今まで、多くの受験生に関わってきて、実感していることがあります。それは、大学受験生の成功は、受験生一人だけでなせるものではない、ということです。
家族、先生、仲間がいるから、最後まであきらめずにがんばれる。その結果、ムリだと思っていた壁すらもいつのまにか乗り越えることができるのでしょう。
ところが、中には、いくら勉強しても、どんなに応援しても、なかなか成績が伸びない子もいます。調子よく伸びてきたのに、なぜか本番だけ調子を崩してしまう子も。
なぜそうなってしまうのでしょうか?
それは、学力が問題なのではなく、性格やメンタル面に弱点がある、と考えられるのです。
そこで、伸び悩む受験生に多い性格パターンを4つにまとめました。
こうしたタイプの子の親御様の中には、「ウチの子はいつになったら本気になるんだろう」と嘆いたり、腹を立てたりする方もいらっしゃいます。
ですが、子どもは親の鏡のようなものです。その性格は、幼少期からの親子関係によって、ほとんど決まると言っていいでしょう。
たとえば、「過保護」な親元で育ってきた子どもはプレッシャーに弱く、ラクな方に流されやすい傾向があります。努力しても長続きせず、辛くなると投げ出してしまう。
でも、それを親が許している間は、成績が伸びることはないでしょう。(タイプ3:のらりくらりタイプ)
「放任主義」の親御さんの場合、適度な放任ならいいのですが、行き過ぎてしまうと無関心になりがち。
すると、子どもは「自分は親から愛されていない」と感じてセルフイメージを下げてしまいます。不安が強くなると、自分でなんとかする!というエネルギーがわかず、諦めグセがついてしまうのです(タイプ2:しょぼくれタイプ)
どんな親子にもあてはまる「3つの法則」
では、このようなタイプの子どもたちは、どうすれば弱点を克服して、目標を達成できるのでしょうか。
わたしたちが塾生の親御さんにおススメしていることの一つが、親子の接し方の見直しです。実は、親御さんの態度がすこし変わるだけで、子どもの意識や行動がガラリと変わることもあるのです。親の言葉一つで逆転合格した事例も、少なくありません。
とは言え、受験生の子どもへの接し方については、お伝えしたいことはたくさんあり、ここでは言い切れません。
そこでわたしたちは、親御さんにぜひ知っていただきたい”親子関係の法則”を3つ選び、冊子にまとめました。この「3つの法則」を知っているだけで、子どもとどう接していけばよいか、答えが見つかるはずです。
ここでは3つの法則の中の一つ、「心配の法則」について、お話しましょう。
心配の法則 (親の心配は逆効果。百害あって一利なし。)
親が「良かれ」と思ってやってあげていることでも、実は子どものモチベーションを著しく下げてしまうことがよくあります。
かつての塾生の親御さんで、子どもの勉強が進んでいるか毎日チェックしたり、模試の答案を分析して指摘したり、勉強計画を立てて進捗を管理している方がおられました。
ですが、熱心にやればやるほど、日に日に子どもは元気を失っていくのです。わたしは、お母さまと話をすることにしました。
なぜ、そこまで干渉するのかをお聞きすると、「第一志望に合格できなかったらと思うと不安で・・・」とおっしゃるのです。
だから「どれぐらい成績が上がっているのか、チェックせずにはいられないんです」と。
不信、不安、苛立ち。そんなネガティブな親の感情は、子どもに伝染します。いくら良かれと思ってやったことでも、”心配”から起こる言動は、「私って信じられてないんだ」というメッセージとして、子どもに伝わります。
だから、親が暗い未来をイメージすればするほど、子どもは調子を崩しやすくなるのです。そうして、もっとも避けたかった未来へと突き進んでしまう・・・。
つまり、”親御さんの心配”は、すべて逆効果になるのです。
では、そのような結末を避けるには、どうしたらいいか。とにかく子どもを信じてあげることです。大学受験の年齢ともなると、もう大人です。
社会的にも、精神的にも、自分の足で立ちたい、と思うもの。子どもが親離れし、大人になっていくことを受け入れ、無条件の愛で応援してあげていただきたい。
親から信頼の気持ちを向けてもらえるほど、子どもは、より能力を発揮できるのですから。
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