こんにちは、ミスターステップアップ講師の村田明彦です。
今回の記事では、お子さんが勉強せず、イライラしてしまっている親御さん向けに、お子さんとの正しい向き合い方をお伝えしたいと思います。
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子どもが勉強せずイライラしてしまう
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勉強しない子どもの将来が心配だからなんとかやる気を出してほしい
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こちら(親)の言うことを聞かない子どもにイライラしてしまう
日々こういったお悩みをお持ちの親御さんは、ぜひこちらで紹介させていただいている内容を参考に、お子さんと接してみてください。
お子さんとの接し方を見直すことで、親御さん自身もお子さんと一緒に大きく成長することができるはずです。
1.なぜ子どもは勉強しないのか?
なぜ子どもは勉強しないのか?
この理由をお伝えする前に、まず、逆になぜ子どもは勉強するのかをお話しします。
子どもは人からの関心であったり、親からの関心を欲しています。
親からの関心が得られない、人からの関心を得られないのは、愛情欲求が満たされていないと言えるのです。
愛情を満たしてほしいから、逆に人を困らせたりします。
おとなしく勉強していると、勉強しているからいいか、と見てもらえなかったりします。
困らせることで大人の気を引いたりとか、周りからの関心を向けてもらうことが多いです。
子どもが勉強しない理由の一つに、愛情不足から来る、気を引くポーズになっていることがあります。
子どもが意図的にやっているのではなく、無意識でやっていたりするので、まずは子どもの愛情を満たしてあげることが大切です。
勉強しないとか、当たり前のことができない、ということで、この子はダメなのではないかとあきらめてしまったり、裁いてしまうような親御さんがいます。
周りの大人もそう見てしまうことがあったりしますが、根本的に子どもが自立して自分で人生を作っていくまでは、「愛情が欲しい」と言っているので、その愛情をどれだけ満たしてあげられるのかが、勉強につながっていくポイントです。
もし愛情を満たさないのに勉強だけさせると、あとあと大学に行った時に、燃え尽き症候群になって生きる気力を失ってしまったり、努力が長続きしなかったり、社会でやっていく自信がなくなって、問題ばかり起こす子どもになってしまいます。
子どもへの脅しや恐怖心をあおって、「勉強しないとこんな人生になる」「勉強しないといい大学に行けないから人生が終わる」といったように、恐怖心で勉強させようとすると、仮に勉強したとしても、長続きしないですし、勉強しないことが多かったりします。
本質を見極めたうえで愛情を満たすのを心がけることが大切です。
愛情を満たすのに一番大切なことが、食事です。
食事は子どもの体と心を作るものなので、食事を大切にすること自体が、子どもに対して深い愛情となって、実は裏側(目にみえないところ)で伝わっているのです。
手を抜いて、お金を渡しただけでご飯を買ってきなさい、と言っていると、愛情の込められていない食べ物をお腹にいれることになってしまうので、子どもの根本的な勉強のガソリンになるような、元気とか集中力につながらなくなってしまいます。
だから、愛情を満たしてあげることが大切です。
子どもを注意しがちですが、実は自分が満たされていないんじゃないか、というところがあります。
2.子どもが勉強しないことに対してイライラしてしまう理由
人の中にはコントロール欲求があって、誰かを思い通りに動かしたいという気持ちが生まれてしまいます。
初めは「子どものために」と思っていたとします。
たしかに、子どものためにというのは愛に近いですが、子どものためを思うから、いい大学に行くべき、いい大学に行くためには勉強すべき、勉強するためには学校に行くべき、と、どんどん「べき論」で言うようになっていく。
すると、子どもの生身の声を聴かなくなり、何を子どもが感じているのかが読み取れなくなってしまいます。
コントロール欲求が生まれて、そこから「こうあってほしい」という思いが強くなると、相手を支配してしまいたくなってしまったり、コントロールしようとしてしまいます。
勉強している方が世間体的にも良く、自分にとっての安心材料にもなる。
その背景には、子育てのプレッシャーで、子どもをちゃんと育て上げないといけないとか、社会人にさせないといけないとか、自立できるようにならないといけないとか、勉強できるというのは一番わかりやすい尺度になってしまっているところがあります。
だから、勉強していない子どもを見ると焦ったり、無理矢理やらせないといけなくなりますが、そうやって焦って子どもを見ても、愛情欲求を満たしてあげることにはならないので、そこはしばらく自分が本気でやりたくなるように待ってあげるのです。
また、自分が興味があることを一生懸命やらせてみるのもいいでしょう。
子どもが興味あること、たとえば車のことが好きだったら車の構造を理解したり、カメラが好きだったらカメラの構造を理解するなど、好きなことを一回徹底的に追及して煮詰めるようにしていくと、頭はすごく良くなります。
本来はそういうところまで待ってあげた方がいいですが、どうしても子どものためと思っていると、自分のためにそうあってほしいから、とすり替わってしまっていることもあります。
純粋に子どものためだけを思っている行動なのか、それとも自分を守りたいから、世間体を守りたいあための行動なのかを見極めることが大切です。
「子どもが社会的に評価される=自分の社会的評価につながる」とすり替わってしまうと、子どもに対して常にこうあるべき、というものが生まれてしまいます。
当塾の過去の塾生で、塾で書いた合格手帳や勉強の計画表を親が常に見てチェックしたり、17、18歳になるにも関わらず勉強の計画を全部親が立てたり、子どもが塾に行っているかどうかを親が常にGPSを見て管理されている子どもがいました。
自分の子どもだからと、子どもを自分の所有物として扱うことで、子ども自身が決める力、本人の内発性を失わせてしまったりします。
だから、子どもが自分からやりたいと思わせる、自分から立ち上がって勉強させるように育てていかないと、強引にやらせる流れになってしまうので、そこは子育てを通して見ていかないといけません。
子育てを通して自分との対話が必要になってきます。
だから、子どもの反応やリアクション、調子というのは自分の心の写し鏡だと思って、自分のことを見つめていくことで、より子育てが変わっていくのではないかと思います。
そういう意味で、親も子育てについて勉強したり、トレーニングしていかないといけないのです。
親御さん自身が日々の生活で余裕が無くなっているときに、お子さんが学校から帰ってきて、勉強もしないでテレビばかり見ていて、目先のことばかりにイライラしてしまったら、自己と対話をする必要があります。
本当にお子さんのためだと思った時には、しかるべき言葉をかけてあげる。でも操作はしない。
言ったら後は子どもに任せる。言ってみて反応を見る。
後はお母さんが全部やらないといけない、お父さんが全部やらないといけない、となると大変なので、そこはチームプレーでお父さんとお母さんで連携を取った方がいいです。
お父さんは方向を指し示す存在だから、こうあるべきと言う時は、お父さんに出てきてもらって話してもらう。
そして、普段子どもを受け入れたり、見守ってあげたりする時は、お母さんに任せる。
このように母性と父性がバランスよく子どもに発揮されたら、子どもは方向性を見失った時は父性を頼り、自分という存在を受け入れてもらいたい時は母性を頼るようになっていきます。
このようにして、母性と父性を役割分担していくのです。
子育てといっても、例えば水道管が破裂したら水道屋さんにお願いしますが、子育てに関してはプロにお願いすることはないかもしれません。
本当は子育ての道の専門家がいて、専門的な視点が必要だったりするのですが、自分の裁量でやってしまうがゆえにうまくいかないケースもあります。
子育てを学んでいくと、自分たちだけで育てようとするよりかは、親が教えられることは少なくなっていくことに気づくと思います。
親が年を重ねれば重ねるほど、子どもは外で学習していくことが多くなっていくので、外の人間関係、第三者に任せていくのが大切になるのです。
親御さんも一人の人間として完璧でなくてよくて、家庭の外の社会、学校であったり部活であったり、アルバイトであったり、塾でもいいのですが、そういったところで子どもは別の大人に教えてもらうのです。
親が社会常識はこうで、お金はこういう価値があってといくら言っても、子どもは全然ぴんと来ていないかもしれません。
同じことを心配して失敗してしまったり、何回言っても通じないことがあるとすれば、その子どもは外で学ぶしかないのに、親子関係だとどこまでも許されると思ってしまったり、どこまでも甘えられる存在だと思ったりするから全然通じないケースがあります。
ですので、しばらく見守り続けてあげることが大事になってきます。
親がやってあげられることは年々少なくなっていくので、子どもを自分で握りしめるように育てるよりかは、手放していきながら見守り続け、肝心な場面での状況や様子は見守り続けてあげるのが一番いいと思います。
そして、一番愛情を伝えられるのがご飯です。
たしかに母子家庭や共働きで子どものためだけに作るのはできない、という現実的事情はあると思いますが、そこは兼ね合いだと思います。
親が汗水たらして自分のために何かをやってくれていることは、子どもにも伝わるものです。
家庭の状況によって異なると思いますので、バランスを見て自分がやってあげられることは何かを見極めていきながら、子育てをしていく必要があると思います。
子育ては本当に思い通りいきませんし、やっても変わらないことが多いですが、やっていて気が滅入ったり、期待した分だけ裏切られてその分嫌な思いをすることもあるのですが、期待せずに無償の愛を与えることが大切です。
無償の愛を与えられるのかと思う方もいるかもしれません。
しかし、母親は子どもを産んだ時から無償の愛が出てくるようにできています。
お母さんはどこまでも愛情を子どもに与え続けることができるのです。
子どもに対して積極的に関わったり、口出ししたり、支配的になるではなくて、子どもを見守り続けてあげて、居場所があるようにしてあげる。
そして、料理をして愛情を伝えるのが一番分かりやすいのではないかと思います。
3.「子どもが勉強しない!」とイライラしてはいけない3つの理由
子どもが勉強しない!とイライラしてはいけないのは、3つの理由があります。
1つ目が、母親のイライラが子どもにうつって、勉強ができなくなることがあるからです。
お母さんのイライラと子どものイライラは連動します。
お母さんがイライラした言葉を聞くと、当然母親はイライラした状態で子育てし、子どもに言葉をかけ、接してしまう。
すると、そのイライラが子どもの心の中に入っていってしまい、子どもは逆にイライラしてしまうので、目の前の勉強に集中できなくなってしまいます。
そのイライラを発散するためにテレビゲームをしたり、ゲームセンターに遊びに行ったり、暴飲暴食をしたり、ネットサーフィンをしたりしてしまうのです。
子どもにイライラをうつさないために、まずお母さんはイライラしてはいけないです。
言い方を変えたら、子どもが勉強するときは安心感に包まれている時のほうが勉強できます。
家庭の中の安心の空気を壊すと、子どもが家で全然エネルギーを充電できなくなってしまうので、家ではイライラしないことが大切です。
2つ目が、子どもの信用を失うからです。
子どもが勉強しないことに対してイライラすると、子どもは無条件に受け入れられていないと思ってしまう。
子どもは愛情欲求が強いので、愛情欲求が満たされず、仮にイライラすることで勉強させたとしても、それは親の顔色や目線を伺ったうえで勉強しているに過ぎません。
自分で勉強するという自発性に基づいたものではないので、結局その努力は長続きしないのです。
後で結局ガス欠を起こし、我慢して勉強している形になるので、我慢していやいややったことは、後でひずみが生まれて破滅させてしまったり、破壊してしまったりします。
だから、一時的に勉強したとしても、結局後で勉強しなくなることが非常に多いので、まずは子どもに対して信用されるようにした方がいいです。
そして、イライラしないようにしましょう。
イライラしている時点で、子どもはピシャっとシャッターを閉めてしまって、大人に対して心を閉ざし、親にも心を閉ざしてしまいます。
人間関係がそれだけで破綻してしまって、親のことは聞く耳を持たなくなり、ひどい場合には荒れて親に反抗する態度をとってしまいます。
ですので、何事もイライラして推し進めるのはやめた方がいいのです。
3つ目は、子どもが勉強しないことに対してイライラするのは、子どもに対して過度な期待を寄せているからなのです。
よくアドラー心理学などで描かれていますが、子どもが勉強することは子どもの課題なのであって、課題の分離をしていかないといけません。
親も勉強して自分の課題に取り組み、子どもに環境を与えてあげて、子どもが勉強したくなるようなシチュエーションを作ってあげるのは全然いいです。
しかし、親が子どもに対して過度に勉強しなさいとイライラしながら言うと、親自身が自分の課題に取り組まなくなります。
結局一番よくないのが、自分も子育てで疲れてしまい、怒ってばっかりで心のエネルギーをすり減らし、子どもをコントロールすることばかりで、自分自身が疲れてきてやる気がなくなってしまうことなのです。
子どもをコントロールして勉強させようとすると、自分自身のエネルギーがどんどんなくなってしまいます。
親自身が自分のコントロール欲求に打ち勝って、子どもが勉強しなかったとしても、あたたかく受け入れられるようになることが大切です。
勉強する状況を作っていきたいのであれば、子どもが勉強しやすいような環境を家の外で作ってあげましょう。
塾に通わせたり、子どもが勉強する前に本を読むようにしたり、本棚に本を入れておいてあげたりと、子どもが勉強に向き合うような環境や状態を作ってあげることで、子どもは勉強するようになっていきます。
くれぐれも自分が疲れているからと、イライラを持ち続けるのは人間関係上やめた方がいいです。
とくに親子関係では子どもの信頼を失ってしまうので、やめるようにしましょう。
4.勉強しない子どもに親が絶対に言ってはいけないこととは?
親が子どもに期待するようなことを言ってしまうと、子どもは逆の方向に行ってしまいます。
これを「逆効果の法則」と言うのですが、逆に誘導してしまうのです。
こうあってほしいと思えば思うほど、言わない方がいいことがあります。
まず一つ目は、「勉強しなさい」です。
勉強しなさいと言って勉強する子どもはいないので、勉強しなさいといって逆に勉強しなくなるケースは非常に多いです。
他にも「いくらお金がかかったと思っているんだ」も言わない方がいいです。
教育にどれだけお金がかかっているのかを子どもに言うと、子どもは「僕はお金で測れる価値なんだ」と思ってしまいます。
お金の話をすると、子どもはお金を稼いでいないにも関わらず親の方が勝手に立場も偉くなりますし、親の方が経済的に優位な立場に立ってしまい、人間関係のマウントポジションをとれてしまいます。
絶対優位性を保っているところから、子どもに命令したり、いくらかかったのかと脅してしまうと、それだけで子どもとの信頼関係は傷ついて、子どもは自分で口を閉ざして本音を言わなくなってしまい、親のことを信じなくなってしまいます。
絶対勝てる立場から「いくらかかっていると思っているんだ」って言うのは、フェアではありません。
たしかに親子関係ではフェアではなく、育てた親の方が子どもに対して絶対的に偉いという考え方もあります。
しかし、同じ人間であり、その子の尊厳をちゃんと尊重したり認めてあげることが大切なのです。
親は子どもに対してお金で脅したり不安をあおったりすると、いくら子どもに対してお金がかかっていたことが事実だったとしても、そう言った時点で子どもとの信頼関係は消えてしまいます。
ですので、絶対に言わない方がいいでしょう。
子どもが親に対してお金をかけさせて申し訳なかったな、ありがたかったなと思うのは、自分が実際にお金を稼ぎ始めてからだったり、家族や所帯を持った時だったり、親の立場に立った時に初めて気づくことも多いです。
今の段階ではそれを教育しようとしても、逆に信用だったり信頼を失ったりしてしまうので、言うべきではないのです。
他にも、「親の言うことを聞きなさい」という言葉ですが、親だから偉い、親の言うことを聞かない子はダメになると言うと、子どもは外で学べなくなってしまいます。
親のことを絶対視しろというのは言うべきではないですし、そう言うと、逆に逆効果の法則で言えば言うほど親に反発したり、反抗したり、言うことを聞かなくなったりしてしまいます。
ですので、子どもを教育するのに必要なのは、親自身が自分の生き方とか生き様で子供に教育していくことの方が大切です。
言葉で「親の言うことを聞け」と言うよりも、親の生き方を見せる。
親をモデルとして勉強してほしいのであれば、自分が勉強している姿勢を見せる。
嘘つきに育てたくないのであれば、自分も嘘をつかないようにする。
いくら言葉で説得しようとしても逆効果になってしまうので、やめるようにしましょう。
また、「○○ちゃんと比べて」も言ってはいけません。
人と比較すると、結局その子どもはいつも人と比較する癖がついてしまって、自分で自分の価値を下げてしまいます。
○○ちゃんと比べて私はダメな人間だ、○○ちゃんと比べて勉強が進んでいない、○○ちゃんと比べて志望大学劣っている、と常に他人と比較して自分を蔑んでしまったり、自己卑下してしまう子どもになってしまうからです。
誰かとの比較で苦しんでいる子ども、それで自信を喪失してしまっている子ども、すぐ比較して自分の能力や価値を下げてしまう子どもは多くいるので、そういった子どもにならないようにするために、「○○ちゃんと比べて」といったことは言わない方がいいです。
よく兄弟同士で比べてしまうことがありますよね。
お兄ちゃんに過剰にコンプレックスを抱いてしまっていたり、弟の方が自分より愛されているじゃないかと自信を喪失してしまっている場合があります。
たしかに愛は等分して渡すことはできないかもしれません。
どうしても良くできる子に対して、目線が行きがちだったり褒めがちだったりするかもしれません。
しかし、その子自身の良さ、他人と違って良いところを見つけてあげ、その子の特質であったりその子の本質を褒めてあげることで、その子自身も自分の個性を認めることができたり、自分の価値を感じられるようになったりします。
誰かと比べてばかりの発言をすると、子どもの中に刷り込みが生まれて、すぐ人と比較してダメなんだと自己卑下する癖がついてしまうので、やめた方がいいでしょう。
5.勉強しない子どもに勉強好きになってもらうには?
勉強しない子どもに勉強好きになってもらうには、まず勉強のことで怒らないことが大切です。
勉強のことで怒ったり、勉強のことをしなければならないという風に「have to」になってしまうと、子どもは勉強しなかった時に親が怒るから勉強するふりをして、中身がある勉強をしなくなったり、その場だけ勉強しているふりをして、勉強している姿だけうまいこと見せていくようになってしまいます。
ですので、まずは勉強好きにさせたいのであれば、勉強できていなかったり、勉強していなかったことをいちいち怒らないようにしましょう。
表情に出さないようにするのが、勉強好きにするコツです。
普通に勉強好きになるのは難しかったりするので、自分が興味を持てる対象から学ぶのがいいかもしれません。
例えば自分が昆虫が好きなのだったら、昆虫を死ぬほど観察したり、昆虫を眺めるようにしたり、昆虫の展覧会に見に行ったりする。
例えば機械が好きでロボットを動かすのが好きなのだったら、プラモデルを徹底的に研究していって、そこからどんな物理的な力が動いているのかをずっととことん掘り下げていくと、それだけで頭はよくなります。
まずは好奇心を持てるものや自分が好きなものから一点突破していくようにしましょう。
たしかに親からすると、そんなことしている暇があるなら勉強しなさいとか、趣味に没頭するくらいだったら英語や数学の勉強をしなさいとか、遊んでいる子に対してどうしても遊びから遠ざけて勉強させたほうがいいのでは、と思ってしまうかもしれません。
でも、子どもは勉強が好きではないから長続きしなくなってしまうのです。
勉強を好きにさせるという意味でいうと、まずは自分が一番好奇心を持てることであったり、興味を持てることから一点突破していくことが大切です。
have toの勉強ではなく、want toの勉強から入るのです。
have toの勉強は「~しなければならない」なので、たしかに受験ではやらないといけませんが、勉強嫌いな子に対して勉強をやるように言っても、一向にやるようにならなかったり、やる気配がなかったりします。
最初の導入部分でまずは勉強好きになってもらうために、好奇心とか自分が興味を持てる分野から勉強を進めていくようにしてもらうことが一番良いと思います。
興味を持てるところが突破口になるのです。
例えば三国志の漫画が好きな男の子がいました。
三国志は世界史の一部分になるのですが、三国志の登場人物を覚えたことによって、その時代のことが理解できて、そこから中国史が好きになり、世界史全体が好きになった子もいます。
高校野球が好きな男の子は、智弁和歌山など高校野球の強いチームをきっかけに地名を覚えていって、そこから地方の特産物を覚えていくようになって地理が好きになりました。
ある女の子はビートルズの歌詞がすごい大好きで、ビートルズの歌詞をずっと書き写ししてそれを毎日音読し続けていったら英語が好きになって、それで英語が得意になり、センターの英語も音読し続けていったら180点とれるようになりました。
化学が好きでブルーバックスとかNewtonとか化学系の雑誌とか本を読む習慣があって、それを読み進めていると勝手に数学や英語も好きになっていったなど、事例はたくさんあります。
だから、何か好きなこととか、これは楽しいなと思えることから一点突破、全面展開していくようにします。
好きなことをきっかけに、have toの勉強を乗り越えていくのが、すごい良いと思います。
勉強嫌いな子を勉強好きにさせていく。
好奇心とか興味をもてるところからの導入が大事になってきます。
何かを突き詰めていくことで、どこかの世界につながっていくのです。
ロボットのことだけでも一分野を掘り下げるととても複雑なプロセスがあったり、複雑な仕組みが背景にあったりするので、それを追及して探求していくだけでも頭はすごく良くなっていきます。
だから、興味のないことをやりなさい、提出物を出しなさい、今度の定期テスト良い点数を取りなさいと言っても、どうしても子どもの場合はモチベーションがもたないことが多いです。
そうではなくて、自分の興味の対象になることや、好きなことを突破口に頑張れるようにしていくのが大切です。
6.子どもとともに親も成長していく
親は子どもと一緒に学び続けていかないといけません。
親だから子どものように学ぶ必要がないとか、子どものように勉強する必要がないとかではないのです。
親自身も分からないことがあったり、不得意なことがあったりするので、自分も学んでいくようにすると、子どもとともに成長することができます。
子どもを勉強させたいのであったら、親自身が学べるような状況を作っていくのです。
親の場合だと、子どもの教育のことばかり、子どもが勉強しているかどうかばかり気にしていると、自分が学ぶ時間を持てなくなってしまいます。
子どもを成長させたいのであれば、自分も成長していくのです。
自分も習い事をしたり、読書をしたり、知らないことを全部自分で調べてノートを作っていったり、自分が今まで理系が苦手だったら理系の勉強をしたり、文系が苦手だったら文系の勉強をしたり、親自身が常に今の状況から抜け出していくようにする。
勉強しなくなると、自分の中に固定観念や固定概念を作ってしまい、そこからしか物事を見なくなってしまいます。
ですので、常に親も自分の固定観念や頭の中で考えている枠組みを壊していくという意味でも、新しい情報を仕入れて、新しいことを記憶して、新しい言葉を使っていかないと、学んでいっていることにはならないのです。
親自身が学びを進めていくことで、自然と子どももそれに感化されたり影響を受けて、子どもも成長して自分で学ぶ姿勢になっていきます。
子育てを言い訳にして自分は勉強しないとか、働いていることを言い訳にして自分は勉強しないのではなく、子どもに切実に勉強してほしいのであれば、自分も日々何でもいいので、受験勉強とは関係ないことでいいので、勉強していくようにしましょう。
それは仕事のことでも、趣味のことでも、機械のことでも、カメラのことでも、ビデオのことでも、何でもいいのです。
身近なことから勉強していき、子どもの目につくところでやってあげたり、学んだことを子どもと一緒にシェア、共有したり、会話の中で学んだことを紹介したり発表したりするのです。
こうすることで、子どもの好奇心も促されて、親もこんなに勉強しているから自分も勉強しないと、と子どもも知らず知らずのうちに勉強していくようになります。
親も絶えず学び続けていくことが大切です。
親御さんの中では、子育てをしないといけないと思って、自分が勉強することに罪悪感を感じる人、自分のために時間を使うことが悪いことだと思っている人もいるかもしれません。
しかし、子どもは一人で育てることができませんので、親が一番責任をもって子どもを育てることになります。
子どもに対しても、家の外の社会でもまれていったり、学ばせていったり、外で頼れる大人を見つけさせるようにしていきます。
親も子どもに対して教育しようとか、何か教えてあげないといけないとか、子どもの教育が忙しいとかいろいろな理由がありますが、実際は年を重ねていけばいくほど、手がかかることは少なくなっていくので、必ず時間は生まれてくると思います。
親が子どもの管理から計画表から全部立てている親御さんがたまにいますが、そうして全部親がやると、何もやれない子どもになってしまいます。
親がやってあげ過ぎたり、良かれと思ってやっていると、全部裏目に出て逆効果の法則になってしまいます。
親は子どもの状況とか教育にはできる限り口出しをしないようにしてあげて、自由にのびのびとやらせてあげるにしましょう。
ただしそれだけでは、だらだらする子どもや勉強嫌いの子どもしか育たなくなってしまうので、そうならないためにも、子どもを安心して信用のおける第三者に預けて外で成長させるようにしていきます。
子どもは外で学ぶことの方が圧倒的に多いので、外で人間関係を形成していきます。
「すみませんこれ分からないので教えてください」、「すみませんこれはどうしたら良いのですか」と、頭を下げていきながら、子どもは自分の分からないこと、苦手としていることを吸収していきます。
自分の経験を言いすぎて子どもに過干渉になると、自分の体験として残っていかないので子どもの成長もなくなります。
子ども自身も本当にこの状況がダメで、嫌で乗り越えたいと思っているなら、自分の意志で立ち上がろうとするでしょう。
そういった意味では、親が何かをやってあげてぬるま湯で育ててあげるよりかは、少し過酷な環境の中に身を置いて、それでも自分はこの過酷な環境の中で自分一人でやっていけるとか、合格するんだとか、頑張るんだと決意して頑張る方が、子どもは強くなります。
最終的に親が何かをやってあげすぎたり、口出ししすぎた子は、子どもとしても全然自信がつかないですし、自分で乗り越えてきた経験値がないから、いつまでたってもモテないみたいなケースも結構あります。
ですので、親も子どもと一緒に成長していくことが大切なのです。
そして、むしろ親が見ていない間に子どもは育つと思った方がいいです。
干渉すればするほど、子どもは育たなくなります。
親は子どもを手放していきながら、子どもが自由にやるように推し進めてあげる。
その空いた分だけ親も習い事をしたり、本を読んだり、資格を取る勉強をしたりしていくと、子どもは勝手に親のことを尊敬してくれるようになるのです。
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