6年間勉強してこなかったTくんを変えた思わぬひと言

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キョウコ

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塾スタッフ。塾生さんや、塾生の親御さんと、いろいろなお話をしながら、塾生と先生の間をつないでいきます。そうして見えてきた塾の魅力を、より多くのかたにお伝えしていきます! 

 浪人生って、どんなイメージでしょうか?

 ネガティブに捉える人もいますが、

 ステップアップの塾生は、ほぼ100%「浪人してよかった!」と言います。

 なぜだと思いますか?

 

「浪人して良かった!」と思う理由とは……

 

 それは、「学ぶ」とは、どういうことかを知ったから。

 ステップアップで学ぶのは、受験勉強だけではありません。

 

 どんな大学生になり、どんな大人になりたいか。

 自分はどんな人間なのか。

 どんな人に出会いたいか。

 どんな世の中になったら、理想か。

 といった、これからの「生き方」も学んでいるのです。

 

浪人生は、自分の内面の本音を見つめるのに最適なとき。

なぜなら、

肩書もなく、何者でもない、立場だからこそ、

何にも縛られず、何者にもなれ、自由に発想できるからです。

 

浪人時代に、新しい自分に変わっていった塾生がいます。

神奈川からきたTくんです。

中学・高校と部活のテニスに全エネルギーを注いでいましたが、

テニスでプロになるわけでもない。

そろそろ進路を考えなくちゃ、と

高校卒業してから、大学受験を志すようになりました。

 

とはいえ、中高6年間、ずっとテニスばかりしていて、

自分が大学生になるなんて、全く考えてこなかったTくん。

 

そんな彼が、塾に入り、周りの塾生たちと自分を比べると、

勉強が6年分、遅れていることに気づいて愕然とします。

 

「僕は、中高一貫の私立だったから、勉強せずに高校に上がれた。

  これといった勉強しなくても、高校生になれた。

 だから今、こんなに遅れているのは、

 勉強してこなかった自分のせいなのは分かっている。

 

 わかっているけど……

 

 でも、テニス以外に、何の取柄もない自分が、

 本当に大学に行けるんだろうか……?」

 

入塾当初は元気だったTくんが、日に日に元気を失っていきます。

そんなある日、Tくんは、お昼ご飯のときに柏村先生と偶然、

 同じテーブルになりました。

柏村先生は、Tくんの元気のない様子を見て、声をかけました。

Tくんの悩みをいろいろ聞いて、こんな話をしました。

 

「6年間、勉強してこなかったっていうけど、

 その代わりに、テニスに熱中していたってことだよね。

 それって、言い換えれば、

 きみは、一つのことに熱中できる才能があるってことだ。

 

 一つのことに熱中できるって、スゴイことなんだ。

 

 そのエネルギーを、これから受験勉強に向けることができたら、

 テニスをしていた6年間はムダじゃない。

 

 自分の身体(エネルギー)の扱い方を、身に付けていたってこと。

 自分の取説がわかれば、この先の人生で何にでも応用がきくからね」

 

Tくんは、自分がテニスばかりして全く勉強していなかったことを、

きっと先生は呆れているんだろうな、と思っていたので、

その言葉にとても驚きました。

 

柏村先生は続けました。

 

「テニスでは、コーチに従って練習していたんだよね?

 それは、指導者についていく姿勢が育まれていたってことにもなる。

 

 キミは、学ぶ姿勢をテニスで培ったんだ。

 その姿勢を、塾でそのまま先生に向けてごらん。

 

きっと来年の春には、まったく新しい景色が見れるようになるよ」

 

今までTくんは、高校の先生からは、

「お前には、大学はムリだ」と言われたり、

友人から、

「Tは、勉強は向いてない」といって笑われたりしていました。

 

本人もすっかり慣れてしまって、

「こんな自分だから仕方ないな」と思っていたほどです。

だから、自分を肯定するような言葉をかけられたのは、

初めてでした。

 

「自分も大学に行けるんだ…」という希望を感じて、 

 涙が出るほど、嬉しかったそうです。

   それからは、周りと比較して落ち込みそうになったら、

   この言葉を思い出して奮起し、勉強に励むようになりました。

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浪人時代を、どのような気持ちで過ごすかで、

受け取るものが変わってきます。

 

そのことを、ステップアップの書籍

『大逆転合格する人だけが知っている秘密の習慣』表現されています。

では、少し引用してご紹介しましょう。

 

老人時代を人生の財産にしよう

 

「 歴史上の人物で、拠り所のない不遇な状況を乗り越え、

大成した人物は多くいます。

 

獄中で勉強し、志ある若者を育て、明治維新の礎を築いた吉田松陰。

若くして諸国を巡り、幾多の死闘を経て、天下無双に至った剣豪・宮本武蔵。

貧乏で身体が弱く、学歴がない、だから成功できたと語る大経営者・松下幸之助。

 

頼るものがない不遇の時期を超え、自らを磨き続けてきたのです。

 

しかし、多くの人は、学歴、収入、役職……、そういった肩書やブランドに頼り、

自信を得ようとします。

それらを得ること自体は悪いことではありません。

けれど、それらに頼りすぎて、自分を磨く努力を怠ってしまうと、

後で必ずしっぺ返しをくらいます。

 

(中略)

私もかつて、南極老人に出会うまでは、浪人することに絶望を感じていました。

そんな私を見て、南極老人はこう諭してくれました。

 

「不安定を楽しみなさい。

 そして、その苦しみを愛するんだ。

 何においても、苦しいと思うくらいやりとげなければ、

 コツはつかめない。

 

 やっと、一つコツをつかんでも、さらに磨いていく。

 そして、どんどん進化を遂げていくんだ。

 そうすればキミは、無敵になる」

 

歴史上の名だたる人物たちは、ある共通点があります。

それは、苦しみ、悲しみ、痛みにこそ、

成長するための膨大なエネルギーがあると知っていた、ということ。

その苦しみの先に、才能が開花することをわかっていたのです。

 

「大逆転合格する人だけが知っている秘密の習慣」P88~より

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大切なのは、ネガティブな感情をそのまま放置せず、

それを前向きなエネルギーに変換すること。

どんな大人を目指すか、方向性を持つことです。

 

そして

ポジティブであれ、ネガティブであれ、

持ちうる全てのエネルギーを

一つの方向に凝結させることができたら、

それは、大逆転を引き起こすエネルギーになるでしょう。

 

新しい視点を持てれば、

未来への可能性を見つけることは、誰にでも可能です。

 

浪人時代だからこそ得られる宝物を、

ぜひつかんでいってほしいな、と思います。