子どもの自立のために、親ができること

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村田 明彦

村田 明彦

話を聞くだけで、成績アップの秘訣や、どう生きれば成功と幸福を同時に手に入れられるのかがわかる、と評判の人気講師。『大逆転勉強法』『限界突破勉強法』による受験指導の後継者。全国の高校から、受験生と受験生を持つ親御さん向けの講演依頼が殺到しており、講演参加者は、のべ数千人以上にのぼる。

こんにちは、ミスターステップアップ講師の村田明彦です。

今回は、子どもの自立のために親は何ができるのか、について、

お話ししたいと思います。

子育てのゴールとは?

親御さんから見ると、子どもは何歳になっても子ども。

いつまでも未熟に見えるものです。

だから、つい心配になって、あれこれ世話を焼いてしまう、、、

という親御さんの声をよく聞きます。

ですが、親が子どもの世話をするのは当たり前、と、

いつまでも同じ接し方を続けるのは、良くありません。

なぜなら、子育てにはゴールがあり、

いずれ子離れする時がくるからです。



では、子育てのゴールとは、何でしょう?

それは、

「子どもを自立させること」。



子どもが小学生であっても、中高生であっても、

このゴールをしっかり心にとめておかないと、

行き当たりばったりの子育てになってしまって、

いつまでもゴールにたどりつけません。



それどころか、いろいろと問題が起きてきて、

大学受験にも悪影響を与えてしまいます。

 

自立とは「一人で何でもできること」ではない?!

自立とは、一般的に誰にも頼らずにできることと、考えられていますよね。

僕も昔はそのように思っていました。

でも、本当は、そうではありません。



もし、子どもが誰にも頼らずに生きていけるように導いたら、

どうなるでしょう?

例えば、自分でご飯をつくり、

自分で外に友達を作って

自分で勉強もスラスラ出来る。

その上で、親や学校からは、

「誰にも迷惑をかけてはいけないよ」

「自分で1人でどんどんやっていくようにね」

と言われていく。

これが続くと、

一人でどんどんやっていけるようになるでしょう。

でも、それはある程度まで。

たとえば、受験生になって、難関大を目指すとき。

大学生、新社会人になって、新しい環境に入っていくときのように、

一人でできる範囲を超えたことに向き合うときがおとずれます。

もし、そんな時も、ムリにでも一人でやろうとするとどうなるか?

 ↓

一人ではうまくいかない!

 ↓

でも、そのことを誰にも言えない。頼れる人がいない。

 ↓

一人で抱える。内に閉じこもる。



となるパターンが多いのです。

ですが、これでは成功する見込みはほぼありませんし、

自立した人のふるまいとはいえませんよね。



では、本当に自立した人は、どんな行動をするか?

それは、

「助けてください」「教えてください」と、きちんと誰かに頼るのです。

つまり、誰かに依存する、ということ。


え? 依存?!

依存するなら、自立じゃないじゃないか! と

思われるかもしれません。

ですが、「依存できることが、本当の自立」なのです。

どういうことか?

このことを非常にわかりやすく教えてくれる本がありますので、ご紹介しましょう、

 

書籍『生きる技法』から学ぶ、依存と自立の関係

「本当の自立とは、依存できること」

このことをきちんと教えてくれる本が、コレです。

東京大学の教授、安冨歩(やすとみ あゆむ)さんが書いた『生きる技法』。

安冨教授がこのように考えるようになったのはご自身の経験からでした。



安冨教授は、助教授時代から、論文を書いて受賞されたり、

結婚して子どもができたりと、何もかもが順風満帆。いわゆる成功者でした。

ですがご自身は、あまりにも不幸だと悩み苦しんでいたそうです



そして、その原因を考えたとき、それは、

自分が自立できていないせいだ! との気づきに至ったのです。



この本には、安冨教授が試行錯誤のうえ、たどり着いた考えが書かれていますが、

その中から、僕が特に大事だなと思ったところは、ココです。

”依存する相手が増えるとき、人はより自立している”

”人は依存をする相手が少ない時に、逆に自立できなくなってしまう”

これは「依存と自立の関係」を知るうえで重要ポイントです。

どういうことかというと、

例えば、依存する相手が親御さんしかいない子どもの場合、


その子どもは親がいないと何もできない、ということになりますよね。

親がいないと勉強できない

親がいないとご飯が食べれない

親がいないと友達を作ることができない

親がいないと〇〇〇できない

という状態です。

依存するのが親しかない、とは、言い換えれば、

その親に従属するしかない、という状態です。

そうなると親に反論することもできなくなる…。

その人がいないと何もできないのですから。

そうして、生きていく力が弱くなってしまうのです。

 

大学生になってから、うまくいく人、いかない人

一人に依存すると生きる力が弱くなってしまう、

こんなエピソードがあります。

ミスターステップアップの卒塾生のT君から聞いた話です。



T君は、私立の医学部に進学しました。

医学部は、国家試験に向けて勉強しないといけないことが膨大にあります。

ですがTくんは、ミスターステップアップで勉強法を学んでいたことで、

リーダー的存在になって、同級生からも、

どうやって勉強すればいいの?

どうすれば単位が取れるの?

と質問されたり、頼られることが多かったんです。

そんな中で、ある男の子からこう言われたそうです。

 「僕は、医学部に合格するまでは、ものすごく勉強できていたけれども、 

 医学部に入ってからは、全く勉強ができなくなってしまった」

理由を聞いてみると、

彼の親御さんは「とにかく医学部に合格することが大事」と、

専属の家庭教師を付けてくれていました。

おかげで、自分から質問しなくても、家庭教師から

必要なことは全て与えられ、何でも教わることができた。

その家庭教師の言う通りにやっていたから医学部に合格できた、というのです。

でも、これって言い換えれば、

受験勉強は、
この家庭教師だけに依存していた、ということ。

それゆえ、自分の足を使って誰かに教わりに行ったり、

試行錯誤しながら情報収集したことがありません。

だから、家庭教師がいなくなった今、

どうやって生きていったらいいのかわからない、というのです。

これが「依存できる相手が少ないほど、自立できなくなる」の典型例です。

「本当の自立」を引き出す、親のふるまいとは?


大学受験に限らず、なんでも一人でできる人なんて、いませんよね。



難関大学に合格できるようになるのも、

毎日、食事を食べられるのも、

快適な家に住めるのも、誰かのおかげ。

どんな状況であれ、生きている限り、誰かに頼って生きている。



つまり、依存しているんです。

自立とは、このことにどれぐらい気づいているかだ、と、

安冨先生の本を読んでいて強く感じました。


自分が今「多くの人に依存している」ことに心底から気づくと、

感謝の気持ちが溢れてきますし、上手に支えてもらえるようになるでしょう。

そうやって、人と支え合って(依存しあって)成長していく姿勢こそ、自立です。

大人は、子どもたちを、そのような状態へ導かないといけません。



となると、親御さんは、どうふるまえばいいか?

親御さんは、子どもにとって、たった一人の依存相手になるのではなく、

子どもが、たくさんの人に「助けて」「教えて」と頼っていけるように促すこと。

親御さんが世話を焼いたり、過保護になったりするのではなく、

子どもが、外で人間関係をつくっていけるよう、背中を押してあげること。

そうして、ただ、信じて見守ること。

これこそが、子育てのゴールまでいく親御さんのふるまいなのです。

 

まとめ

・子育てのゴールは、子どもを自立させること。

・自立とは、自分一人で何でもできることではなく、

 「助けてください」と言えること。

・人は、依存できる相手が多いほど、自立している。

・子どもの自立のために親ができることは、子どもの世話を焼くのではなく、

 子どもが外で人間関係をつくっていけるように機会を与えること。