下線部和訳においても、英作文においても、
最も大切なことは、英文の構造を正しく解析することです。
例えば、下線部和訳は、
「和訳がなんとなく正しければ正解になる」
というものではありません。
むしろ、その逆で、thatの構造を1つ取り間違えるだけで、
0点になることは決して珍しい話ではありません。
では、少しここで具体例を見てみましょう。
ぜひ、一旦手を止めて、
以下の英文を自分の力で訳してみてください。
That dance is popular among young people has been proven by the survey.
・・・
あなたは何と訳しましたか?
この英文を多くの受験生はこのように訳します。
あのダンスが若者の間で人気であることがその調査によって証明された。
…さて、ではこの和訳は何点だと思いますか?
難関大の入試なら、この答案は間違いなく0点でしょう。
それはなぜか?
なぜなら、英文の構造を取り間違えているからです。
ちなみに、先に解答を発表しておくと、
正しい和訳はこうなります。
ダンスが若者の間で人気であることがその調査によって証明された。
どこが先ほどの解答と違うのか分かるでしょうか?
これは実際に並べてみると、
よく分かるかも知れませんね。
(誤答)あのダンスが若者の間で人気であることがその調査によって証明された。
(正答)ダンスが若者の間で人気であることがその調査によって証明された。
…そうです。
最初に「あの」が冒頭についているかどうかだけの違いなのです。
たったそれだけです。
しかし、このほんの少しの違いが
「0点なのか満点なのか」につながっていくのです。
ちなみに、今回の問題についてカンタンに解説しておくと、
間違った和訳では、thatを形容詞ととらえ、「あの」と訳しています。
しかし、正しくは、thatは従属接続詞で名詞節を作り、
That dance is popular among young people
=ダンスが若者の間で人気であること
で一つの主語となるのです。
そして、これは英作文においても同様のことが言えます。
なぜ3ヶ月勉強しても
得点が上がらなかったのか?
南極老人は受験指導をしている際、
英作文指導で一つの壁に当たったことがあったそうです。
南極老人は若い頃、ある生徒の家庭教師をしていました。
その生徒からは「英作文だけを教えてほしい」
と頼まれていたため、
南極老人は3ヶ月で100問以上も
その生徒の英作文を丹念に添削してあげたそうです。
「これだけていねいに指導したのだから、
きっと英作文の成績は爆発的に上がるだろう」
そう南極老人は思っていました。
…ところが、3ヶ月経っても、
成績はほんの少ししか上がらなかったのです。
それはなぜだったのか?
結論から言うと、英語構文のトレーニングを
していなかったことが原因でした。
そのため、どれだけ南極老人が英作文の添削を行っても、
ほとんどムダになり、少しも身にならなかったのです。
そこで指導の方針を変え、
基礎から英語構文を教え始めると、
途端に英作文の成績が上がりだしたのだそう。
つまり、英作文において最も重要な力は、
難しい単語を使うのではありません。
中学レベルの英単語を使いながら、
文法的にも構文的にも正しい英文を作ることなのです。
京大の問題も基本単語で解ける!
では、少し、英作文の問題にも取り組んでみましょう。
生兵法は大怪我のもとというが、現代のように個人が簡単に発信できる時代には、
とくに注意しなければならない。(2017年 京都大学)
さて、この問題も一見難しそうに見えるかも知れませんが、
しっかり取り組んでみるとそうではないのです。
まず、「生兵法は大怪我のもと」ということわざについて。
このことわざについては、
"A little knowledge is a dangerous thing."
と書かれることが多いのですが、もちろん知っている必要はありません。
どういう意味なのか考え、基礎的な英単語を使い、
正しく書ければ良いのです。
では、今回の英文はどう書くことができるのか?
もちろん、いくつか書き方はありますが、
たとえばこのように書けます。
It is thought that if you act as if you know more about something than you actually do, you are likely to fail. You should be careful not to make such a mistake because each person today can quickly send messages to a large number of people.
どうでしょうか?
「京大の問題だ!」とは言っても、
難しい単語は使っていませんよね。
このように最難関の京大の英作文でさえ、
シンプルに書くことができるのです。
…とは言っても、
「こんな英文思いつきません!」
そう思うかもしれません。
だからこそ、英語構文力が必要なのです。
英語構文をマスターすることによって、
一見「難しい」と捉えられている下線部和訳も、英作文も、
誰でも確実に得意にすることは可能なのです。
そこで、今回の「大逆転勉強法講習会2019」では、
この英語構文力を自分の物にする「とあるコツ」を伝授します。
このコツを把握した上で勉強を進めてもらえれば、
下線部和訳でも、英作文でも、構文が「見える」ようになります。
ただ参考書を反復するよりも、
何倍も効率よく勉強を進めることができるので、
ぜひこの「コツ」を習得してみてください。
また、今回は英語構文の他にも、
2つのテーマについてお話しようと思っています。
それが、
・「無意識」の活用方法
・「考え方」の改革方法
です。