こんにちは、大学受験塾ミスターステップアップ講師の柏村真至です。
この記事では、合格する浪人生と失敗する浪人生の違いや、失敗パターンの改善方法、また浪人生活の効果的な過ごし方について、お伝えします。
- がんばっているのに成績が上がらない
- 勉強したのに合格できない
- そもそもなかなか勉強に手が付かない
そんな悩みをもったまま、浪人している、または浪人を重ねている受験生は、数多くいます。
この記事では、不合格になる勉強のやり方の特徴と、その改善点について、また浪人生の成功パターンと失敗パターンについてもお伝えしようと思います。
他にも、モチベーションの保ち方、浪人期間中の人間関係、勉強環境の選び方なども含めて、幅広く解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
1.浪人して失敗してしまう人の特徴5選
この章ではまず、浪人して失敗してしまう受験生の特徴を5つ、お伝えします。
毎年たくさんの受験生を見てきた中で、浪人生、特に何年も浪人を重ねている受験生(いわゆる多浪生)には、実は共通の失敗パターンがありました。
その浪人生の落とし穴についてお伝えしますので、「自分はこの落とし穴にはまってしまっていないかな?」と自問自答してみてください。
また「これはまさに自分のことだな」と思う部分に関しては、ちゃんと修正し、この受験の1年間で乗り越えていきましょう。
1-1.勉強法が自己流
「自分は絶対にこの参考書を使いたいんだ!」などと言って、自分を合格まで導いてくれるはずの指導者の意見を、素直に聞かないタイプの受験生は、なかなか合格できないことが多いです。
こういったタイプの受験生は、ネットの情報や根も葉もない噂話を元にした、我流の「こだわり」を、なかなか捨てきれていません。
受験生というのは、何年も受験生を指導してきた先生や講師よりも、当然勉強の基準が低いわけですから、講師からオススメされたことを、我を挟まずに素直に愚直にやれる受験生の方が、成績が上がりやすいのです。
指導者の言うことを聞かなくなってしまう癖が自分にあるなぁ、と感じた受験生は、まずは言われたことをトコトンやりきるようにしてみてください。
1-2.ネット等の受験情報に流される
今の時代にスマホを持っていない受験生はなかなかいないと思います。
確かにスマホは便利なのですが、その使い方には注意する必要があります。
ネットの受験情報に流されてしまう受験生の特徴は、以下のような情報を何も考えずに、鵜呑みにしてしまっていることです。
- ○○大学に合格した人は、この参考書を使っていた!
- 医学部に合格するには、この参考書くらいは勉強しておかないと合格出来ない
このような根も葉もない噂やネットの情報を、なんの精査もせず、信じてしまうのです。
本来、その人にあった勉強法や参考書というのは、今の実力や勉強量、残りの受験期間、これまでの勉強履歴などを、総合的に考えて判断するべきです。
そのプロセスを一切省いて、その参考書を使えば必ず合格できる、というような盲信をしてしまうのは御法度です。
もしもこの失敗パターンに思い当たる節があれば、必ず信頼できる指導者の指示に従うようにしましょう。
参考書選びなどは全て講師や先生に託して、あなた自身は勉強そのものに、専念する必要があります。
1-3.マイナスな情報や過去の傷などを抱えてしまう
- 過去、先生に勉強ができなくてきつく怒られた経験があった
- 自分は勉強は出来ないという前提のもとで、物事を考えてしまう
このような受験生は、普段の思考からセルフイメージが低い状態にあると言えます。
また、セルフイメージの低い人は、逆転合格する人をみて、この人は自分とは違うと、自分と分離して捉えてしまうのです。
1年間とことん受験勉強と向き合う覚悟もなく、自分は勉強ができるという確信もないまま、自分を信じられないでいては、合格からは遠ざかってしまいます。
セルフイメージを変える方法を端的に言うと、毎日できることを毎日やると宣言して、確実に実行していくことで、潜在意識を目覚めさせ、自分はできるという自信を身につけることです。
しかし、潜在意識の目覚めさせ方をお伝えするには、ここで言っていること以上に多くを語る必要があります。
詳しくは拙著『大逆転勉強法』でもお伝えしているので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
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1-4.生活リズムが崩れてしまう
浪人生になると、自由な時間が多いからといって寝てしまったり、勉強中の休憩が増えてしまったりして、結局勉強時間が増えていない、というパターンも非常に多いです。
高校生の時は、1限目に遅刻しないように、朝ちゃんと起きられる人が多いですが、浪人生になり、1日の予定を自分で自由に組み立てられるようになると、途端に朝起きられなくなってしまうのです。
また、夜遅くまでやって次の日に寝坊して、遅れを取り戻そうとさらに次の日にも夜遅くまで起きているというのも、不合格になりやすい浪人生の失敗パターンです。
思い当たる節があるひとも、多いのではないでしょうか??
1-5.合格した友達から遊びに誘われる
-
1日だけなら大丈夫
-
最近お前、付き合い悪いよな
などといった言葉をかけられて、1日だけだからと遊びに行ってしまう浪人生も、合格しにくい傾向があります。
受験生の立場から見ると、その日だけ遊んで、その日の勉強時間が減るだけだと思うかもしれません。
しかし、長年受験生を見てきた経験から、遊びに行ってしまうことの影響は、実はその日限りではないことがわかっています。
前日に遊びの予定に意識を向けたり、終わってから思い出して勉強中に上の空になってしまうなど、その影響は目に見えない部分で、大きく現れてきます。
油断していると大ダメージになってしまうので、この一年だけはストイックに、受験勉強にトコトン専念するようにしてください。
2.浪人して失敗しないための一日の過ごし方
次は、浪人生の勉強が捗るような一日の過ごし方についてお伝えしていきます。
まずは朝起きた時に、1日の計画を立てるようにしてください。
また、朝なかなか起きられない人は、何時に起こして欲しいと家族に頼むのも、1つの手でしょう。
朝立てる計画は、1日の生活の中で最低でもこれくらいはやっておきたいな、という事だけを決めておくようにしてください。
その時のコツは、余裕をきちんと取っておき、かつ完璧主義にならないようにする事です。
だいたい失敗する浪人生の計画の立て方は、詰め込みすぎか、細かすぎるということです。
1日に出来る量には限りがあるにもかかわらず、自分の勉強量に見合わない無茶な計画を立ててしまう場合。
細かく立てすぎて、計画を守ることそのものに注力してしまい、少しでも計画が狂うと落ち込んでしまうという場合。
いずれにしても、自分にとってちょうどいい加減の勉強量・計画にしておくことが必要となります。
また、自分にとって最適な計画を立てるためには、普段から自分の使える時間を把握しておくことが必要となってきます。
ですので、普段はあまり手帳は使わないというひとも、手帳を活用して、1日の生活と勉強の両方の記録を取るようにしましょう。
私達の塾、大学受験塾ミスターステップアップでは、『ゴールから発想する合格手帳』という書籍も出版しています。
1年間の勉強の計画の立て方や勉強法も含めて、あなたの合格に役立つ情報をギュッと凝縮した、受験生のあなたのための手帳です。
まだ手帳を持っていない、書いていない人や、具体的な手帳の書き方がわからない人は、ぜひ活用してください。
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3.浪人で失敗しないための勉強法と改善点
ここからは、一度受験に失敗し、浪人することになってしまったあなたでも、来年奇跡の大逆転合格を起こすために必要な勉強法と、そのやり方についてお伝えしていきます。
また、浪人してしまう受験生にありがちな失敗パターンから、これからあなたがどのように勉強していけばいいのか、具体的に何をどのように変えていくことで、合格出来るのかもお伝えしますので、ぜひ今日から実践してください。
3-1.改善点1 : 「教材の選び方」を改める
成績が上がらずに失敗しがちな浪人生や受験生の特徴一つは、使っている教材が間違っている、教材が自分に合っていない、ということです。
たとえば、あなたはこんな教材を使っていませんか?
-
分厚い参考書や問題集
-
自分の学力レベルにあってない参考書や問題集
-
正解だけ載っていて、解説が載ってない問題集
もし、あなたがこれらの中のどれか一つでも使っているのであれば、すぐその教材を使うのをやめて、『E判定 からの大逆転勉強法』で紹介している参考書に変えてください。
私たちの塾では、1冊を最初から最後まですぐに一周できるような基礎的なカンタンな問題集を選ぶように勧めています。
なぜ、そのような教材を勧めているのか、その理由はたくさんあるのですが、今回はその中でも大きな理由の一つは、一度きちんと勉強した内容を、無駄にしないためです。
普通の高校生の場合は、通っている学校で行われるカリキュラムの進行というのは、一つ目の分野が終わったら二つ目に行き、二つ目を教えている期間には、一つ目の分野の復習を全くしないで進んでいく、とものがほとんどです。
例えるなら、方眼のマス目を、一つずつ塗って、埋めていくようなイメージですね。
文系の人の数学を例にあげると、一般的に数IIBが終わるのが高校2年生の2学期か3学期頃です。
そして高校3年生の春から、入試問題の演習を進めていくことになると思います。
理系の人なら、高校3年生の夏前にやっと数Ⅲが終わるところが多いでしょう。
そこからやっと入試問題へ進んでいく、という流れが一般的ですね。
このように学習を進めると3年生になった時に、2年前にやった1年生の範囲も出題される入試問題をいきなり解くことになるのですから、当然復習していない人は、1年生の内容を忘れているので、1年の内容をまた勉強し直すことになってしまいます。
そうすると1年以上のブランクがあるわけですから、公式や解法を全部忘れてしまっていて、また高校3年生で最初から勉強しなければならないという、圧倒的に非効率なことが起こるのです。
進学校であれば、基礎はもちろん応用問題や入試問題レベルまで定期テストで出てきます。
一つひとつを深めていくがゆえに、数Ⅲまで終わるのが、高3の2学期になってしまうのです。
ですので、高校生の数学全範囲を1周するのに時間がかかり、久しぶりに勉強するとなると、学んだことをすっかり忘れてしまうのです。
これでは、なかなか受験勉強が進みません。
このようなありがちな失敗パターンを解決するために、浪人生に対して『大逆転勉強法』で勧めているのが、薄くて簡単な問題集を使うことなのです。
例えば数学でいうと、『ドラゴン桜式数学ドリル』という教材を進めています。
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この問題集は、問題数が少なく計算演習が中心のテキストです。
冊子自体が非常に薄い割には、多くの基本的な重要事項を網羅しているので、序盤には非常にオススメのテキストとなっています。
非常に薄っぺらいこの参考書を短期間で何周も繰り返し勉強することで、全範囲の基本的な内容、基礎を定着させることができます。
簡単な計算や簡単な公式を完璧にすらすらと使いこなせるようになることで、難しい問題の解答を読み進めるスピードも速くなり、難度の高い問題集を進めても、すらすらと進むことができるようになるのです。
難しい問題集の場合は反復に時間がかかりますが、薄くて簡単な問題集なら何度も反復しやすいため、その情報は潜在意識の深いところまで落ちて、自由自在に引き出すことができるようになるので非常に便利です。
数学が苦手だけれど、何から手をつけて良いのかわからないという受験生は、このドラゴン桜式数学力ドリルを反復して完璧にするようにしてください。
また他にも英文法の勉強法では、東進ブックスから出ている『英文法レベル別問題集①〜⑥』をオススメしています。
ほとんどの高校生はヴィンテージやネクステージ、アップグレードなどの、学校で配られる分厚めの問題集を使っていますが、これらの参考書は1周するのにとにかく時間がかかります。
ですが、大逆転勉強法ではこういった分厚い教材ではなく、『英文法レベル別問題集①〜⑥』のような薄くてカンタンな問題集を使うことをオススメしています。
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なぜ薄くて簡単な参考書をオススメするのかというと、反復しながら、まるで、螺旋階段をぐるぐる回りながら上がっていくかのように、全範囲を薄く何重にも積み重ねるような、勉強の進めかたをしやすいからです。
まず、「基礎レベル」を各分野で一通り勉強して完璧にして、基本的な内容や文法問題のパターン、よく問われるルールを完璧に覚えます。
もちろん、レベル①だけでは共通テストや二次試験には届きませんが、この参考書なら1冊あたり2〜3週間で終わります。
また、反復するうちに、一問あたりにかける時間を徐々に減らし、スピードを上げていくように意識して、工夫して勉強してください。
すると最終的には、30分で1周、15分で1周と、スピードアップしていきますので、久しぶりで忘れていた、という状況を防げるわけです。
こうすれば、時間をかけずに全範囲に触れることができるので、一度学んだことを忘れてしまうのを防げます。
レベル1が高速で反復できるくらい完璧になったら、同じ要領でレベル2、レベル3と進んでいき、基礎が終われば、応用問題についても同じように勉強していきます。
応用レベルの問題集の場合は、共通テストので8割とれる実力がつくレベルまで基礎の勉強を進めた後に、共通テストの過去問で8~9割を安定して取れることを次の目標にして、勉強を進めていくようにしていきます。
特に数学に関しては、応用の段階まで勉強を進めて、二次試験の対策をしていく段階にあたっては『合格!数学実力アップ!問題集』 を勉強していくことをオススメします。
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このテキストは、入試でよく問われる重要な式変形や公式定理などの網羅率が非常に高く、同じレベル帯の参考書の中でも抜群に良い参考書ですので、理系の受験生や、二次試験で数学を使う受験生はぜひ、勉強するようにしてください。
ここまで反復できれば、東大、京大、医学部レベルであっても充分に合格できるレベルになることができます。
英語の応用レベルの勉強も数学と同様に、易しいレベルから、順に反復しながら上がっていってください。
『英文法レベル別問題集』であれば、レベル1→2→3→4→共通テスト過去問→5 →6と進めていきます。
レベル1からスタートして、レベル1も全範囲を勉強して、スピーディに解けるようになってからレベル2,3、へと進んでいくようにするのです。
この順番をきちんと守らずに、いきなり難しい問題を解こうとして挫折して、自分は勉強ができないという思い込みを強くして、さらに成績アップが遠のいてしまう、という受験生のいかに多いことか。
この勉強法の良いところは、とにかく勉強が手に付かない人や、勉強がに嫌いな人、また苦手な科目でも、苦手分野をつくらず全範囲を網羅できるところです。
たとえば、高校生で毎日そんなに勉強時間がとれない、という人がいるとします。
しかも、高校3年生3学期に習う範囲は、入試までの反復量が少ないですから、そこが出題されてしまうと、まるごと失点してしまうことになります。
入試において、合格最低点を確実にとるために大事なことは、弱点をつくらないことです。
全科目全てを得意にしなくてもいいですし、基礎レベルでもいいのです。
全範囲を一周しておいて「穴」をつくらないことで、大きな失点を防げます。
たとえば、英語で『レベル別問題集』のレベル4まではできたけど、レベル5は受験までの期間が足りなくて、できなかったとします。
でも、レベル4までは進んでいるので、たとえ共通テストレベルには多少足りないとしても、レベル4までは進んだプロセスがあるので、「苦手分野」で丸ごと失点することはなくなります。
ですから教材選びをしていく時には、分厚いモノや、自分のレベルに合ってないものは使わず、完璧に1周できる基礎レベルからスタートしてください。
何度も反復できないような難しい問題集を選ぶのは、致命的なミスです。
とにかく自分のレベルや、一周反復するスピードがいかに早いかを考えて、教材を選んでください。
また、参考書選びに迷ってしまって、やたらと時間をかけてしまうという人は、私達の塾で出版している『E判定からの大逆転勉強法』でオススメしている参考書を選ぶようにしてください。
この本では、大学受験の全科目全教科の勉強法とオススメ参考書を、全て網羅してお伝えしています。
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3-2.改善点2 : 反復は最低7回!勉強を維持する
ちゃんとそれなりの量の勉強をしているのに、なかなか成績が上がらない受験生の最大の原因は、ズバリ「反復不足」です。
浪人生の成績が上がらない理由のほとんどが、「反復不足」だと言っても、過言ではありません。
なんどもなんども反復して完璧にするところまで追い詰めきれない原因の一つは、改善ポイント1でとりあげた「教材選び」です。
分厚くて、難しい参考書を選んでも、何度も何度も反復することができないのです。
そしてもう一つ、反復してもなかなか思うような点数が取れない受験生の共通点は、反復していても「反復のレベルが圧倒的に低い」ということです。
反復の効率が悪いため、なかなか頭に定着しないような反復になっているのです。
例えば、1時間もかけて数学を勉強しているのに、自分の実力に全く見合っていない問題を、手書きで一問解いただけでは、勉強した感はあっても、現実的に身についたものは少ない、レベルの低い勉強と言わざるを得ません。
1時間かけて得たものは、数学の解き方をひとつだけで、しかも一度しか触れていないのですぐに忘れてしまう。
そのような勉強をいくらしたところで、入試本番ではすっかり忘れてしまっていて、なんかみたことあるけど解けない、という状態になってしまいます。
具体的に、その点を解決するには、一度頭に入れたものを維持する工夫が要ります。
たとえば、英単語を覚えるとしても、多くの受験生は英単語を覚えるとき、一日に20個ずつ声にだしたり、読んだりして覚えていきます。
そうやって、3か月から半年ぐらいかけて、1冊の単語帳を終えるわけです。
そしてまた最初に戻って2回目の反復をするときは、「2回目だから1日40個、覚えよう」とするわけです。
ですが、最初のページを見たのは何ヶ月も前ですから、ほとんどの英単語をすっかり忘れていて、また一からやり直しているのと同じ状態になってしまうことが、非常に多いんです。
これでは毎回ほぼゼロからやり直しているのと変わりません。
もちろんこのままのやり方で何周反復しても、全然頭に残って記憶されない、ということになります。
ではどうすればこの問題を解決できるかと言うと、ただ単純に毎回新しい単語に突き進んでいかない、つまりプラスアルファの勉強ばかりしないということです。
どういうことかというと、毎回毎回、勉強するたびに前に進めていきながら、次の日は必ず前回の維持の勉強をするということを心がけてるようにするのです。
つまり、『維持の単語+新しい単語』の両方を見るようにするのです。
この勉強の進め方は、このようなイメージで捉えてください。
→ 黒矢印が、維持の単語
→ 赤矢印が、新しい単語
- 1日目 → 10個
- 2日目 → → 10個 +10個
- 3日目 →→ → 20個+10個
- 4日目 →→→→ 30個+10個
このように、必ず昨日までの単語を維持してから、プラスアルファの単語に進んでいく、というやり方にするのです。
もちろん、このやり方では、日がたつほどに単語数が増えていきます。
すると、そのうち「今日は、量が増えすぎて時間がない!」という日が、いずれやってきますが、その時に優先すべきは、実は「維持の勉強」なのです。
自分では前に進んだつもりになっていても、実際は忘れてしまっているなら、結果はマイナスです。
イメージでいうと、このように考えてください。
-
一歩進んだけど、二歩下がるなら、マイナス。
-
一歩も進まなかったけど、下がらなかったら、マイナスにならない。
この意識で単語を覚えようと反復していけば、だんだん定着率が高まっていき、頭に残る単語数がどんどん増えていくのです。
大事なのは、頭の中の定着率です。
一度覚えた単語を毎回維持しながら、プラスアルファで新しく覚えるようにしていきましょう。
高校生であれば、学校では次から次へと新しいことを学んだと思ったら、すぐテストがあって、追われるような高校生活を送っている人が多いと思います。
そうなると、一度覚えたものを維持するために割く時間がないのですね。
だから、なかなか全体としての成績があがらない、ということが起こるのです。
ですので、まず反復回数を増やせるよう「教材選び」と「維持の勉強」の2点を意識して、普段から勉強していくようにしてください。
この、成績が上がらない二大原因を解決できたら、ほとんどの浪人生は成績が上がるでしょう。
3-3.改善点3:「反復の質」を高める
浪人生になってから、ずっと勉強を続けていると、
- 「反復ができるようになった」
- 「反復学習はずっとしている」
なのに、なかなか成績が上がらない、という壁にぶち当たることがあります。
この、反復しているのに成果に現れない受験生に足りないものはズバリ、「反復の質」です。
反復の質とは、本質的な勉強(中身の伴った勉強)をしているかどうか、という点です。
本質をつかまず、表面的な勉強をただやみくもに繰り返しているだけだとしたら、非常に危険です。
それでは、いくら反復しても成績はあがりません。
あなたは、このような表面的な勉強をしていたことはありませんか?
- 答えを丸暗記している
- 英単語を単語帳の位置で覚えている
- 用語集の並びの順番で覚えた振りをしている
このような勉強法では、意味や使い方が正しくつかめていないことが、非常に多くあるのです。
数学で言うと、解法を暗記しているだけで、理解が深まっていない状態です。
それでは、何のために反復しているのかわかりません。
反復学習の目的は、「入試本番で正解できるようになること」です。
もちろん覚えた内容と全く同じ問題が出る確率は限りなくゼロですが、反復の意味がないわけはありません。
例えばスポーツで考えてください。
野球でも、練習とまったく同じ球は飛んできません。全く同じ状況もないでしょう。
ですが、日ごろから素振りをしたり、バッティング練習をしたり、練習試合をしたり。
そういった経験をすることで力がつき、打率が上がり、瞬発力がついていくのです。
大学受験で成績を上げるコツも、実はスポーツと同じなのです。
練習と全く同じ問題は出ませんが、問題にはある程度パターンがあります。
- 「この問題は、あの問題に似ているな」
- 「同じように考えれば解けそうだ」
と、自分の知っている知識や問題パターンを元にして考えることができるのですが、そこまで到達するには、同じ問題を何度も反復練習していく必要があります。
正解に至るまでのプロセスを学ぶ中で、理解を深め、頭に定着させていけるからです。
そこまでいけば、抜き打ちテストされたとしても正解できます。
似たような問題に変形されていても、問題の本質がわかっているから正解できます。
そういった状態をゴールにして反復するのです。
とにかく反復の回数を増やせばいい、何度も繰り返せばなんとかなる、とだけ思っている受験生は表面的な勉強になっています。
大事なところがごっそり抜け落ちてしまっているのです。
だから、反復しているわりになかなか成績があがらない、ということが起こるのです。
表面的な勉強を卒業して、中身のある勉強、根拠、理解のともなった反復練習をすることが大切です。
成績をあげていくためには、この3つのポイントを改善していってください。
- 教材選び (薄くてカンタンなもの)
- 維持の勉強 (反復回数を増やす)
- 反復の質を高める (本質的な勉強)
そうするだけで、必ず勉強すれば成績があがる、という状況をつくっていけます。
ぜひ、今後の勉強の参考にしていってください。
3-4.改善点4:難問を解くだけの勉強にしない
次に紹介する残念な勉強法は、進学校でよく行われる「難問を解く」という勉強法です。
国公立の二次試験の問題や難関私大の入試問題のような難問ばかり練習していれば、自然と共通テストレベルの問題は解けるようになる、という方針をとっている高校があるのです。
私の通っていた高校でも、そのような方針で進めていました。
難問ばかり解く方法で、本当に解けるようになるのか? 成績はあがるのか? ということですが、これに関しては自信をもって否定します。
「難問を解けば、基礎問題ができる」とか、「二次試験の過去問題が解ければ、共通テストは解けるようになる」というのは、絶対に間違った考え方です。
もし、通っている高校や予備校が「授業が難しすぎる」とか「難しい問題集をあえて使っている」のであれば、自宅での予習復習は絶対に必要です。
週末や休みの日、放課後の自主学習の時間を使って、基礎・応用レベルの練習を自分で補っておく必要があります。
共通テストの問題と二次試験の問題の方向性は、明らかに違います。
共通テストで必要になるのは、スピードですから、共通テストレベルの問題は、スラスラよどみなく、はっきり正確に言えることが最重要となるのです。
共通テスト英語で言うと、問題のレベルだけ考えれば、もし試験時間が120分ならどんな受験生でも8~9割取れるといっても過言ではありません。
でも、実際は80分で解かなければならないから、多くの受験生は失点してしまうのです。
逆に、京大の入試問題みたいに、制限時間に比較的余裕があって、深い思考力、読解力を求められる問題もあります。
つまり、大学によって受験生に求める能力が異なるということであり、だからこそ大学によって問題のタイプが違うのです。
ですので、二次試験レベルの勉強ばかりしていると、思考力はつきますが、基礎知識や情報処理のスピードが鍛えられません。
だからこそ二次試験向けの勉強をいくらやったところで、基礎が出来ていなかったら成績が上がるはずもありませんから、先に手をつけるべきは共通テストレベルなのです。
そしてスピード重視の共通テストで試される基礎レベルの勉強というのは、力はいつどんな時でも「スラスラと、よどみなく、はっきりと、正確に」言えることが大事なのです。
これは、共通テストの英語だけではなく、共通テスト数学でも同様です。
「共通テスト数学は高得点とれるけど、二次試験の問題になるとできない」という人もいれば、「二次試験の問題なら解けるのに、共通テスト数学は失敗した」という受験生もいました。
極端な話、京大模試では常に数学1位だけど、共通テスト模試では6割しか取れない受験生もいるのです。
ですから、どこの大学に合格するにしても、両方のバランスを取りつつ、両方とも高めていく必要があるのです。
何が得意で、何が不得手なのか、今の自分には何を補う必要があるのかは、受験の全体像を見てから判断しないといけません。
基礎問題と入試レベルの問題、共通テストと二次試験、どちらも、それぞれの傾向に合わせて対策する必要があります。
難問だけに偏らないように、必要な力は全て鍛えるようにしていってください。
3-5.改善点5:勉強はスピードも重視せよ!
勉強する際、何を重視するかは人によって違います。
この節では、丁寧さを重視するべきか、スピードを重視するべきか 、についてお話します。
もちろん、丁寧かつスピーディであればベストですが、いきなりそうはいきません。
早さと丁寧さ、どちらを重視するかは、時期や人によってもアドバイスは変わりますので、その問題をどのように考えていけばいいのかについて、お伝えしていきます。
勉強を始めたばかりの頃で言えば、とにかく丁寧すぎるというのが、よくある失敗です。
特に浪人の場合は、現役の場合と比べると余計に心配しすぎるのですね。
- 「これで完璧になっているんだろうか」
- 「今、覚えているけど明日には忘れていないかな」
と不安になって、やたら進むのがゆっくりペースになっていくのです。
確かに「大逆転勉強法」では、毎回、学んだことを反復して、維持しながら新しいことをプラスアルファして進んでいきましょうと伝えていますし、丁寧さは大事だと伝えています。
しかし、受験までの期間も時間も決まっているわけですし、1年間365日毎日10時間以上勉強したとしても、使える時間は4000時間が限度です。
ですから当然、勉強においては、速さも質も、どちらも大事です。
しかし、実は「最初ほどスピードを速めることで、反復の回数を増やし完成度を高める」 という方法でうまくいく受験生が、とても多いのです。
特に、序盤の時期は、ゆっくりよりもスピーディにやる方がいいです。
極端な話、今のスピードを2倍にして、その分、雑になって取りこぼしがあったとしても、2回やれば補えるじゃないか、と考えた方がいいということです。
1分1問でやるのではなく、30秒で2回やったら、同じ1分で2問できるわけです。
そうやって一つの知識、一つの問題にかける時間を減らしていき、スピードを高めていくうちに、自然と自分の中で定着率が高まっていき、完成度が上がっていくわけです。
スピードが遅い受験生が大半なので、自分はどうか? と振り返ってみてください。
スピードを上げるという意識に抵抗があるなら、反復しながらムダを削ぎ落していく、と考えても構いません。
たとえば、受験勉強をしていると、「次は何の勉強をしようかな」と考えたり、ボーっとして時間を過ごしたり、「今日のご飯は何かな」といった関係ないことを考えたりして、ムダにしている時間がたくさん出てきます。
短距離走のように、ただただ早く行動するだけでなく、そういったムダに浪費している時間や非効率的な時間を削ぎ落していくのです。
それだけで勉強のスピードがあがります。
これは、数学の答案作成にも通じるところがあります。
キレイに、丁寧に書くと計算ミスが防げるし、見間違いや凡ミスが減り、結果として、全体の解くスピードがあがるのです。
そういうやり方で、丁寧さとスピードは両立させていくものです。
特に序盤は、「わかる、わからない」と言った理解の問題ではなく、「知っているか、知らないか」の問題ばかりですので、わからないからと言って、ゆっくり丁寧に考えても仕方ありません。
あえてこういう言い方をしていますが、最初のうちは考えるだけ時間のムダです。
序盤の時期は、材料集め、素材集めがテーマです。
分からない部分、知らない部分に時間をかけるのではなく、知らない部分はすぐ飛ばす、できる問題は、「できる」と言うことを確認して、次へ次へとどんどん進んでいくのです。
もし、知識があやふやになってきたな、解くスピードが遅くなってきたな、と感じたら、その時に丁寧にやり直せばいいのです。
臨機応変に工夫して、スピード重視で勉強を進めていってください。
そうすることで、自然と勉強を進めるのが早くなっていき、気がついたら深くその内容を理解できていた、という状態を作ることにつながっていきます。
3-6.改善点6:「英単語を100回書く」を止める
- 「この勉強法、本当に効果あるんだろうか?」
- 「効果がないとわかっているのに、惰性で続けていないだろうか?」
このように自分で自分に問うたこはあるでしょうか?
私が高校時代によくあったのが、朝に英単語のテストがあって、80点未満だったら、100点とるまで帰れない、教室に残される、といったことです。
場合によっては夜の8時9時まで残されるんです。
先生によっては、「間違った単語を100回書いて提出しろ」と言う人もいました。
他の教科でも、いろんな疑問を感じる勉強法がありました。
こういう状況で大事なのは、自問自答してみることです。
- 「それで成績は上がるのか? ちゃんと覚えられるのか?」
- 「今、やっていることは、きちんとした勉強なのか?」
- 「それとも単なる作業にすぎないのではないか?」
勉強と作業の大きな違いは何かというと、「目的意識を持っているか」です。
勉強することのゴールは、当然志望校に合格するためです。
志望校に合格するためには、合格最低点をとることが必要です。
そのためには、入試問題が解けないといけません。
じゃあ、なぜ同じ問題を反復して勉強法をしているのかというと、「この問題なら解ける」という完璧に解ける問題集をつくって自信にするためです。
そして、入試問題を自分の得意な領域に引き込むのです。
そうやって確実に自分の力で正解していけるようになることが大事になのです。
もちろん、自分の使っている参考書と全く同じ問題が入試に出ることはありませんが、少なくとも似たような問題が、もしかしたら少し一捻り加えて出題されてきます。
そういった時も、1冊の問題集を完璧にしていたら、ここに引きこめば自分は絶対正解できる、という状態になれるわけです。
もちろん英単語100回書いてもいいですが、100回書くことは目的ではないのです。
英単語で言えば、英単語を覚えたから、 下線部和訳ができる、長文が読める、英作文ができる 、という状態になることが大切なのです。
100回書いても、覚えていなければ意味がないのです。
5回書いて覚えられるなら、100回書くのは95回分が時間のムダです。
今、勉強しているのは何のためか、どういう状態をゴールにしているのか、を意識できていれば、作業ではなく、有意義な勉強時間になっていきます。
1日10時間勉強しても、目的意識を忘れた勉強であれば、勉強時間としては本当の意味ではカウントできないのです。
リアルな勉強時間を過ごしているのか、目的意識を持っているのか。
目指すゴールに近づいていくためにこの勉強をしているんだ、という意識をハッキリさせた状態で勉強していくことが大事なのです。
ただ手が動いているだけで頭が働いていない時は、この話を思い出してください。
3-7.改善点7:カラフルなノートは成績が上がらない
勉強しているのに成績があがらない「残念な勉強法と改善点」をお伝えしてきましたが、その最後は「残念なノート術」についてです。
がんばっているのに成績があがらない「ノートのとり方」の代表例が 「やたらカラフルに書いたノート」です。
ノートに限らず、問題集や参考書に書き込むのも、カラフルなんですね。
教材を選ぶ際も、カラフルなノートやカラフルな問題集、参考書を好む人に多いです。
私の友達にもたくさんいましたが、ノートに書き込む時も、5色ペンとか、それ以上の色数のペンを使いたい人はとても多いです。
ですが、いろんな色の色ペンを使うと、見た目はキレイですが、それでは成績があがらないのです。
最近はフルカラーの参考書も増えています。
カラーだと見やすいですし、イメージしやすいという点は良いかもしれません。
ですが、受験生の満足度は上がっても、参考書として頭に入ってきにくい、とか、余計な情報まで入ってくる、というデメリットもあります。
ですから、より実践向きな、成績の上がるノートのとり方、参考書の書き込み方について説明します。
ポイントは以下の3つです。
- 基本は2色(黒・赤)を使う
- ノートは通常は黒文字、重要事項は赤文字
- 参考書の書き込みは、赤ペンのみを使う
赤ペンは、赤シートで消えやすい赤色を使うと、赤シートで隠して覚えることができます。
特に、参考書など読み物の教材あった場合、ただ読んでいるだけでは頭に入っているかわからないので、赤シートを使えば問題形式になるので、その後、理解の確認ができます。
もし、もう1色使いたい場合は「青色」を増やしてください。
同時に「赤」と「青」を使うより、序盤で「赤」で書き込みをしていたなら、中盤、終盤で新しく書き込みたいものが出てきた時に、「青」で書き込むようにするのです。
特にこれは絶対に完璧にしておきたいというバイブル本に、必要な情報を書き足していくようにすることが大事になってきます。
入試が近づいて、問題演習をしていく段階になると、序盤でやった参考書に書かれてなかった知識が問われていることが出てくると思います。
そういった自分の知らなかった新しい知識を、バイブル本に青字で書き足していくことで、自分の学んだことが全て凝縮された一冊が出来上がっていきます。
特に目的もなくカラフルにしただけでは、目がチカチカして集中して読みにくくなります。
しかも、キレイにノートづくりをしただけで満足してしまい、反復しなくなります。
ノートづくりは頑張るけど、定着するまで反復練習していない人が非常に多いのです。
- 「ノートや参考書がカラフルである必要があるのか」
- 「赤シートで隠して確認できるほうが効率がいいのではないのか」
となど、自分は何のためにこの色分けをしているのかについて、カラフルなペンを使っている人はぜひ一度考えてみてください。
ノートや参考書は、見た目のカラフルさにこだわるのではなく、受験勉強のための手段として、 大切なことを頭に入れていくための「道具としての役割」を高めていくことを意識しましょう。
4.浪人時代に失敗しないためのメンタルコントロール
さて、ここまでは勉強についての「浪人生の失敗パターン~“7つの残念な勉強法”の改善ポイント〜」をお伝えしてきました。
ここからは、勉強以外の場外戦の部分、メンタルコントロールや環境選びなどについてお伝えしていきます。
私たちの塾には、『受験は心理戦』という標語があります。
実際に塾生達には毎週のように、受験を乗り越えるに当たっていかに心理戦で勝つことが大事かを語っています。
あなたが浪人してしまった原因は、もしかしたら勉強面以外の部分、すなわち心理戦にあるのかもしれません。
勉強する環境の選び方、受験期間中の恋愛などについてもお伝えしますので、当てはまる部分がないかどうか、自分で振り返りながら読んでみてください。
また、浪人の1年間を全速力で走りきれるような、モチベーションアップの秘訣も公開します。
4-1.モチベーションを上げる方法
自分で自分のモチベーションを保つコツの1つ目は、自分で「これだけは毎日やるぞ」と決めたことを毎日やりつづけるということです。
毎日毎日、同じことを習慣化してできるようにすることで、潜在意識に対してのプラスの刷り込みをすることができます。
やる内容に関しては何でも構いませんが、せっかくですから、毎日10個は必ず単語を覚える、毎日30分は必ず音読をするなどの成績アップにつながる習慣や、毎日掃除する、毎日机の上は整理整頓してから寝るなどの、勉強環境が整うようなものがよいでしょう。
また、ウォーキングしながら勉強する、友達と出しあいをするなどの、机に座って1人で黙々とやるような、いわゆる勉強というより、もっと気軽にできる勉強をすることで、勉強しながらにして、次の勉強をするための充電をすることができます。
他にも、古文の源氏物語や歴史の漫画を読む、あるいは好きな教科の勉強をするのもおすすめです。
何かをやっていると自然とモチベーションというのは上がってくるものなので、とにかく勉強時間、勉強量をゼロにしないで、ハードルを下げて勉強し続けていくことが大事なのです。
実はこの、モチベーションをあげるほうではなく、モチベーションが下がるようなことをしないというのも、非常に重要なポイントになってきます。
- 友達と遊びに行って、そのあと勉強してない自分を責める
- ネットの情報をみて受かるかどうか不安になる
このように、人はやりたくないものがあると、何とかして逃げ口実を作りたくなる生き物です。
しかも、やらなきゃいけないけどやりたくないという葛藤と戦っている時に限って、不思議なことに友達から遊びに誘われたりするものなのです。
ですから、モチベーションが下がるようなことを避けていくことも、あげることと同等に、あるいはそれ以上に重要になってくるのです。
4-2.変なプライドをなくして先生を信じる
浪人生の失敗パターンとして、自分のちっぽけなプライドが捨て切れずに、浪人の一年を通して勉強はしていても、なかなか自分の殻を突破できないというものがあります。
厳しいことを言うようですが、自分の思うように勉強して合格できる人なら、現役で合格できています。
変に自分のことを過信するのではなく、受験のことをよくわかっている指導者に、勉強の事は全て託するようにしてください。
そして自分自身は、プレーヤーとして1年間、勉強そのものに我を忘れるくらいに没入没頭していって、我をなくすようにしていくことが重要です。
また、浪人生のほとんどが、現役の時にある程度勉強していたにも関わらず、入試に落ちた経験をしていることと思います。
現役で落ちた悔しさや、悲しみ、後悔などのマイナスの感情を、今年の浪人の1年間の役に立つ学びに変えていくように、意識してみてください。
4-3.浪人期間中の恋愛は避けておいたほうがいい
浪人期間中の恋愛は、本当に避けておくことをオススメします。
人は恋愛モードになると、四六時中その相手のことばかり考えて、ぼーっとしてしまい、せっかく勉強に向けられるはずの脳のエネルギーを、恋愛に向けてしまいます。
まして予備校などでお互いに今年受験を控えている身であるとすると、ほぼほぼ全てのカップルが、どちらかが不安解消のために相手からエネルギーを奪ったり、あるいは二人でお互いに足を引っ張り合う関係になっていってしまいます。
もちろんお互いにとってプラスになるような関係を作ることが理想ですが、はっきりいって彼女彼氏のことを気にしている余裕がある受験生なんて、まして浪人生にはそんな余裕はありません。
どうしても好きな人の事が気になる人は、むしろ受験勉強を通して、いい男いい女になるための修行をするんだ、くらいの意気込みでいるといいと思います。
そうやって、あなたが恋愛に使いたいと思っているそのエネルギーを、受験勉強の方に方向付けていくようにしてください。
5.浪人して失敗しないための環境選び
この章では浪人生にオススメの勉強場所と、浪人期間中の人間関係の落とし穴とその対策についてお伝えしていきます。
受験の場外戦の中でもかなり重要な箇所ですから、勉強に没入没頭できる環境に身を置いて、浪人の1年間を送れるようにしましょう。
5-1.浪人生にオススメする勉強場所
先ほどもお伝えしましたが、自分の思うように勉強して合格できる人なら、現役で合格できているので、浪人生が完全に一人で独学することは避けて欲しいです。
ちゃんと自分が信頼できる指導者のいる塾・予備校や、自宅などの声を出す勉強をできる場所で勉強するのがいいと思います。
自分のことをちゃんとわかってくれるし、受験のこともよくわかっている指導者がいて、かつ自分のモチベーションが高まった時に勉強できるようにいつでも使えて、さらに言うなら声を出して勉強できる場所をオススメします。
人によっては、図書館がいいなどのお気に入りの場所を持っていて、いつもそこで勉強している人もいますが、絶対にここがいいという場所があるわけではありません。
音読やセルフレクチャーやれるように声を出して勉強できる場所がオススメですが、自分で勉強しながら色々試してみて、いいところを探すのがいいと思います。
また、ずっと室内にこもるのではなく外に出る、例えば公園などで勉強することもオススメです。
浪人生は特に、朝から晩までずっと座りっぱなしで勉強していることが多いため、体が凝り固まったりしがちですので、外に出て勉強することもまた、非常に効果的です。
5-2.浪人期間中の人間関係の落とし穴
友人関係に関してなのですが、基本自分から友達は作らず、一生懸命に勉強していたら自然とできた友達を大事にしていくようにしてください。
浪人生なら特に、休み時間や模試の後などに話をして仲良くなる友達は、ともすれば不安を押し付け合うような関係になりがちなので、あまりオススメしません。
それよりも『あいつはいつも朝から晩まで、めちゃくちゃ勉強してるなぁ。私も頑張ろう。』と思えるような、背中で語り合うような友達を大事にして欲しいのです。
そういう関係の友達とは、受験期間中はたいして話はしていなくても、別の大学に進学したとしても、共に受験を乗り越えていった戦友として、受験が終わってからでもすぐに仲良くなれることでしょう。
また、悩み事や相談事も、同じく受験を控えた友達同士でするのではなく、学校の先生や塾の先生にするようにしましょう。
友達の悩みを相談された時も、自分が一所懸命に考えて解決できるようにしてあげるというよりは、先生や講師に相談できるように後押しして、つないであげるようにしてください。
人の相談や悩みを聞いて、その不安に自分が引っ張られてしまうことが、格段に減っていきます。
いくら友達といえども、あくまで自分自身の合格が最優先ですから、常に自分の勉強を優先させるようにしてください。
6.2浪以上(多浪)ってどうなの?
高校生というのは、ある意味では高校を言い訳にできますが、浪人生は1年も自由に勉強できる時間があるはずなので、言い訳が効かない立場です。
ですから、浪人生の中でも特に多浪生というのは、受験に失敗した時点で自分のやり方、自分の基準のどこが間違ってたのか、徹底的に考え直して改めることが必要になってきます。
もちろんネットなどで噂されるように、「多浪したら成績は上がらない」「多浪したら医学部は無理」などとということは、もちろんありません。
しかし、2浪以上したからといって、必ず成績が上がるわけでもありません。
何度かお伝えしている通り、自分の思うように勉強して合格できる人なら、もうすでに合格できているわけです。
多浪生が受験で成功するには、今までの環境、やり方から、考え方、生き方に至るまで、自分の全てが、別人に生まれ変わるくらい、我を捨てて指導者に全託していく、そして自分は勉強に没入没頭していくことが大事になります。
親にそれなりの負担をかけてでも、2浪以上させてもらうからには、これまでの自分からは想像もつかないくらい、別人に生まれ変わるくらいの覚悟で、とことん勉強していき、受験を通して一気に成長していくようにしましょう。
親の小言を振り払ってでも勉強に没入没頭し、どんどん自分自身が成長していって、変わっていくことこそが、ある意味では最大の親孝行であるともいえます。
7.まとめ ~この1年で合格するために~
この記事では、浪人生がこの一年の受験勉強を通して飛躍的に成長して合格を掴み取るための、具体的な勉強法やメンタルコントロール法についてお伝えしました。
またそれら加えて、勉強環境の選び方から人間関係のに至るまで、浪人生活全般に役立つ情報を幅広くお話しました。
浪人生という立場だからこそ生まれる悩みや、現役生との違い、また浪人生特有の落とし穴も、合わせてお話しましたので、ぜひあなたもこれらの落とし穴にはまらずに、着実に勉強を進めて成績を上げていき、合格を手にしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
大学受験塾ミスターステップアップ講師 柏村真至