちは意味がわからなくても結構です。毎日、声に出して30分ぐらいの練習を1週間も続ければ、いずれよどみなくスラスラ言えるようになるでしょう。
学校でも、教科書は音読しろ!と言われた記憶がある人も多いでしょう。
構成や文型がわからなくともイヤイヤながらも暗記するまで覚えたことがあったかもしれません。
でも、それが一番手っ取り早いし重要な対策なんです。
ハリウッドの映画でかっこいいセリフをよどみなく覚えた人もいるかもしれません。
(一生使わないかもしれない・・・とを思いつつも)
次にやるべきことは、『英語リーディング教本』の140〜180ページの付録部分にある39個の練習です。ここも、同じように徹底的に反復練習します。
- 50個の一問一答
- 39個の練習
がそれぞれ完ぺきになるまで(よどみなくスラスラ言えるようになるまで)、本文の詳しい解説は、ほとんど読む必要はありません。それらが完ぺきになりしだい、本文の詳しい解説のうち、どうしてもわからないところ、気になるところだけを熟読するようにします。くれぐれも、詳しい解説の海に溺(おぼ)れないように注意してください。大変ですからね。
真髄は、解説の中にはありません。実践の中にあります。
ところで、『英語リーディング教本』の目標は、文法用語を自由自在に使いこなすところにあります。
『英語リーディング教本』をマスターすると、「そうか、中学・高校で習った文法用語の意味がわかったぞ!」と実感できる日がくるでしょう。ここで言う文法用語とは、主に「品詞」と「働き」のことです。これを明確に区別することが重要です。
・品詞……名詞・動詞・形容詞・副詞・前置詞など
・働き……主語・動詞の目的語・前置詞の目的語・補語・名詞修飾・動詞修飾など
たとえば、品詞が名詞であれば、必ず、主語・動詞の目的語・前置詞の目的語・補語のどれかの働きになります。
「名詞の働きは?」という質問に、「主語・動詞の目的語・前置詞の目的語・補語」と2秒で答えられたらいいんです。
大げさに言ってるんじゃありませんよ。
「しゅご、どうしのもくてきご、ぜんちしのもくてきご、ほご」
と2秒で言ってみてください。
初めは意味なんてわからなくてもいいんです。2秒で言えるように毎日練習し、2秒で言えるようになったら、忘れないように毎日チェックするのです。
そうすると、だんだん、文章の意味がわかってきます。こういうことは、頭で理解できても、実際に活用できなければ全く意味がありません。これらの文法用語を自由自在に使いこなせてはじめて英語構文がマスターできるのです。
ぜひ、『英語リーディング教本』の付録のページを穴があくまで練習してください。練習の途中では、ほかの解説のページは、参考程度に読むにとどめてください。自分あまり詳しく読む必要はありません。読みすぎると、わけがわからなくなります。入試に間に合わなくなってしまいます。
英語構文の大切さを主張するのには理由があります。
南極老人は、かれこれ千人以上の受験生を指導してきました。偏差値70以上の優秀な生徒もたくさんいましたが、初めから日本語訳をしっかり書ける生徒にはめったに会ったことがありませんでした。
英単語も、英熟語も、英文法も、ちゃんと知識があるのに、基礎的な構文ルールを無視した日本語訳を平気で書いてしまう受験生が非常に多いのです。
無理もありません。そういった構文ルールを、ちゃんと教えてくれる先生がめったにいないからです。
上級者を目指すなら、英語構文を無視した訳文は絶対に許されません。実際に、難関大学の英文和訳の問題では、構文上のミスにはバッサリと0点をつけられてしまうのです。
英単語や英熟語が難しいことだけが難関校の共通点ではありません。一流大学ほど構文のミスを誘いやすいような英文を出題してきます。
英文を訳すときに、英語構文を無視して語順や条件を読み違えてしまったら、とんでもない誤訳を作ってしまいます。逆に、英語構文をマスターしてしまえば、どんなに難解な英文でも正しい意味を導き出すことができるのです。
英語構文が、ちゃんと、わかっているか。 それが一番ハッキリあらわれるのが下線部和訳です。これこそが上級への分かれ道です。まずは、おススメの教材から。
- 『基礎英文問題精講』中原道喜・著(旺文社)
- 『英文標準問題精講』原仙作・著(旺文社)
- 『英文和訳演習』(入門・基礎・中級・上級)伊藤和夫・著(駿台文庫)
- 『大学受験のための英文熟考』(上)・(下)竹岡広信・著(旺文社)
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どの本も、単語、熟語の難しさよりも、構文の難しさを問うような問題がそろっています。(特に『英文和訳演習』『英文熟考』はそうです。)解説もすばらしく、ただ機械的に日本語の意味をあてはめていくだけではなく、しっかりと構文をとらえることを目的として書かれているので、おススメです。
南極老人のイチオシは『英文和訳演習』(入門・基礎・中級・上級)です。
この「入門」とは、受験の「入門」という意味であって、決してカンタンという意味ではありません。「基礎」では、英語が得意な人でも全問正解は困難でしょう。問題を解くときは、正しく和訳ができているかはもちろん、きちんと構文を読み取ることができているかどうかということを意識してください。難関大学志望者は、この本を、「入門→基礎→中級→上級」と順番に(4冊とも)解いていきましょう。そして、反復演習をしましょう(4回以上)。
最終的に、この本の例文(下線部)を「英文 & 訳文」ごと暗記するのが理想です。
南極老人の話では、それを実行し、駿台の阪大実戦模試で1位になった生徒がいたそうです。また、『基礎英文問題精講』を8回全訳して、100回以上も音読して、英語の勉強は、ほぼそれだけで東大文Ⅰに合格した生徒もいたそうです。
音読、おそるべし! 反復、おそるべし!