こんにちは!
塾スタッフのキョウコです。
先日、静岡からやってきた男の子(Yくん)との入塾説明に同席させてもらいました。
担当は、村田先生です。
受験をする人なら絶対知っておいてほしい話がたくさん出てきたので、
ポイントを絞ってご紹介しようと思います!
地元の塾に通うもなかなか結果が出ない東大志望のYくん
Yくんは、東大を目指す一浪目。
現役の間は地元の塾に通っていましたが、頑張っている割には成績が上がらないことで悩んでいました。
入塾説明では、その相談からスタートしました。
Yくん:
「先生、僕、どうしても、東大に行きたいんです。
でも、僕の成績では、ふつうに勉強していては間に合わない。
だから、去年は、通っていた塾の先生に頼んで、
間に合うように計画を立ててもらったんだけど……
がんばったんですが、成績はまったく上がらないし、
途中から、だんだん計画通りに進められなくなってしまって……
僕は、どうしたら東大に合格できますか?」
最初のキーワードは、
彼の相談の中で出てきた「計画」について、でした。
確かに、受験勉強に計画は必要です。
難関大学に挑戦したい、でも偏差値が20足りない、なんてことになると、
マイペースでやっていては、とても間に合いません。
だから、受験のプロである先生に計画をたててもらう人は多いでしょう。
Y君も、その塾の先生に計画をつくってもらいました。
ですが、その計画どおり、進められなかったんです。
そこでY君は、塾の先生に相談に行ったそうです。
でも、なぜか先生には、相手にしてもらえず。
「やるしかないだろう!」といった返事のみ。
それ以上は、何を言っても聞いてもらえません。
「やるしかない」のは、わかっている、
でも、それができないから相談したのに…と、Y君はへこみました。
そうして、だんだん、
「できない自分が悪いんだ」と自分を責め、
「このままでは受からない…」と不安になり、
「きっと、この教材が自分に合ってないんだ」と疑いはじめたのです。
わたしは、ここまで聞いて、その計画をたてた先生って、
「人間を分かっていないんだなー」って思わずにはいられませんでした。
立てた計画を、どうやって実行したらいいか。
どうすれば、途中で挫折することなく、最後までやり遂げられるか。
そこまで考えて指導してないんだなーって。
言われたとおりにやってみたら、
ムリなく、見込み違いなく、
計画通り、理想的に、スムーズに進められた!
何をやっても、ゴールまでトントン拍子だった!
なんて人、この世界にいるのでしょうか?
たいていは、計画どおりにはいかない、という壁にぶちあたるもの。
と言うのも、もともと人間は、計画的にものごとを一直線に進めるのは、苦手にできているのですから、ごく当たり前のことです。
物事を実行するやり方には、2タイプの人がいます。
一つは、「リニアタイプ」。計画を立てたら、時間の流れに沿って一直線に進めていける人です。このタイプは、全体の2~4割ぐらいと少数派です。
もう一つは、「ノンリニアタイプ」。途中で起こる「疑問」や、勉強以外の課題(生活面とか)にもあれこれ対応しながら、全体のレベルを上げながら、らせん状に進めていくタイプ。こちらは全体の約6~8割と、大半の人があてはまります。
にもかかわらず、そういった無茶な計画を押し付ける先生って、計画さえ立てたら、まるで誰もが「リニアタイプ」のように、一直線に勉強できるだろうって、思っているのです。
しかし、人間はロボットじゃありません。
絵にかいたような理想の計画にこだわっても、自分を苦しめるだけ。
そんなことは、どんな大人も経験済みのはず。
では、なぜ、Yくんの通っていた塾では、
相談にいっても、「やるしかないだろう」しか言われなかったのでしょう?
「そこでつまづいているなら、こう変えてみよう」とか
「ここは、こう考えてごらん」とか、
「昔キミに似た、こんな受験生がいたけど、その子はこうやって乗り越えたよ」
といったアドバイスや軌道修正をしてもらえなかったのかな?
と、疑問に思いました。
そのことについて、
村田先生はこう答えました。
「教育の‶マニュアル化〟の弊害だね。
フランチャイズ経営の会社にはよくあるんだ。
ほら、ファーストフードのお店には必ずマニュアルがあるよね。
たとえばハンバーガーの作り方マニュアルを、全国の店舗に配り、
その通りにつくれば、誰でも一定の品質でハンバーガーが作れる。
同じように、受験指導をマニュアル化すれば、
一定の受験指導を、誰でもできる、と考える人もいるんだ。
勉強計画も、マニュアルの一つなんだろう。
たしかに、マニュアル通りカンペキに勉強できたら、合格できるかもしれない。
でも、誰だって個性やクセがある。
長所も短所も、得意も不得意もある。
予想以上に時間がかかることもあれば、
時には、やる気を失って、サボってしまう日もあるだろう。
順調に進まないときに、何が突破口になるかは人によって違うものだし、
どんな言葉や励ましが心に響くかも、人によって違うよね。
受験生には、そういったマニュアルからはみ出てしまう課題だってあるんだ。
それは、個人的な部分だから、個人的に対応していかないといけない。
でも、その塾の先生が、与えられたマニュアルだけを頼りにしていると、
個人的な相談への対応の仕方がわからないから、
見逃したり、見捨ててしまうこともあるだろうね」
教育の‶マニュアル化〟だなんて言葉、初めて聞きましたが、
そんな考え方をする塾があるのは、なんとなく想像できました。
しかし、そのままでは、Y君が勉強に全力を出せなかっただろう、
ということは、誰の目にも明らかです。
ステップアップでは、このようなことがないよう、
勉強に関する指導はもちろんですが、
個人的な相談にもすべて、講師やスタッフが対応しています。
メンタル、時間管理、人間関係、進路に関する相談。
中には、朝起きられない、とか、将来が不安、とか、恋愛の悩みまで!
睡眠、食事、心と身体の状態は、受験生にとって大事なこと。
すべてにおいて勉強のパフォーマンスが上がるようなアドバイスをしているんです。
それから、村田先生はYくんに、
「その後、どうやって勉強を続けたの?」
と聞いてみると…、
「問題集を変えてみた」とのこと。
Yくんの友人が「成績が上がった」というおススメの問題集を教えてもらい、それに変更したそうです。しかも、塾の先生には相談せずに。
それを聞いて、村田先生はこう言いました。
「問題集を途中で変えてしまったのかーー。
問題集を完成させずに、焦って次々と新しい教材に手を出すというのは、
受験生の失敗パターンの中でも、多いものなんだ。
つまり、その教材や、それを選んだ先生を信頼できない、ってことだよね。
信頼関係って、大学受験では、かなり重要な要素なんだ。
受験は心理戦だからね。
人は、信じるものがあると、強くなれる。
乗り越えようとする力が湧いて、
心が強くなり、どんな状況でも、落ち着いてベストを尽くせる。
塾や講師を信じる気持ちが、エネルギーになるのに、
信じられないなら、結局一人で勉強しているのと同じなんだ。
それじゃ、塾に通っている意味がなくなってしまう」
この話を聴いて、Y君は、自分がどんなミスをしたか、気づいたようでした。
そうして、これからは、自分のどんなところを改めて受験勉強に挑むべきかを村田先生からしっかり教わっていました。
以上は、Y君の入塾説明のほんの一部でしたが、
どんな受験生にも共通するポイントが含まれていましたね。
ピンと来たかたは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今回のまとめ
1. 厳密な計画はたてないほうがいい(性格にもよる)。
計画はおおざっぱでOK。都度、計画を立て直すぐらいの柔軟さで挑むべし
2. 個人的な悩み(メンタル、時間管理、生活習慣、人間関係など)があって、自分で解決できない場合は、一人で抱えず、信頼できる指導者に相談すべし
3. 指導者や教材と信頼関係をつくるべし
受験は心理戦。信じる気持ちがパワーになる、と心得よ