受験を通して自分の人生に〝誇り〟を持つチーム京大座談会

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チーム京大

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創始者である南極老人から直接指導を受け、京大レベルの受験勉強を極めてきた講師陣3名(阿部大夢・岡本憩・村山由佳)の通称。京大・難関大にも通用する受験の極意を語ります

南極老人から直接指導を受け、京大レベルの受験勉強を極めてきた3名の講師陣による「チーム京大座談会」。

京大・難関大に通用する考え方・対策について語っていきます。

※今回の記事は、通信コースで毎日お届けしている「塾通信ラジオ」から一部抜粋してお届けします。

 

チーム京大講師

阿部大夢(あべひろむ)

京都大学工学部合格。冷静な分析と緻密な思考により、問題集や過去問の別解を発見することを得意としている。受験指導においても、一人一人の特徴を深く分析し、数多くの受験生を難関大学合格に導く。

 

岡本憩(おかもとけい)

早稲田大学合格後、大逆転勉強法に出会い、南極老人指導のもと受験勉強を極める。共通テスト(英語・数学)では制限時間の半分で問題を解き、最速で解く方法を編み出す。日夜、解法・教材の研究を続けている。

 

村山由佳(むらやまゆか)

京都大学文学部卒。 苦手な数学は、共通テスト2週間前に100点中30点という絶望的な状況から、本番で満点を獲得。京都大学の二次試験では、直前期まで0点だったが、試験では80%の得点率を叩き出した。

 

受験結果で自分の価値は変わらない

阿部大夢(以下:あべ)

今の時期は、受験を終えた子もいれば、二次試験や国立後期を控えている子も多いと思いますね。

 

村山由佳(以下:ゆか)

結果待ちの怖さもありますよね。

前期の1番の勝負が終わって、その結果をドキドキしながら勉強するっていう苦しさというか。

 

岡本憩(以下:けい)

僕はなかったですね(笑)

 

ゆか

全然共感されない(笑)

今日も、塾生の子から、結果発表前で緊張してしまって、って相談もらいましたよ。

 

けい

でも、結果だけで自分の価値は決まらないので。

 

ゆか

さすがです(笑)

 

けい

いや、でもほんとそうで。

例えば高校の先生から

「今の時期は、人生においても大事な時期ですからね」

と言われたりしますけど、逆に聞きたいですよ。

「人生で大事じゃない時期っていつなんですか?」

って。

 

今この瞬間だって大事だし、10年後のある日の1日と、今日という1日の価値の違いは何なんだろう?と。

 

あべ

試験終わった次の日は、大事じゃないのか?ってことね。

 

けい

そうそう。試験当日だけ大事とか合格発表の日だけが大事とかじゃなくて、僕は、今日という1日が大事やと思うし、

今日1日何ができたのか

何をひらめいたのか

限界突破できたのか

何かしらこれはやりきったな、ってものがあるか

そういう泥臭い日々の中で人って変わっていくじゃないですか。

 

ゆか

ほんとそうやね

 

けい

今日、志望校合格した子に、僕は一言言ったんですよ。

「たとえ合格しても、受験勉強で乗り越えられなかったものは、今後も続くからね」って。

 

あべ

そうね。だから、本質的なことを言うと、「合格発表聞いて、受かってました」・・・で、何が変わるのか?と。

 

ゆか

行き先は決まったけど、自分自身は何も変わってないね。

 

けい

進路が決まっただけで、それで幸せになれるかどうかは決まったわけではないし、むしろここからどう生きるかっていうことなんですよね。

僕もそうでしたけど、受験期間で、自分はいつもここで不調になるなとか、負けパターンにハマるなとか・・・

たとえ進路決まっても、そこを乗り越えられてなかったら、その後の人生で向き合うことになるわけですよ。

 

アルバイトする時であろうと

資格試験の勉強する時であろうと

社会に出てからであろうと

自分が残した宿題はあとで必ず浮き彫りになる。

 

だから、受かるとか落ちるとか関係なくて、その残った課題をどうしていくかが大事やと。

 

受験を通して「自分軸」を持つ

けい

僕も元々学歴コンプレックスで再受験した人だから、

人から認めてもらいたいとか

親を悲しませたくないとか

友人にすごいと言われたいとか

周りからどう思われるかを気にする人は

特に平成世代は多いと思うんですけど。

でも結局それは「他人軸」だなと僕は思うようになって。

 

自分はどうしたいんだろう?って。

結局いつも人の目を気にしてるなって。

それはこの先乗り越えない限りずっと悩むことなんですよ。

 

だから、受験を通して、本来のあるべき自信を取り戻すというか

「ああ、ほんまに自分の人生誇らしいな」

って思えるか、なんじゃないかなと。

 

あべ

根拠抜きに「ああ、この先も絶対自分は大丈夫だ」と思えたり、受かっても落ちても、そこに清々しい空気があったり、「受験やって良かった」と思えるような時間を過ごせたら、何よりも、僕たちにとっては嬉しいことだと思いますね。

 

けい

だから、自分軸を見つけられるかどうかなんですよね。

キルケゴールのいうところの、実存主義的に、自分のための哲学を作れるかどうか。

※キルケゴール:デンマークの哲学者。人間の本来のあり方を主体的な実存に求める立場「実存主義」を唱えた先駆け的存在とされている。

 

それを探す旅に出ないと、どれだけいい話を聞いても、それを自分で実践せえへんかったら、何にも語れるものにはならないし。

 

机上の空論になってしまうから、

「こういう風に言われたので自分はこうしてます」

とか、他人を軸にするんじゃなくて、ちゃんと自分の足で世界に立つ。

 

自分はこの人生において、こういう風にチャレンジしてみたい!

挑戦してみたい!っていう風に思うからこれをやるんです、っていう選択は、非常に有意義な、意味のある選択なんじゃないかな。

 

僕でも、自分の考え方価値観というものが、だいぶ親から影響受けているんだなってのはめちゃくちゃありました。

でもちゃんと、自分の足で立って決めていかないといけないなと思うからこそ、大学行って、たくさん本も読んだ方がいいなと。

 

そうやって、いろんな考え方ってあるんだな。

じゃあ自分はその中でどの考え方を取捨選択して生きていこうと思うのかっていうのは、やっぱり、人から教えてもらうんじゃなくて自分で獲得していくことですね。

 

あべ

数学とかも、絶対にできるようにするぞって決めてる人と、とりあえず2 時間やれって言われたからやっとくかーって人では、全く違うよね。

 

生涯受験生であれ!

けい

みんな、受験勉強していったら、なんとなく分かるんじゃないかなって思うんですよ。

結局、同じミスを繰り返しちゃうとか、何かのせいにして逃げてしまうな、とか。

それによって、物事が進んでないもどかしさを感じた経験があったり。

 

でも逆に、ちっちゃいことでも、今日はこの一問をやり切った!とか、勇気を振り絞って相談してみた!とか・・・

今までの自分じゃない領域に踏み込んだ時の、世界が開かれる感じも、きっとみんな知ってるはずなので。

 

私たちはそれを受験だけでやってほしいわけじゃなくて、むしろ、これからの人生の下準備やと思うんです。

 

ゆか

人生のひな型になるからね。そういう経験をいっぱいして、この先の人生に生かして欲しいって思う。

 

けい

そう。生涯受験生でいてほしいんですよ。

私も自分に対してそうありたいと思うんですけど。

 

人に何か思いを伝えるときもそうやし

なにか勉強を教えるときもそうやし

掃除1つとっても、時間があってそれまでやらないといけないことがあって

ハラハラドキドキドキすることもあって

 

誰かに助けてもらったり、協力したりして、毎日ドラマが生まれるって、もう人生、受験だらけやな!みたいな。

 

でもそんな日々が楽しいし、僕らもミスターステップアップで学んだ甲斐があるなって感じる瞬間なんですよね。

 

あべ

この時期は本当に試される時期だし、大変な思いをしてる人も多いと思います。

でもそんな状況で、頑張れるチャンスがあって、自分の人間力を発揮する舞台があることを誇りに思ってほしいですね。

 

天才軍師の諸葛孔明(しょかつこうめい)は、人を徴用(ちょうよう)する時に、その人の地元を訪ねて、

「あの人は、うまくいっていない時にどう過ごしていましたか?」

と聞いて回っていたと。

その、不遇だった時の生き方に〝誠〟を感じたら、この人は信用に足るなって。

これ以上に大事なことってないなと。

 

だから、どんな状況だろうと、自分の大事な人生のうちの1日であることに変わりはないので。

今日という人生をね、1日また頑張ってみましょうよ。

僕らも精進しますんで。