地学の勉強を始める前に
地学の勉強法について始める前に、理科の科目の中で地学を選択するべきかどうかについてお話したいと思います。
理系の場合、国公立二次・私立一般試験ともにほとんどの大学が地学では受験できません。
そのため、地学を選択している受験者は、共通テストのみで、地学が必要(二次試験では不要)というケースでしょう。
もし、あなたが地学を選択する場合、自分の志望校が地学でも受験可能かどうかしっかりと調べたうえで選択するようにしてください。また、「暗記が多いから」という理由で化学、生物を避け、物理か地学のどちらを選択するか思案した結果、
「物理はなんとなく難しそうだから」という安易な理由で、地学を選ぶ受験生が多いのですが、実際のところ、物理も地学も、「計算問題がカギを握る」という点においては大差ありません。
むしろ、暗記量の少ない物理のほうが有利だと言ってもいいくらいです。ある程度、計算に自信があるなら迷わず物理を選びましょう。どうしても物理の考え方が肌に合わないという人のみ、地学を選ぶようにしてください。
地学基礎の共通テスト対策!
共通テストで地学基礎を受験する人は、あかじこれから紹介する勉強法に従って勉強を進めてください。ちゃんとコツさえつかめれば、きちんと成績は上がりますから心配しないでください。それでは具体的に見ていきましょう。
共通テスト地学基礎では、「地球の内部」「大気」「海洋」「天文」などの分野の中から出題されます。
問題の種類は、大まかに分けると次の3種類に分類できます。
・知識問題
・計算問題
・考察問題
この中の、計算問題で頻出のテーマは、左に挙げる3つです。
・アイソスタシー
・大森公式
・ケプラーの第3法則
また、考察問題の頻出テーマも、次の3つに絞られます。
・走時曲線
・地質図
・風の吹く向き
このように、共通テスト地学基礎は出題される問題の種類、パターンが限られていますので、それらに合わせた対策をしていれば、恐るるに足りません。
地学の考察問題を徹底的に研究せよ
先ほど分類した3種類の問題の中で、まず知識問題は、暗記で乗り越えるほかありません。1冊の教材から知識をとことん吸収すれば、安定して高得点がとれるようになります。
そして、計算問題もある程度パターンが決まっていますから、これから紹介する教材を7、8回と繰り返しやれば、ほぼ間違えることはなくなるでしょう。
さて、勝負の分かれ目となるのが考察問題です。これらは、覚えた知識をもとにして、現象・事象の原因や結果を考えさせる問題、つまり、丸暗記だけではどうにもならない問題です。
こういった問題は、慣れるまで少し抵抗を感じるかもしれません。しかし、「わからない……」と、壁を作ってしまわないことが大切です。考察問題は、教科書で取り上げられる基本的な知識をベースに作られます。言い換えれば、それ以外のまったく未知の分野からは、決して出題されないということです。
ですから、過去問をしっかり繰り返してやれば、パターンが見えてきて対応できるようになるでしょう。
そのときに重要なのが、答えが導き出されるまでのプロセスを理解することです。ただの答えの丸暗記ではなく、「なぜ、この自然現象に対してこのように理解するのか?」という「問い」を立て、よく解説を読むようにしましょう。
その場で「問い」に対する答えが見つからなくても構いません。どこかにメモを書き残して覚えておき、ずっと考え続けるようにしてください。
そうすることで、潜在意識はその「問い」の答えを探し出そうと働き続けますから、教材を反復する中で突如(とつじょ)ひらめきが生まれるようになります。
このように、「なぜ?」を意識して解説を読むようにすると、理解がドンドン深まっていくでしょう。
それでは、受験期間を「序盤・中盤・終盤」の3つのステップに分けて
どのように勉強を進めていけばいいのか、みていきましょう。
【地学勉強法】序盤編:何度も反復せよ
カンタンで薄っぺらい教材を何度も繰り返すことからはじめます。そうすることで、あなたの地学に対する意識の壁がなくなり、地学脳が目覚めはじめます。
入試まで十分に時間がある場合はこの教材からはじめてください。
- 『地学基礎 書き込みサブノート』有山 智雄・著(旺文社)
有山 智雄
旺文社
この教材は、地学の全体像をつかみやすいので、序盤にはピッタリです。2冊ずつ買ってください。そのうちの1冊は暗記用として使い、はじめから解答を書き込んでいきます。
穴埋め形式の解答欄のところに、解答を見ながら、赤ペンで解答を書き込んでいくのです。もう1冊はテスト用として、解答欄には書き込まないで
◎ …… 完ぺき
○ …… できる、覚えている
△ …… わかるけど、できない、覚えていない
× …… わからない
というふうに、仕分けていくのです。
テストするときは、暗記用を横に置いて、同じページを広げて確認します。
×は、基本的には後回しにします。後で、時間を見つけて教材で調べるか、質問しましょう。
△、○のところを中心に、すべての問題に◎がつくように、最低3回以上、できれば、5回、6回、7回ぐらい反復練習します。
苦手な分野であれば、8回以上やっていきましょう。
数学と同じように、「分けていく」ようにすると何度も反復練習できます。「紙に書きながら」の復習と「書かずに口頭で声に出すだけ」の復習を合計10回以上できれば、基本知識はほぼ完成です。
早い段階で全体像をしっかりとつかんでおけば、地学に対してニガテ意識も生まれませんし、今後の細かな暗記をスムーズに進めることができます。全体像がだいたい頭に入ってきたら、細かな部分の暗記に挑戦していきます。
【地学勉強法】中盤編:一冊をマスター
さらに、もう1冊やって欲しいのがこの本です。
- 『センター試験地学基礎の点数が面白いほどとれる本』蜷川 雅晴・著(中経出版)
KADOKAWA/中経出版 (2013-07-17)
売り上げランキング: 83,671
この1冊に、暗記すべき知識はもちろん、共通テストで必要となる考え方や解法まで、すべて詰まっています。この教材を完ぺきにマスターしておけば、共通テストで困ることはなくなります。
【地学勉強法】終盤編:過去問を解く
最後の仕上げとして『過去問』を解いていきます。旧課程の過去問の中で、新課程では出題されない問題は飛ばしてかまいません。最低でも10回分以上は解いてください。
時間に余裕があり、問題演習をしておきたい人には、次の教材がオススメです。
- 『マーク式基礎問題集 地学基礎』安藤 雅彦・著(河合出版)
売り上げランキング: 148,120
わからなかった部分は、これまでに何度も反復した教材と見比べて、自分にはどんな知識・解法が足りなかったのかを見つめなおしてください。