こんにちは、柏村です。 今日は、英熟語をスピーディに覚える方法をお伝えします。
英熟語を覚えるのが苦手な受験生は多いです。 どうすればもっと楽に、もっとたくさん覚えられないものか、と思っていませんか?
そこで、英熟語を効率よくたくさん覚えられる方法と、暗記のコツについてお伝えします。
暗記のコツは、英熟語以外にも使えます。他の教科でも試してみてください。
英熟語の覚え方を動画で解説
サクサク1000語を暗記!効率的な英熟語の覚え方
序盤で使ってほしい英熟語帳は、
- 『合格英熟語300 軽装版』受験情報研究会・著(ごま書房新社)
です。受験英語を300語だけで乗り切ることはできませんが、
最重要の300語です。
学校などで、ほかの熟語帳などを使っている場合には、
『合格英熟語300』と同時に進めてください。
中盤の、索引チェック法
- 『英熟語ターゲット1000』花本金吾・著(旺文社)
旺文社
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中盤になってから、やっと、この英熟語帳を使い始めます。
ただし、この本は、片っ端から暗記しようとするのではなく、
「自分はどれくらい英熟語を覚えているのか?」
というチェックのために、主に巻末の索引(さくいん)を使ってください
(大学受験英単語勉強法「潜在意識のスイッチを入れる」参照)。
前置詞のシンボルをつかもう!
英熟語の覚え方で一番大切なのは、 「前置詞のシンボルをつかむこと」です。
英熟語の覚え方にはいろいろありますが、まずはこの方法をお勧めします。
なぜなら、前置詞のシンボルがつかめれば、熟語だけでなく、長文を読んだときにも内容 をイメージしやすくなるからです。
たとえば、「on」という前置詞があります。 on を「上に」と覚えている人も多いと思いますが、 そもそもは「接触」という意味があります。
on the table = テーブルの上に テーブルの場合は、「上に」ですが、 on the wall = 壁にくっついて、壁にかかって 絵画などが壁にかかっている時には、このように表現します。 on the ceiling = 天井にくっついて 天井に何かがくっついているときも、on を使います。
上に乗っているだけでなく、接触していれば、on を使うのです。
たとえば、 熟語①depend on 意味は、「~に依存する~次第である ~あてにする」 などが当てはまりますが、 イメージは、「主語が対象に寄りかかっている状態」です。 寄りかかる、とは、まさにくっついている状態。 そこから、depend onは依存する、となります。
熟語②put on 意味は、「身に付ける」です。 「身体の上に置いて、くっついている状態」 →「服を着る」ということです。 on を使った熟語は、たくさんあります。
on を「接触」の意味で覚えておき、いろいろな単語との組み合わせの表現に出会っていく と、ネイティブがどのような感覚で「on」を使っているのかがつかめてくるでしょう。
発見がある勉強法は、ただ丸暗記するより覚えやすく効率がいいのです。 そこまでいくと英語長文を直読直解するスピードも上がり、日本語に訳すのも上手になっ ていきます。
前置詞のシンボル的な意味、本質の意味をつかんで、そこから熟語のイメージを膨らませ て覚えるようにしてみてください。
おススメ英熟語本2冊
では次に、熟語のシンボル的意味、本質の意味をわかりやすく教えてくれる本をご紹介しましょう。 「今まで使ってきた熟語帳ではなかなか覚えられない」「前置詞に着目して熟語を覚えたい」という受験生におススメの英熟語本はコレです。
「イメージでつながる英熟語」
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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この本には、重要前置詞25個(in, on, out, of, off, at, byなど)が収録されており、大学受験に 出る英熟語がほぼ網羅されています。
さらにおススメポイントは、前置詞のイメージがイラストで描かれているところです。
たとえば、前置詞on の頻出熟語として、
• 活動する、集中して取り組む、熱中する
• keep on ~し続ける
• tell on影響を与える、言いつける
などがありますが、この本では、前置詞on のイメージを図解で表現しています。 これを見れば熟語になったときのイメージがわきやすく、 なぜこういう意味になるのか理解できるので、覚えやすいです。
説明文の量には好き嫌いがあるかと思いますが、イラストで表現されている部分をうまく 活用すれば、英熟語をスピーディに攻略できます。
「イメージでつながる英熟語」 の他にも、同じコンセプトで編集されている本があります。 「正攻の英熟語1000」
研究社出版
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「キクジュク1800」
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どちらも、前置詞の本質のイメージをつかみ、そこから派生して芋づる式に熟語を覚えら れるように編集されています。
頻度別に編集されている熟語帳、たとえば『英熟語ターゲット』などを使っているけど、どうしても覚えにくい! という人は、上記3冊のいずれかを使ってみるのはおススメで す。
覚えにくい熟語に的を絞ろう!
英熟語を覚えられない人には特徴があります。 それは、「何でもかんでも丸暗記しなければ!」となっている点です。
たとえば、長文を読んでいると、 in a hurry 急いで in detail詳細に in the end ついに こういう熟語がよく出てきます。 前置詞を取ると、 hurry は、「急いでいる状態」という名詞 detail は、「詳細」という名詞 end は、「終わり」という名詞 です。
これらの単語は単体で意味を知っていれば、熟語として出てきても、しぜんと意味をイメージできると思います。熟語は、まずイメージがわいて類推できればOKです。
英語を読んでイメージがわき、意味がわかり、日本語に訳せるようになるのが第一歩です。 そこまでできたら、まずOKとしてください。そして、類推しにくい熟語に時間やエネルギーを注いで覚えるようにしてください。
優先順位としては、覚えにくい単語から覚えることを心がけていきましょう。
暗記力を4倍高めるコツ
受験勉強において知識を覚えていくことは大切なステップですが、覚えるだけでは成績アップにつながりません。
大切なのは、覚えたことを必要な時にスピーディに引き出せることです。
受験生は、一度勉強したことや覚えたはずのことを忘れてしまった時、頭の中から消え失せてしまったんだ、と思ってしまう人が多いです。 しかし、実際は頭の中はそうなっていません。
「忘れている」とは、頭の中から消滅してしまった状態ではなく、頭の中のどこにしまったのかわからない状態のことです。
イメージでいうと、自分の持ち物を無造作に押し込んだクローゼットから、「思い出の小箱」を見つけ出したいけど、どこにあるかわからなくなってしまい、なすすべがない状態 です。
膨大な知識を覚えるなら、必要なときに必要な知識を頭の中からいち早く見つけ、スムーズに引き出せるようになっておくことが重要です。
これが「できる受験生」と「できない受験生」の違いは、覚え方に表れています。 「できない受験生」のほとんどは、覚える時に、
• ただ、見るだけ
• ただ、聞くだけ
• ただ、声に出すだけ
• ただ、書くだけ と、いずれか一つの手段で覚えようとしています。
ですが、これでは、 覚えるにも効率が悪く、思い出すにも効率が悪いのです。 「できる受験生」は、覚える時に、
• 目で見る
• 耳で聞く
• 声に出す
• 手を動かして書く
この4つの動作の全て行います。 そうして効率よく覚え、スピーディに思い出しています。 なぜ、そうなると思いますか?
イメージでいうと、魚釣りの時に、釣り糸に釣り針が一つしかない人と、釣り糸に4つの 釣り針を付けて釣りをする人の差のようなものです。 同じ釣りをするなら、たくさん釣り針がある方が、魚は釣れやすいですよね。 その針の数が、覚える時の動作の数です。 一つしか釣り針がない、ということは、「見るだけ」「聞くだけ」「読むだけ」「書くだけ」と、一つの方法しかしていないということ。
4つの動作を行って覚えると、4つの釣り針のいずれかに引っ掛けることができるので、思 い出したい時に引っかかりやすくなるのです。
自分の記憶の倉庫の中に釣り針を4つ投げ入れて、欲しい記憶をきちんと釣り上げるとい うことが、「きちんと覚えている」「ちゃんと思い出せる」と言う状態です。
ですので、釣り針の数が多いほど暗記効率が高まる、というのは自明のこと。 4つの動作を駆使すれば、暗記力が4倍良くなるというワケです。 あなたも大切な知識を覚えたい時は、
• 目で見る
• 耳で聞く
• 声に出す
• 手を動かして書く
この4つの動作で覚えるようにしてください。 覚えて終わりではなく、「知識を活用できる状態をゴール」として覚えていきましょう!
英熟語を覚える時の落とし穴とは?
多くの受験生は、
「not only A but also B」=「AだけではなくBも」
「either A or B」=「AかまたはB」
「neither A nor B」=「AでもなくBでもない」
というふうに覚えようとします。
たしかに、そういう覚え方が必要な段階もありますし、性格的に向いている人もいます。
しかし、これでは英語の成績を上げることはできません。
なぜでしょうか?
あなたにも経験があるかもしれません。 完ぺきに覚えていたはずの英熟語なのに、なぜか、点数が取れなかった・・・
例えば、「not only A but also B」の意味 「AだけではなくBも」だけを覚えていたとします。
問題で次のように出題されたらどうでしょうか?
問題:空所にいれる単語を答えよ。
Not only I but also he ( ) to stay here. 「Not only I but also he」とあるから、「私だけでなく彼も」と日本語に訳すことはできます。
しかし、意味だけしか覚えていないので、空所( )に何を入れたら良いのか分かりません。 意味だけ覚えていても、入試で得点になりません。
正解は isです。
※( )に入る動詞は、but alsoの後ろにある he に一致させます。
例文を暗記していれば、このような問題にも即答できます。
英熟語を覚える時には、入試で出題されるあらゆる形式に対応できるように練習しておかなければなりません。
英熟語は意味だけではダメです。 どのような場面で使うのか(=ニュアンス)、どのように使うのか(=語法)も一緒に、例文を通して覚えることが肝心です。
このように勉強していくと、英熟語編の内容が頭に溶け込んでいきます。 英熟語編では、英熟語の意味を覚えるだけでなく、入試で問われる知識を全て同時に暗記できるようにしています。 完ぺきに覚えた英熟語は、使いこなせるようになります。
そのために、付属の質問も完ぺきにする必要があります。 付属の質問も完ぺきにする過程で、類義の表現を暗記することで英熟語の数が増えます。 例文についての問題を完ぺきにすることで、和訳・英訳の力をつけることもできます。
「英語が不得意な人は、まず、英熟語を暗記すべきだ。すぐに偏差値が上がるだろう」 と南極老人はおっしゃっています。
英熟語を徹底的に暗記してみてください。
たった1~3ヶ月のうちに、成績が、みるみるうちに上がってきます。